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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

走り回る鍼灸師・ハリ天狗を操るマネージャーの日々奮戦

「AX<アックス>」伊坂幸太郎・著 読了しました!涙が・・・

2022年05月31日 | 
友人のふくちゃんが勧めてくれた本の3冊目はこれ。
「AX<アックス>」伊坂幸太郎・著。

「グラスホッパー」・・<バッタ>
「マリアビートル」・・<てんとう虫>
に続く「殺し屋シリーズ」
「AX」とは<斧>のこと。
これは「蟷螂の斧」のことわざからきていて、
カマキリの腕を「斧」と喩えての「AX」とか。
「カマキリもその気になれば一発かませるぞ」とか
「どちらかと言えば儚い抵抗」・・・という意味もあるか・・・と。

とにかくは「殺し屋シリーズ」でして・・・
普段は人の命をなんとも思わず奪っていく冷酷無比な輩・・・の話なんだよなぁ〜(汗)

と思って読み始めると、
この殺し屋「兜」は違うんじゃないかと思わせてくれます。

本当は「悪」を懲らしめてるだけの正義の味方なんじゃないか?!
でも、やっぱり若い時は、上からの指示に従って
正義も悪もなく人を殺しまくってたらしい・・・(汗)

でも。。でも。。
最近の「兜」は結婚し、父となり、、、老成したからなのか、
「この人にも家族はいるんだろうか」とか
「人の命を奪っておきながら自分だけ幸せになってもいいのか」
なんて自問自答するような「心優しい(?)息子思いで恐妻家の殺し屋」
になってる。

そんな「兜」は実に魅力的に描かれていてヤバい。
ともすれば彼にとても同情的になり、このまま幸せになってほしいと願う展開。

前半はコメディーかと思うほどに
「恐妻家」である彼の妻への気遣いや遠慮や、、それは面白おかしく
表現しているひとつひとつが笑えて。

後半はこの彼がなんとしても息子を巻き込みたくなくて
の想いに泣ける!!!
と同時に、最終的に息子を助けた仕組みにドキドキさせられるという
ワクワクな展開!!!
これは新海監督の「君の名は」がヒントになってるとも。

伊坂幸太郎さんの得意とする
「忘れた頃に戻ってくるブーメラン、という伏線の技巧」
「頻繁に視点人物が入れ替わる三人称多視点の文体」
「誰の章の主役なのかが印鑑で示される趣向」
(杉江松恋さんの解説より)

にしてやられました。

殺し屋の家族が幸せになってもいいじゃん!
悪の根本がやられる爽快感に浸ったままでいさせて〜〜

やっぱり伊坂幸太郎の筆致は好きだなぁ♪

P.S.
あ、あとね、サブタイトルが
A、B、C、E、Fとなってるのも面白い!
Dについては「Drive」というのがあったんだそう。
これも読みたかったなぁ♪




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