como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

「独眼竜政宗」を見る!(6)

2009-02-26 19:02:26 | 往年の名作を見る夕べ
 第10回前後(概ね3月最終週あたり)というのは、大河ドラマでは、主人公にとっては人生のあらたなステージに旅立つ時期。父や父的存在の人と別れるのもこの時期に設定されていることが多いです。
 そういうわけで、この「政宗」でもこの時期に父別れがあるのですが、いやいやいや。さすが北大路欣也だ。感動しちゃったよ。こんなに堂々と定番・父別れを演じきった御仁が、あんな極甘な大河ドラマに出てどう思っただろう…と、なんか他人事ながらお察しいたします(笑)。
 そのくらい凄い輝宗お父様の旅立ちが描かれます、第11・12回・ドップリと戦場に釘付けで、女性もほとんど登場しないという痺れる展開でございます。成実の兜の百足の前立て、小十郎の位牌(!)の前立てなど戦場ファッションもポップですわー。

第11話「八百人斬り」
 
 このサブタイトルもしびれますね。緒戦敗退のショックから立ち直った政宗(渡辺謙)は、伊達家をナメて芦名に寝返った大内定綱(寺田農)の所領・小浜を攻撃するため出陣します。
 定綱が立て篭もった大内の出城、小出森城を攻めた伊達勢は、固い籠城に攻めあぐねて、おもわぬ膠着状態になってしまいます。空回りの上、米沢から目付としてついてきた老臣がネチネチと口を出すので、イライラした成実(三浦友和)が許可もなく突出し、別働隊を率いて城の裏手に陣をしいてしまいました。何かとうまくいかずメゲた政宗は「オレは戦の才能が無いのか」と小十郎に弱音を吐きますが、小十郎は、殿は勇猛果敢にして紛れも無い棟梁のうつわ、頑張ってください!!と一生懸命ヨイショします。
 前後に包囲された小出森城は、戦わずに降伏を申し出てきますが、それを定綱が脱出するための方便と読んだ政宗は、城を厳重包囲し総攻めを下知します。炎上する小出森城のなかで、敵方の兵法指南をなのる男が「わが太刀風を受けてみよ!」と挑発、受けてたった「屋代勘解由」なる武将が…誰かとおもったら江夏豊だ。どうでもいいけど、スポーツ選手(格闘技系ふくむ)が役者で出ると、今も昔もホント脱力しますよねえ。セリフもだけど、異色のガタイにちょっと重心がちがうような丸太ん棒みたいな殺陣とかも。なんで出すんだろう。
ま、とにかく敵は落城し、政宗はみせしめに、捕虜となった敵方の老若男女を問わず皆殺しを命じます。その苛烈さに伊達の家臣たちも凍りつくなか、なで斬りにされたのは実に八百人。周りの小領主たちは震撼して、ほとんど戦わずに付近一帯が政宗に降伏、大勝利になります。
 が、そのあと、政宗の夜毎の夢のなかに虎哉和尚があらわれて、「敵も見方も皆仏の子ぞ、この罰当たり、外道者!!!」とか言って責めまくり、政宗はとうとう病を発して陣中で寝込んでしまいます。「殿って意外と小心…」と不安になった成実は、あれじゃ困ると小十郎にこぼしますが、小十郎は、いやあれこそ大将のうつわ、「外に向かっては鬼、省みては慈悲、それが武将たるものの心得でござる」と。
 深く内省した政宗は、こどものころ、不動明王をみて、衆生をすくうために恐ろしい顔をしている仏のようになりたいと誓った日を思い出し、「梵天丸もかくありたい、かくありたい、かくありたい…」と名セリフを心に刻みながら太刀をふるって迷いを断ち切っていくのでした。
 そして、こんどは米沢から隠居の輝宗が、鬼庭佐月(いかりや長介)ら老臣をつれて出陣してきます。おやじがしゃしゃり出てきたことで、みくびられているのかとイラつく政宗でしたが、輝宗出馬がプレッシャーになり、日和見をつづけていた二本松の畠山勢が、大内勢を見捨てていちはやく降伏。芦名・佐竹の援軍も手を引いて孤立無援になった大内定綱は、自分の城も所領も捨てて芦名の武将に成り下がるしかしょうがありません。
 が、降伏した畠山を政宗が「許せない」と強く反発。結果オーライなんだからいいじゃないの、となだめるお父さんへの反発もあり、差し迫って必要もないのに「二本松を討ちます!!」と宣言してしまいます。おまえ一度くらいの勝ち戦で思い上がるんじゃないよ、と強く諫めるパパの制止をふりきって、危なっかしい政宗の戦、まだまだ続きます。


第12話「輝宗無惨」

 大内定綱を見捨てて伊達に駆け込んできた二本松の畠山義継(石田弦太郎【=現・石田太郎)は、伊達家に無条件降伏を申し出ます。二本松の所領の半分は伊達家に割譲するし、そのうえ嫡男を人質に出す、どうぞいいようにしてください…と完全丸腰での申し出を、政宗(渡辺謙)は厳しく拒否。領土の半分など笑止千万、二本松の二股は信用ならない。ホントに降伏する気があるなら所領を全部差し出せ、と言い切ります。
 これには輝宗おとうさん(北大路欣也)も老臣たちも戸惑いを隠せず、なにもそこまで…ここは情けをかけてやれ、後日のために恩を売るということもあるぞ、等等ととりなすのですが、政宗は聞く耳を持ちません。成実(三浦友和)、小十郎(西郷輝彦)、綱元(村田雄浩)ら政宗のブレーンたちも同調。これからは弱肉強食の時代、いままでのように血縁つながりで適当な手をうってばかりでは覇者は生まれませんといって、老臣たちと真っ二つに対立します。
 結局、畠山には所領のうちの五か村安堵ということで妥協をみますが、畠山としては、五か村では食べていけないと必至に抵抗。居城に帰ると家臣たちが、玉砕覚悟で伊達を討つべしといきり立ちます。
 輝宗は、政宗をさそって二人で酒を酌み交わします。家臣の前では傲慢な物言いで父親の意見を拒否する政宗も、敬愛する父と二人になると、「無礼ばかりで本当にすみません」と謙虚に詫びます。エラソウに自信満々に振舞っているんだけど、実は不安で一杯で、これでいいのかと眠れぬ夜もあるのです…と弱音を吐く政宗に、おとうさんは「それでよい」と励まします。
 実は自分が政宗に家督をゆずったのは、周辺諸国と血縁や情実で繋がって、抜きん出る勇気のない自分に見切りをつけたためだったと、告白するおとうさん。これからの戦はそれではダメだ、西国の武将のように、敵を皆殺しして全滅させる非情さがなくては天下は望めない。おまえはそういうことのできる男だと思うんだ…と。
 なんていいシーンなんでしょうか。若いものに未来を託すおとうさんの、ベテランの度量と一抹の寂しさと。それをうけとる政宗の若々しい緊張感と、若干不安な感じもみずみずしく、グッときました。それこそ大河ドラマの父子ものの白眉でありましょう。
 で、もう政宗の裁量にすべてまかせると決めたおとうさん。畠山義継が再度のとりなしを頼んできても、政宗のように無情にはねつけたりはしませんが、基本的に条件を変えようとはしないわけです。
 が、義継は実は交渉するつもりではなかったんですね。ほとんど捨て身の覚悟を決めて、家臣と妻子にあとを託してきたわけです。交渉決裂して帰る義継は、ガックリ肩をおとしているとみせて、見送りにきた輝宗にいきなり刃物をむけ、人質にして拉致していったんですね。
 もう家中騒然です。鷹狩にいっていた政宗にも知らせが飛び、すっ飛んできますが、おとうさんの喉元に刃物をむけられていてはどうにもなりません。おのれ義継!卑怯なり義継!と歯噛みしつつ手出しできず、みすみす輝宗が阿武隈川のむこうに拉っし去られるのを見ているしかない政宗に、おとうさんは、「政宗わしを討て。天下が欲しくはないのかっっ!!」と絶叫。苦悩の叫びを上げた政宗は、鉄砲隊に発砲を下知します。
 かくして、おとうさんは政宗の目の前で、正気を失った畠山義継にメッタ刺しにされて果て、そこからは凄惨な殺し合いに…。義継は怒り狂った伊達の侍にズタズタにされます。
 お父さんの遺骸をまえに、「母上に会わせる顔が無い…」と放心する政宗。遺族の感情にも配慮して、輝宗は、荼毘にふされて米沢にかえることになりました。
 この回は、ついに泣いてしまったよワタシャ。やっぱりすごいドラマだな…。大河史上最高の平均視聴率は伊達ではない(笑)、と納得の回でした。


(つづきます)  


11 コメント

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感動! (vico)
2009-02-27 13:11:05
私も泣きましたー。
輝宗パパ、最高でしたね。
自分の弱点を指摘しつつ、正宗の才能を讃え、月を見ながら親子で酒を酌み交わす・・・。美しいシーンでした。

そして、畠山の裏切りによる輝宗の死。壮絶すぎる・・・。
旦那と見てましたが、緊迫して言葉がでませんでした。
トラウマになりそう・・・。

天地人もたまには、釘付けシーンを作ってほしいですね。
この間の回は、手取川の近所の住んでいるだけに、スポットライト演出にされてしまった手取川の合戦にがっかり。
兼続また、泣いたし。(いくら妻夫木くんの泣き顔が好きとはいえ、小松江里子さん、程度をわきまえてください。)

レンタルが旧作になるのを待って、真田太平記に乗り換えようと思います。
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平和って (侘助)
2009-02-27 16:46:43
庵主様こんにちわ。
私もこの場面「総集編」で見ました。
レビュー読んだだけで涙ものです

戦国時代は親殺し、子殺し、兄弟殺しなんて日常茶飯事だったと頭では十分に理解していたつもりだったのですが、実際人間が演じるのを見て初めて「親を殺すということはこういうことなんだ。」と思いました。
政宗輝宗親子の関係がとても良かっただけに、
その分ショッキングなシーンでした。


最近の大河は登場人物に「平和思考」を取り入れたがる傾向がありますが、なんかそれに違和感を感じていたのは「説得力」が無いからなんじゃないかと思ってしまいました。
今回のように父親殺しや大量虐殺とか戦の悲惨さをきちんと描いて、その上で「戦はもう嫌、平和が良い」てなれば私達も納得できますが、その悲惨な部分を微妙にオブラートに包んで綺麗な風に見せちゃってるので、胸に迫ってこないというか「説得力」がなくて逆にシラけちゃってるような気がします。

「平和」って言葉が主人公を印象良く見せるための便利ワードになっちゃってて空虚に聞こえるんですよね。
昔より放送コードが厳しくなってると思うので陰惨な演出って難しいと思いますが、それをしっかり描かないと兼続の「愛」も謙信の「義」も「俺は将来ビックになってやる」とかとおんなじにしか聞こえなくなっちゃう気が・・・というかもう聞こえてる
昔の大河は晒し首とか磔とか結構しっかりやっててその辺すごいな、と感心します。
「徳川家康」でも確か鋸引きのシーンがあったような・・・これも結構ショックでした。
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第11話見ましたッ (レビュ丸)
2009-02-27 20:39:38
庵主様こんばんは。第11話、ものすごく見応えがありました!! 政宗の葛藤が手に取るようで、マイナーな豪族や出城などの位置関係がイマイチ分からなくとも、じゅうぶんに堪能させてもらいました。『八百人斬り』ってサブタイトルも確かにスゴイ。

隻眼が治る夢、虎哉和尚に責め立てられる夢・・・。八百人斬りをし遂げた政宗の心理を鋭く描写しており、この上ない巧みな演出だと思いました。そういえば武田信玄も志賀攻めにおいて「生首三千」を挙げているのですから、英雄は時に冷酷にならざるを得ないのかも知れません。あの夢は政宗の懺悔の顕れのようで、見ているこちらとしては、等身大の人間・伊達政宗を実感することができた場面でした。

心に葛藤を抱いている政宗の前にオヤジがしゃしゃり出てきたこと、本人はどう思ったでしょう。明らかに憮然とし、イラついている様子を見て、「分かる分かる」と思ってしまいました。偉大な父親に認めてもらいたい!! 早く追い越したい!! という気持ちは、あの年ごろの男は誰しも抱いているものです。そういう「等身大」なところも、政宗に感情を移入できる重要な要素だと思いました。そしてまた輝宗の立場に立てば、我が子に老婆心をもって忠告している―――という親心があります。見ている人は、そういうお互いの立場が分かるだけに、父子のすれ違いが非常に切ないものとして映ったのではないでしょうか。次回、この父子をとんでもない悲劇が見舞うことになるようですが、続きは明日見たいと思います!!
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予算の問題じゃない。 (庵主)
2009-02-27 22:47:08
vicoさん

>緊迫して言葉がでませんでした。トラウマになりそう・・・

そうなんですよ、わたしも見ていてドキドキドキドキ…。ちょっと異様な生理的反応になってしまって、うわ~、ドラマをみてこんな反応するなんて! あそこは、まさしく鬼気迫る場面で、ふつうのドラマのテンションではなかったように思います。

>手取川の近所の住んでいるだけに、スポットライト演出にされてしまった手取川の合戦にがっかり

おお、地元! それはがっかり度も大きかったこととお察しします。なにか、脱力感が大きく広がっておりますねえ(笑)。
「政宗」みてると壮大なロケシーンなんかそんなにあるわけじゃなくて、スタジオ撮影のほうがずっと多いんですけど、戦国ものの迫力はスタジオかロケか、予算があるとかないとか、そういうことではないのだとつくづく思います。
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トラウマ率 (庵主)
2009-02-27 22:57:26
侘助さん

>実際人間が演じるのを見て初めて「親を殺すということはこういうことなんだ。」と思いました

ほんとにね。見ているこっちも息苦しくなってしまうような、異様な迫力でしたよね。政宗の苦悩の顔が物凄かった…。

>今回のように父親殺しや大量虐殺とか戦の悲惨さをきちんと描いて、その上で「戦はもう嫌、平和が良い」てなれば私達も納得できますが

そう、大河ドラマで「平和、平和」の大安売りはホントに考え直して欲しい。
イマドキのことで陰惨な描写にためらいがあるのはわかりますが、それならせめて現代のものさしで「平和」を連呼するのは止めて欲しいと思いますね(だから私は「風林火山」が好きなんですけど、あれは一回も、平和がいいとか、愛が大切とか言わなかったので)。

>昔の大河は晒し首とか磔とか結構しっかりやっててその辺すごいな

昭和50年代以前に子供時代で大河ドラマ見た世代では、幼心にトラウマになった人も多々いらっしゃるようです(笑)。とくに、「黄金の日日」の石川五右衛門釜茹での場がトラウマ率高い由。わたしは幸い(?)見た記憶が無いのですが。
いまどきの子供にも、トラウマになって残るようなキョーレツ場面を見せてやりたいなあ(笑)。
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お茶の間騒然 (ひろりん)
2009-02-27 23:04:43
庵主さま、怒涛の更新&レス、お疲れさまです。

12話の輝宗政宗の父子の酒酌み交わすシーンにはヤラレマシタ。多くのニッポンのお父さん達が「父とはかくありたい」と心の中で唸ったに違いない。

しかし感動の余韻にひたっている間もなく…。
なんと輝宗が拉致されると云う展開に家中騒然、お茶の間も騒然!!

「政宗わしを討て」。もー、輝宗父さん、カッコ良すぎ。隠居とはいえ40過ぎたばかりだったのではないの?壮絶且つ見事な最期です。

尊敬もしそれ故反発もした父。その人生の幕引きに政宗自身が加担してしまうと云う過酷な運命。思わず、酷いー!とTVの前で身悶えしちゃいました。

それから輝宗の人柄を表すシーンで印象に残ったのは。うろ覚えなんですが「そなた(政宗)には、あの母(お東の方)の血が流れておるのだ、感謝せねばのう」という意味の輝宗の台詞。

普段、お東の方の気性の荒さに辟易している一方で荒ぶる血は天下取りに不可欠と考えているあたりが輝宗父さんのすごいところ。
発想が“競走馬の血統”みたいですが…。

それだけ政宗の良き理解者であり一番の応援者であった父な訳で。
母との関係が微妙なだけに父を失った政宗が味わった寂寥感たるや。(自分もファザコンの気があるんで)ううっ、泣いたワ。

父の亡骸を荼毘にふすというシーンも政宗の無念が観ている私たちにも伝わってきて。
台詞で説明する(イマドキの)ドラマとは根本的に作りが違う。

それにしても大河の主人公が試練に耐え、成長してゆくってのは定石なんでしょうが、今年はそんなん期待しちゃいけないんですかね~?

庵主さまのおかげで「往年の大河」に目覚めたワタクシ。感謝しております。
レビューのために無理なさらずにブルーベリーなど召し上がって自愛くださいませ。
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父子愛の今昔 (庵主)
2009-02-27 23:07:10
レビュ丸さん

>武田信玄も志賀攻めにおいて「生首三千」を挙げているのですから、英雄は時に冷酷にならざるを得ないのかも知れません

「風林火山」では由布姫に子供のように抱きついて恐怖をしずめる描写がありましたよね。やはり戦国ものでは、大量虐殺や権力者の悪夢、派生する悲劇などの伏線の彩りが欠かせません。虐殺のない戦国大河なんて………。

>偉大な父親に認めてもらいたい!! 早く追い越したい!! という気持ちは、あの年ごろの男は誰しも抱いているものです

政宗はここでまだ18,9歳ですよね。虚勢を張る姿も危なっかしいのですが、そのへんを非常にうまく出していていいなあと思います。
また、お父様が素晴らしいお父様なだけにね。尊敬しつつ反発してしまう、という微妙なところも、若者の普遍的な感情でしょう。
現代は、家族や親子関係がちょっと歪んだりねじれていることもあって、大河ドラマでは理想的に円満で美しい家族愛が、お砂糖をかけたように甘く描かれがちなのかもしれませんね。それもわかるけど、そういう甘いドラマにドップリ浸けられているのも、なんだかなー…と複雑なこの頃なのでした(笑)。
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試練のうちに入りません。 (庵主)
2009-02-27 23:19:06
ひろりんさん

どうも、お心遣い痛み入ります。
ついつい、見始めるとなにも手につかずのめりこんでしまい……やっぱ凄いですね、昔の大河のパワーは。ただ事ではない。

>「そなた(政宗)には、あの母(お東の方)の血が流れておるのだ、感謝せねばのう」という意味の輝宗の台詞

そうそう! それで、政宗が「わたしは最上の子じゃない伊達の子です」ってちょっとムキになるんですよ。お母さんへの多少屈折した思いも匂わせて、いいですよね。
あの月夜の酒宴の場面はホントに泣きそうでした。お父さんが「わしは長生きをするぞ。長生きしてそなたの戦を見届けなければならぬ」みたいなことを言うんですよね。ううっ(泣)。

>大河の主人公が試練に耐え、成長してゆくってのは定石なんでしょうが、今年はそんなん期待しちゃいけないんですかね~?

うーん………まあ、試練はいまから本格的にやってくる、と思いたいところですが…最初の試練があまりにもヘタレだったため、先が思いやられるというか何というかで。八百人斬りや父殺し(ウウッ の試練と、やっぱり比べちゃって、あんなもん試練のうちに入らんわ!!と思ってしまうのでした(笑)。

主人公に七難八苦を与えたまえ!
などと視聴者が真剣に願ってしまう大河ドラマって、大丈夫なんだろうか…。
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第12話見ましたッ (レビュ丸)
2009-02-28 16:24:37
庵主様、さきほど第12話を見ました。『政宗』中でも傑作の呼び声の高い回、レビュ丸は実は初見だったのですが、不覚にも涙してしまいました・・・。女性がほとんど出ない、非常に男臭い回でもありましたが、役者さんたちの鬼気迫る演技がひしひと伝わってきて、息苦しさを覚えるほどの緊張感に包まれながらテレビと対峙していた―――、そんな45分間でした。片目を吊り上げて歯がみする政宗、死に臨んでも我が子を思い、叱咤する輝宗・・・。そのいずれもが真に迫る演技を見せてくれましたが、悲劇の前、水入らずで語らう父子の場面が非常に効果的でした。子を思う父、父を思う子。家臣らの前では頑なだった政宗の表情が、サシで父と向き合ってフト緩む・・・。あんな場面を見せられたら、誰だって泣いてしまいますヨ。「これぞ父子ものの大河の白眉」、同感です!!

しかし今回は畠山義継を演じた石田さんの、追いつめられてゆくたびに身体がどんどん硬直し、表情が険しくなってゆく演技も秀逸だと思いました。畠山のこの苦しみの果てに今回の悲劇が起きてしまったのです。そう考えれば、石田さんの「苦しみの演技」が『輝宗無残』をより印象的なものにしてくれたのではないでしょうか。そんなことを思いました。

北大路さんはこれにて退場・・・ですが、この輝宗役は本当にハマリ役でしたね。また大河ドラマでぜひとも重厚な演技を見せてもらいたいものです!!
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父別れ (庵主)
2009-03-01 18:21:48
レビュ丸さん

ねえ…泣けますよね。
このごろの大河ドラマでは、あのようにハードな父別れシーンが稀になっていただけに、主人公が大人の男として自立するハードルは、まず父親、という大河の王道を思い出したシーンでした。
そう思ってみると「風林火山」に出てきた父親追放の場面も、大河ドラマの王道にのっとっていたんですよね。

>石田さんの「苦しみの演技」が『輝宗無残』をより印象的なものにしてくれたのではないでしょうか

凄かったですね。また、ああなっても仕方が無いと思わせるところがたまらないですよね。
「石田弦太郎」って誰だろう、と最初の登場のときから思ってたんですが、声でわかりました。特徴的ですよね。改名されていたとは、今回初めて知りました。

>また大河ドラマでぜひとも重厚な演技を見せてもらいたいものです

ええ…。
あの薄味な勝海舟のリベンジを、本格戦国もので是非!!(笑)
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