上発地村から

標高934mぐらい日記

文明人的上海旅行記 三日目(鎮江編) その1

2012年04月01日 | Weblog

上海は天気予報どうりの雨が降っていた。

埃っぽかったのでちょっと落ち着いていいのだが、今日は鎮江に行くことにしている。
傘もささずに濡れながら上海虹橋駅を目指し地下鉄に向かった。
地下鉄では五体投地して物乞いしているおばさんがいて非常にショッキングだったが
出口付近にいたおじさんはもっとすごかった。コスプレじゃねえのかというようなツギハギの服
を着て、これまた五体投地して物乞いしているのだ。
そのへんに落っこちている服のがよっぽどいい。あれはどう考えたって大道芸だろう・・・

虹橋は上海郊外に作られた新しい駅だ。地下鉄駅から新幹線の切符売り場まではなかなか距離がある。
鎮江行きのニ等切符は千円程、購入後待合コンコースに向かったのだが、切符には23番ホーム
と書かれてあった。マジかよ、全部新幹線のホームだ・・・なんてバカでかい待合コンコースだろうか。
S氏はここを現代の兵馬俑(へいばよう)と形容していた。秦の始皇帝の陵墓の風景だ。
土地が豊富にあると自然とこういう作りになるんだろうな・・・

乗り込んだ新幹線「和諧号」はまさしく新幹線だった。大陸には300キロぐらいでる高速鉄道じゃないと
移動はきびしい。日本よりもこっちにあったほうが実用的じゃないかという気もする。

車窓の景色、最初は興味深く見ていたが、そのうち飽きてきた。どこまで行っても山もなければ
谷も無い。平坦な大陸がだらだらと広がっているだけだ。
蘇州、無錫、常州をすぎて鎮江にお昼頃に到着した。鎮江は朝とは打って変わっていい天気
街はのどかだった。
駅前で腹ごしらえをすることにし屋台でワンタンとゆで卵をおばちゃんに注文する。箸は桶の中で適当に
洗ったものらしく濡れていたのだが、そんなことは中国に来たらいちいち気にしてられない。
食べ始めて間もなく、お役人さん(警察ではなかった)がやってきて「ここで営業したらいかんぞ!」
みたいなことを言われ、おばちゃんは苦笑いしながらそそくさと店をたたみはじめた。
俺達も追われるように食べて店を後にする・・・

S氏の予定はまず長江(揚子江)に行き船で河を渡ろうというもの。渡し場行きのおんぼろバスに乗る
おばちゃんが運転してたのだが、やたら小気味よくクラクションを鳴らすのと、赤信号で止まる時に
必ず手前でエンジンを切って惰性で交差点まで行く小技を使っていた「ECO」っていうより「KECHI」

途中車内は乗車客で混み合ってきた。おじいさんが俺の席の隣にきたので何となく席を譲ったのだが
立って席の上を見たら「愛心专座」と表示されている。どうやら優先席だったようだ。

その後タクシーに乗り換えて長江の渡し場までやってきた。
目の前は全長6300kmもある世界で三番目に長い河、まずはそのデカさに圧倒された。
渡し船は頻繁に出航していて、車やトラック、自転車も簡単に乗船して対岸の揚州へ
行けるようになっている、地元密着生活路線だ。
 
俺達は展望デッキに乗り込み長江の風に吹かれながら揚州へ、海原へ出航するような雰囲気だ・・
船は貨物船をよけながらうまいこと対岸に到着、揚州で一泊するのか鎮江に戻るのか協議の結果
鎮江に戻ることで一致、来る時バスの車窓越しに見た古い街並みを散策することにした。

来る前はあっちこっちに黒酢の甕(カメ)が置いてあって、酸っぱい臭いがするんじゃないかと
勝手にイメージしていたのだが、鎮江の街は実際は全然違った。
鹿児島の街中に芋焼酎の甕があるわけじゃない・・・中国3千年のイメージを
ふくらまし過ぎると、怪しい増毛剤や健康食品なんかに手を出して失敗する。
のちにS氏は帰国してから上野で鎮江の黒酢を購入してお土産にしていた。正しい選択だろう。
 
 長くなってしまったので 鎮江旅行記はその2に続く・・・




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