海岸にて

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「非現実的な夢想家として」の村上春樹氏

2011-06-10 | 日記・エッセイ・コラム

核への「ノー」貫くべきだった 村上春樹氏がスピーチ

 【バルセロナ共同】スペイン北東部のカタルーニャ自治州政府は9日、バルセロナの自治州政府庁舎で、今年のカタルーニャ国際賞を作家の村上春樹さんに授与した。村上さんはスピーチで、東日本大震災と福島第1原発事故に触れ、原爆の惨禍を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。

非現実的な夢想家として」と題したスピーチで、村上さんは福島第1原発事故を「(日本にとり)2度目の大きな核の被害」と表現。戦後日本の核に対する拒否感をゆがめたのは「効率」を優先する考えだとした。 カタルーニャ国際賞は、人文科学分野で活躍した人物に送られる。 2011/06/10 06:54   【共通通信】

 

 

 

【村上春樹】カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文 

(「5」より、一部抜粋)

・・・「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」

 素晴らしい言葉です。我々は被害者であると同時に、加害者でもある。そこにはそういう意味がこめられています。核という圧倒的な力の前では、我々は誰しも被害者であり、また加害者でもあるのです。その力の脅威にさらされているという点においては、我々はすべて被害者でありますし、その力を引き出したという点においては、またその力の行使を防げなかったという点においては、我々はすべて加害者でもあります・・・

  

  

    

  

 

スピーチ全文は原発否定に貫かれていて、内容そのものは未曾有の災害の只中にある日本人だけでなく、現在は世界中の人々の共感を呼ぶことなのかもしれない。

しかし、「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」 彼はこの主語のない言葉を簡単に「すばらしい言葉である」という。

我々は被害者であると同時に、加害者でもある」 ここでいう「我々」とは誰?日本人?それともすべての人間?

 

彼は優秀な”夢想家”なので、現実をすっとばして、いとも簡単に、ものの見事に物事を抽象化してしまう。 彼の秀でた文学的才能や手法が文学以外で発揮されるとき、煙に巻かれたような妙な違和感が残る。小説での魅力が、スピーチでは”あざとさ”になる。

小説は結構好きなのに、この人がスピーチする姿を見るたびになぜか失望していく。村上春樹氏はいままでどおり、黙ってよい「小説」を書いていてくれればよいのにと思う。

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