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一日一書 997 ベニスに死す

2016-09-26 19:21:35 | 一日一書

 

ベニスに死す

 

ルキノ・ビスコンティ監督

 

ダーク・ボガード 

ビヨン・アンドルセン

シルバーナ・マンガーノ

 

 

半紙

 

かずら筆

 

 

この映画題名シリーズは、「日本映画ベストテン」のつもりだったのですが

そんなのどこかへ行ってしまいました。

 

全映画の中で、たぶん、この映画が一番好きです。

何度見ても飽きません。

 

でも、封切りで見ることができなかった。

あっという間に打ち切られたからです。

その点では、「神々の深き欲望」と同じです。

ぼくが最初にこの映画を見たのは、封切りから半年以上もたったころ

新宿の東映だったと思います。

映写の最後、海岸のシーンで、古くなったフィルムが切れてしまい中断したのを

今でも鮮明に覚えています。

 

冒頭の海のシーンから流れるマーラーのアダージョが忘れられない印象を残します。

 

美少年役として抜擢されたビヨン・アンドルセンが当時話題になりましたが

この映画では、それよりも、ダーク・ボガードが圧倒的に素晴らしい。

老いてなお、あくことなき「美」への耽溺が、痛ましく悲しい。

 

パゾリーニの映画でもおなじみの

シルバーナ・マンガーノの妖艶さも素晴らしい。

消毒液の匂いが感じられるような、ペストの蔓延するベニスの街の映像も魅力的。

 

ビスコンティの映画は、たくさん見ましたが

やっぱり、これが最高です。

 

 

 

 

 

 

 


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