プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

カドミウム腎症への賠償

2013-12-15 09:13:12 | 日記
 カドミウム汚染による公害「イタイイタイ病」(骨軟化症による骨折など)を発生させた三井金属は、その前段階の症状である(腎臓の尿細管の機能が低下、骨の維持に必要なリン、カルシウムなどが体外に排出されてしまう)「カドミウム腎症」の患者さんに対して、一人当たり60万円を支払うとのことです。(参照・引用は『朝日新聞』)

 また同社は、公害発生への謝罪の項目を盛り込んだ「合意書」を「神通川流域カドミウム被害者団体連絡協議会」と交わします。(症状が出始めて100年以上経ちますが)企業側の正式な謝罪は初めてだそうです。「合意案」によると、「1975年以前に、汚染地帯に20年以上住んだことがある人の内、腎機能悪化の指標であるタンパク質の尿中濃度が一定値以上の人」が対象となります。来年の4月から申請を受け付けます。(数百人規模になるとのことです)

 腎症は日常生活には支障がないため、これまで健康被害とは見做されてきませんでしたが、発生から100年以上経ってやっと認定されたわけです。カルシウムが排出されるだけでは自覚症状もないでしょうから、まだ気づいていない人もおられるかもしれません。新聞のタイトルには「イタイイタイ病決着へ」とありましたが、公害問題の難しさを感じました。決着には程遠いと。

 日本でも(100年経って)この状態ですから、途上国での資源開発で(銅でも、水銀でも、石油でも、石炭でも、石綿でも)、どれだけの健康被害が発生しているのだろうかと思います。裁判どころか、まともな調査も為されず、(廃液の流れる下流なら)開発による被害とも知らずに被害にあって健康を害し、亡くなっているのではないかと思います。工業製品を生産するために、(フロントエンドだけでも)このように世界中で犠牲(コスト)が払われているのが現状だと思います。(使用済燃料などの莫大なコストを考慮していないように)ペイしているかに見える「製品」(商品)も、実はこうした人々の犠牲(コスト)は無視している、その犠牲の分だけ儲かっている、それが本当のところではないでしょうか・・・

P.S. 経産省は中長期のエネルギー政策である「エネルギー基本計画」案をまとめ、原発に関して、「基盤となる重要なベース電源」とし、最も重要なエネルギーとして位置付けました。原案の「重要なベース電源」にさらに「基盤となる」と付け足しました。元々「ベース」には「基礎、土台」という意味がありますから、「屋上屋を架し」て、原発再稼動に突き進もうとしています。「必要とされる規模を・・・確保する」との文言に、関電の副社長は「新増設を事実上認めている」と意を強くしています。(破綻している)核燃料サイクルや再処理についても継続、(無責任でリスクもある)原発の輸出も推進していくそうです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年12月15日)