プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

米国原子力規制委員会アリソン委員長の指摘

2013-12-13 10:47:24 | 日記
 (1週間ほど前に来日されていた)米国原子力規制委員会(NRC)のアリソン委員長のインタビュー記事を要約してご紹介します。(引用は『朝日新聞』)

 福島第1原発からの教訓は、「1基ではなく、複数の原子炉が炉心溶融になる事態に備えなくてはならないこと」、その「備え」としてNRCは、12年3月に、「全ての原発に対し、時間無制限で安定的なバックアップ電源で対処できるよう求め」る「命令」を事業者に出しています。一方日本では、「バックアップ用電池は、1系統当たり24時間の作動、ディーゼル発電は1週間分の燃料を備えることを義務付けている」だけです。自国の事故でもなく、地震や津波の心配の少ない米国の方が、過酷事故から学び、より安全に配慮しています。日本も「時間無制限」に対応できるよう「命令」を出すべきだと思います。

 放射能漏れなどの緊急対策については、米国では原発の施設内外での緊急対応策の作成が義務付けされており、運転開始前に(緊急時対策の)実効性を演習で確かめないと稼働できないのに対して、日本では運転承認の前に「緊急時対策の実効性」の確認を義務付けていないことに対し「演習を義務付けてないのですか?」と驚かれています。日本も同様に、緊急時対策の実効性を確認する「演習」を義務付けるべきだと思います。

 また避難についても(避難計画の作成や避難指示は自治体が出しますが)NRCが担当しており、「再稼動の前に特別な演習が必要ないのは、NRCとFEMA(連邦緊急事態管理局)の双方が『合理的な確証』を得た場合(だけ)に限られ」るとのことです。実際に住民の大量避難こそ行ないませんが、「様々な緊急時対応が可能か、原発内外で試行して『審査』」を行います。さらに米国では、各原発は2年ごとに本格的な緊急時演習を実施することになっています。(本当に稼働させるのならば)日本もこうした「審査」や本格的な「演習」が必要だと思うのです・・・

P.S. 米国では、各原発につき最低2名の「検査官」が(住み込みで)常駐しています。事業者との個人的な関係には「指針」があって、例えば昼食を共にしたり、クリスマスパーティーに行ったりすることは許されないそうです。定期的に移動し、1ケ所に7年以上はいられません。規制する側と規制される側にちゃんと「壁」があるということです。でなければ、審査も検査も規制も本来できないものだと思います・・・

P.S.2 アリソン委員長は、スリーマイル島原発事故に多くの規則が変更され、緊急時対応の重要な規則がいくつもできた、(事故の)経験が多くの変化をもたらしたと話されています。日本の事故からも教訓を得、確実に対応(変化)しています。日本も少し規制は厳しくなりましたが、(あれほどの過酷事故を起こしても尚)米国には遠く及ばないのが現状です。また、田中規制委員長の「トリチウムを簡単に取れる技術があるとは思えない」などの、政府や事業者、IAEAにおもねる発言を見ると、全く規制の名に値しない、これで規制する側なのかと思わざるを得ません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年12月13日)