プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

家族分断の避難

2013-12-08 11:15:27 | 日記
 原発事故によって避難した家族が、別々に避難している実態が浮き彫りになりました。(参照・引用は『朝日新聞』)飯舘村など避難元の多くが農村部で大家族が多かった(避難指示の出た)7市町村では、主な避難先になった福島市など、仮設やアパートなどでは少人数でしか暮らせなかったり、復旧関連の仕事がある沿岸部へ行く家族とが別れたり、避難先が分かれるケースが多いとのことです。

 そうして家族が別々になった為、飯舘村では約6割、葛尾村では約4割、浪江町や大熊町も約3割、住居数が増加しており、それだけ家族がバラバラになっていることを示しています。高齢者だけになった避難者も多いそうで、コミュニティーも破壊されましたが、家族そのものも分断される非常に過酷な状況になっていると思います。

 こうした状況に(記事では)バラバラになった家族(特に高齢者)へのケアの必要性を訴えていましたが、現状は見捨てられているというのが本当のところではないでしょか。「フォーラム福島」の支配人の阿部さんは、「抜き差しならぬ『棄民感』というべきものをずっと感じてい」ると述べられています。福島市に残るご自身も、奥さんと娘さんは自主避難されており、7市町村だけでなく、福島全体(或いは周辺県も含めて)沢山の家族が別々に暮らさざるを得ない状況にあるのではないかと思います。

 松山に避難して来られた後で離婚をされた方もおられると聞きました。実際には避難や避難に関わる考え方の違い、或いは経済的な理由で、分断されただけでなく、家族そのものを失った方も少なからずおられるのではないかと思います。原発事故の罪深さ、被害の大きさを改めて思います。今尚離れて暮らしておられる避難者の方々の辛さや悲しみは如何ばかりでしょう。しかも、(上記の)阿部さんは妻子が自主避難していることに「罪悪感」すら感じられています。「福島の人たちは、一人一人が複雑な思いや矛盾を抱え、自分自身と闘っている」と言われます。そこに目を向けて欲しいと・・・

P.S. 避難者への調査で、「戻りたい」とした方が半数を割ったとのことです。「がんばれと言われ続けた。もうがんばれない」「本当は戻りたいが、戻れない」と諦められた方が多いそうです。除染の効果への疑問も少なくなく、賠償に差が出る(30キロの)境界の外と内側の住民との間で不満や(相手への)非難の声すらあるとのことです。避難先での住宅建築への援助を求める声も多いそうで、原発からの距離や避難指示の有無などではなく、避難者全ての人への差別のない「生活再建」への支援を求めたいと思います・・・

P.S.2 (「特定秘密保護法」とともに)「がん登録推進法」が成立しました。本人の同意すら必要とせず、がんと知らされていない患者さんの情報すら、国が集め一元管理するそうです。病院は情報の提供を義務付けられます。表向きの目的は、がん研究や予防に役立てるとのことですが(現在の3大治療の情報をいくら集めても、その効果は見込めそうにありませんが)、「特定秘密保護法」の「適正評価」との絡みが透けて見えます。がん患者さんは、「適正」とは見做されない可能性が高いのではないでしょうか?がん患者への明らかな「差別」(法)ではないかと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年12月8日)