スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

友人の就職祝い

2006-04-08 17:26:37 | Yoshiの生活 (mitt liv)
昨日は、ストックホルム。ストックホルム経済大学 (Stockholm School of Economics) にゲーム理論の分野では著名なJörgen Weibullという教授がいるのだが、彼の講義を聞くためだった。

帰りの特急は夜8:15。それまで、ストックホルムに住んでいる友人と、ビールを飲んだ。この友人、私がヨンショーピンに住んでいるときに一緒に勉強した以来の仲なのだけれど、経済学部を卒業後はなかなか就職が決まらずにいた。求職活動をしながら、ストックホルム郊外の刑務所の看守をやっていた。

スウェーデンの大学の特徴として、大学での教育内容がより実務的であり、取得できる学位も「看護士」「司書」「弁護士」「一般エンジニア」「××系エンジニア」など、具体的な職業に関連した名前を冠していることが多い。これらの学位は労働市場での求職の際には、そのまま一種の資格としての意味を持つ。そのため、求職活動も比較的しやすい。

一方で、経済学や政治学など、実務性が少し薄く、具体的な職業と直接は結びつきにくい分野で学位を取った学生は、なかなか就職が難しいといわれる。実務性が強そうな経営学ですら、近年は供給過多のために厳しいといわれるが、経済学はなおさら難しいようだ。

学位を取得したのに就職ができない人は、大学に残って、何かの勉強をし、国からの学生補助金で生計を立てたり、しばらく別の仕事をしたりしながら、求職活動を行う。ここの学生は、もともと大学に入る前に働いていた経験のある人や、在学中でもサマージョブの形で夏休みに働く学生も多いので、顔見知りの職場に戻って、しばらく働くという手もある。ここに挙げた私の友人の場合もそう。以前に、看守の経験があるので、同じ刑務所で働いていたのだ。(彼は、兵役中も刑務部にいたらしいから、よほど看守が似合うのかもしれない・・・)

そんな彼も今年の初めから、ある大企業の幹部養成プログラムに抜擢されて、ようやく腰が落ち着いた。ビールを飲みながら、それを祝った。私からの祝いは、日本から買って帰ったニッカ・ウイスキー「余市」。


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