中国の食品の安全性が日本では大きな話題になっている。昨年起きた、玩具や食品、飼料に毒物が使われていた(混入していた)スキャンダルは、事件の度にスウェーデンでも大きく報じられたが、今回の出来事はスウェーデンのメディアではまだ取り上げられてはいないようだ。
一方で、それとは別の中国スキャンダルが報じられている。
ニューヨークに本拠地を置く法輪功の関連団体が、今年3月にストックホルムとリンショーピンで舞台公演を計画している。しかし、それを阻止したい在ストックホルムの中国大使館が、ストックホルム市やリンショーピン市の文化委員や地方議員に電話をかけ、市の側から中止に追い込ませるよう圧力を掛けているというのだ。
ストックホルム市の自由党議員で市の文化委員会に属するMadeleine Sjöstedt氏のもとには、大使館員から電話が掛かり、「彼ら(法輪功の関連団体)は反人道的であり、彼らに対する支持など中国には存在しない。そんな団体の公演をストックホルムで許すことになれば、中国とストックホルムとの関係を損なうことになる。」と、鋭い口調で言われ、一種の脅迫とも受け取れるものだった、と述べている。リンショーピン市の文化委員であるJohan Lundgrenのもとにも同様の電話があったらしい。
写真の出典:Sveriges Radio
法輪功(ファールンゴン)がどのような宗教団体かは詳しいことは知らないが、この事件で面白いのは、中国の大使館が、公権力によるこのような圧力がスウェーデンでも通用する、と思っていたことだ。言論の自由がない本国では、政府の気に入らない文化活動が開かれるようなときには、当局が上から自治体や関係者に圧力を掛けて中止に追い込むことが可能なのだろう。しかも、そのような圧力が例え失敗したところで、圧力を掛けられた関係者がメディアで暴露するようなことは多くないだろうし、その時はメディアを封じ込めてしまえばいい。情報統制は様々なレベルで行える。
今回、中国大使館にとって誤算だったのは、圧力を掛けられたスウェーデンの議員がメディアで暴いてしまったことだ。最初のうちはコメントを拒否していた中国大使館だったが、スウェーデンのメディアの追及の末に、録音なしのインタビューにて、電話を掛けた事実を認めた。彼らの面目は丸つぶれだ。
電話で圧力を掛けられたストックホルムの議員は、中国大使館からの正式な謝罪を求めている。さらに「民主的で開かれた社会システムにおいて、公的機関が市民の活動や発言に介入して口封じをしたり、どのような文化活動が行われるべきか、監視するようなことがあってはならない。この点が専制主義と民主主義とが大きく違うところだ。その違いを彼らは学ぶべきだ。」と述べている。リンショーピン市も似たような内容の「返答」を書面にて中国大使館に送付し、市としての立場を明らかにすることを検討しているという。
以前も似たようなことがあった。ブリュッセルで開かれた人権国際会議に出席する予定のスウェーデンの国会議員(保守党)のもとにも、中国大使館から電話が掛かり「出席をやめなければ、両国の友好に傷が付く」との圧力を掛けてきたのだ。彼が拒むと、その後しばらくしてから夜中に無言電話が相次いだ、という。これは半年ほど前にあった出来事だ。
ただ、今回もそうだが、スウェーデン外務省は及び腰であって、強い抗議を中国大使館に対して行うことはしない。騒ぎが発展して、中国との経済取引に影響が出ることを懸念しているのだろうか・・・?
<追加>
ちなみに、インターネット検閲のある中国では法輪功(Falungong)の関連のサイトへはアクセスできないらしい。そのとばっちりを受けているのが、スウェーデン中部のファールン(Falun)市。市のホームページのアドレスがwww.falun.seなので、法輪功の関連サイトとして、中国政府のサイバー検閲に阻止されているのらしい。
一方で、それとは別の中国スキャンダルが報じられている。
ニューヨークに本拠地を置く法輪功の関連団体が、今年3月にストックホルムとリンショーピンで舞台公演を計画している。しかし、それを阻止したい在ストックホルムの中国大使館が、ストックホルム市やリンショーピン市の文化委員や地方議員に電話をかけ、市の側から中止に追い込ませるよう圧力を掛けているというのだ。
ストックホルム市の自由党議員で市の文化委員会に属するMadeleine Sjöstedt氏のもとには、大使館員から電話が掛かり、「彼ら(法輪功の関連団体)は反人道的であり、彼らに対する支持など中国には存在しない。そんな団体の公演をストックホルムで許すことになれば、中国とストックホルムとの関係を損なうことになる。」と、鋭い口調で言われ、一種の脅迫とも受け取れるものだった、と述べている。リンショーピン市の文化委員であるJohan Lundgrenのもとにも同様の電話があったらしい。
法輪功(ファールンゴン)がどのような宗教団体かは詳しいことは知らないが、この事件で面白いのは、中国の大使館が、公権力によるこのような圧力がスウェーデンでも通用する、と思っていたことだ。言論の自由がない本国では、政府の気に入らない文化活動が開かれるようなときには、当局が上から自治体や関係者に圧力を掛けて中止に追い込むことが可能なのだろう。しかも、そのような圧力が例え失敗したところで、圧力を掛けられた関係者がメディアで暴露するようなことは多くないだろうし、その時はメディアを封じ込めてしまえばいい。情報統制は様々なレベルで行える。
今回、中国大使館にとって誤算だったのは、圧力を掛けられたスウェーデンの議員がメディアで暴いてしまったことだ。最初のうちはコメントを拒否していた中国大使館だったが、スウェーデンのメディアの追及の末に、録音なしのインタビューにて、電話を掛けた事実を認めた。彼らの面目は丸つぶれだ。
電話で圧力を掛けられたストックホルムの議員は、中国大使館からの正式な謝罪を求めている。さらに「民主的で開かれた社会システムにおいて、公的機関が市民の活動や発言に介入して口封じをしたり、どのような文化活動が行われるべきか、監視するようなことがあってはならない。この点が専制主義と民主主義とが大きく違うところだ。その違いを彼らは学ぶべきだ。」と述べている。リンショーピン市も似たような内容の「返答」を書面にて中国大使館に送付し、市としての立場を明らかにすることを検討しているという。
以前も似たようなことがあった。ブリュッセルで開かれた人権国際会議に出席する予定のスウェーデンの国会議員(保守党)のもとにも、中国大使館から電話が掛かり「出席をやめなければ、両国の友好に傷が付く」との圧力を掛けてきたのだ。彼が拒むと、その後しばらくしてから夜中に無言電話が相次いだ、という。これは半年ほど前にあった出来事だ。
ただ、今回もそうだが、スウェーデン外務省は及び腰であって、強い抗議を中国大使館に対して行うことはしない。騒ぎが発展して、中国との経済取引に影響が出ることを懸念しているのだろうか・・・?
<追加>
ちなみに、インターネット検閲のある中国では法輪功(Falungong)の関連のサイトへはアクセスできないらしい。そのとばっちりを受けているのが、スウェーデン中部のファールン(Falun)市。市のホームページのアドレスがwww.falun.seなので、法輪功の関連サイトとして、中国政府のサイバー検閲に阻止されているのらしい。
やはり一方で、ネットでも真偽の怪しい情報がありますよね。
やっぱり、わかりやすい話には普段から疑ってかかり、情報の出所はどこか、誇張はないか、などメディア・リタラシーの考え方を普段からしっかりしておく必要があると思います。それはマスメディアに対しても、ネットでのあらゆる情報に対しても。
本当は当たり前のことなのですが、番組で取り上げる際に過剰演出と言うか、番組が期待する形に編集されてしまう場合が少なく有りません。
その事象を知っている人にとっては偏向でしか有りません。
近年は、ネットで実は違うというのが判るようになって来ましたが、昔は鵜呑みにしていた事例が結構あるのではと思うと空恐ろしくなります。
政府や公的機関がメディアを統制する、ということはあってはならないことだと思います。中国側はどうも「メディアにおける報道や議論の監視や監督は、政府の管轄事項」という古い考え方に取り憑かれているようですね。
この件にしても、スウェーデンでの一件にしても、それを他の政府にまで要求している点に傲慢さを感じます。大きな市場や安い労働力を求めて先進各国がこぞって中国に進出している今の時代、傲慢さで相手を説得できると思っているのでしょうか。
一方で、報道の自由をいいわけに、メディアが個人の権利を侵害したり、客観性に欠けた大げさな報道をすることも許されません。日本の新聞でもたまに事実を誇張し、感情を必要以上に煽るような表現を見かけることもありますので、メディアの側にもしっかりしてもらい、社会的責務を果すよう、要求していく必要があると思います。
日本に国内世論制御を要求 中国高官、ギョーザ報道に懸念
2008.2.8 18:31
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080208/chn0802081831004-n1.htm