先日、学生の論文やレポートの盗用を調べるサービスについて紹介したが、現在私が担当している学部1・2年生を対象とした「(経済・経営向けの)統計学1・2」のレポート提出でも、もちろんこのサービスを利用している。
「統計学2」では、3月から4月にかけて4回の課題を与え、それぞれレポートとして提出するよう学生に求めてきた。学生は2人か3人のグループに別れ、共同作業でレポートを作成し提出する。
ほとんどの学生が一生懸命に課題に取り組み、授業中にもよく質問してくるので、教える立場としても面白いし、学ぶこともたくさんあった。
ちょうど今、最後(4つ目)の課題を採点しているところだが、「盗用チェックサービス」から送られてくる分析結果を見ながら、ある一つのグループのレポートの酷似率が85%と高いことに気がついた。他のグループが既に提出したレポートの内容と非常に似通っている、ということだ。ただ、統計学の課題提出では、答え方が限られる場合も多いので、酷似率が高いからといって、すぐにコピー・盗用だとは限らない。
しかし、分析結果を詳しく見てみると、選ぶ事例や小数点以下の切り捨ての仕方、あるいは表現・言い回しまでよく似通っていることが分かった。
念のため、同じグループが提出した過去3回の課題のレポートも確認してみたが、同様に別のグループのレポートと偶然すぎるくらい似ていた。しかも「コピー元」の疑いがあるとされるレポートを提出したグループが、4回の課題とも同じであることも分かった。その上、要所要所で表現を少しずつ変えて、「盗用チェックサービス」のチェックに引っかからないように努力したあとが明確に分かる部分もあった。無理に表現を変えようとしたために、スウェーデン語の統計用語として不自然な表現になっている箇所もあった。
私自身、ちょっとショックだった。授業ではほとんどの学生が熱心に課題に取り組んでいたから、他の学生のレポートを少しいじって提出するような輩はいないだろう、と思っていた。だから、「盗用チェックサービス」から送られてくる分析結果も簡単に目を通す程度だった。
と同時に、このサービスの精度の高さと利便性に感心した。バレないだろうと思って、ちょっと小細工をしても、ちゃんと弾き出してくれるのだ。また、クリックするだけで、問題箇所とコピー元の疑いがある文書・レポートの該当箇所が並べて表示される。
さて、私も初めてのことなので、経済学部の学生部長に連絡して、この後、大学としてどのような対応をすることになるのかを教えてもらった。決められた手続きを経た上で、最終的には経済学部が属する経済・経営・法学群(Handels)にある「規律委員会」に判断を仰いで、この学生を数ヶ月間、停学処分することになるようだ。
「統計学2」では、3月から4月にかけて4回の課題を与え、それぞれレポートとして提出するよう学生に求めてきた。学生は2人か3人のグループに別れ、共同作業でレポートを作成し提出する。
ほとんどの学生が一生懸命に課題に取り組み、授業中にもよく質問してくるので、教える立場としても面白いし、学ぶこともたくさんあった。
ちょうど今、最後(4つ目)の課題を採点しているところだが、「盗用チェックサービス」から送られてくる分析結果を見ながら、ある一つのグループのレポートの酷似率が85%と高いことに気がついた。他のグループが既に提出したレポートの内容と非常に似通っている、ということだ。ただ、統計学の課題提出では、答え方が限られる場合も多いので、酷似率が高いからといって、すぐにコピー・盗用だとは限らない。
しかし、分析結果を詳しく見てみると、選ぶ事例や小数点以下の切り捨ての仕方、あるいは表現・言い回しまでよく似通っていることが分かった。
念のため、同じグループが提出した過去3回の課題のレポートも確認してみたが、同様に別のグループのレポートと偶然すぎるくらい似ていた。しかも「コピー元」の疑いがあるとされるレポートを提出したグループが、4回の課題とも同じであることも分かった。その上、要所要所で表現を少しずつ変えて、「盗用チェックサービス」のチェックに引っかからないように努力したあとが明確に分かる部分もあった。無理に表現を変えようとしたために、スウェーデン語の統計用語として不自然な表現になっている箇所もあった。
私自身、ちょっとショックだった。授業ではほとんどの学生が熱心に課題に取り組んでいたから、他の学生のレポートを少しいじって提出するような輩はいないだろう、と思っていた。だから、「盗用チェックサービス」から送られてくる分析結果も簡単に目を通す程度だった。
と同時に、このサービスの精度の高さと利便性に感心した。バレないだろうと思って、ちょっと小細工をしても、ちゃんと弾き出してくれるのだ。また、クリックするだけで、問題箇所とコピー元の疑いがある文書・レポートの該当箇所が並べて表示される。
さて、私も初めてのことなので、経済学部の学生部長に連絡して、この後、大学としてどのような対応をすることになるのかを教えてもらった。決められた手続きを経た上で、最終的には経済学部が属する経済・経営・法学群(Handels)にある「規律委員会」に判断を仰いで、この学生を数ヶ月間、停学処分することになるようだ。
>解答プロセスに参加しているか否かという一点でしょうか(フリーライド).
そういうことだと思います。
>つまり,例えばグループのサイズを4人とかにした場合,今回のような剽窃は起こらなかった?
そうですが、グループの大きさを大きくしすぎるとフリーライドをする学生がでる可能性が高くなるため、通常1グループはせいぜい3人までなどという制限を設けます。これでも、その可能性は排除できませんが。ベストは2人だと思いますが。
もしくは、クラス内で自由に協力し合ってもいいが、提出は各人でというのも解決策です。解決プロセスに参加していれば、いざレポートを作成する段階において、自分の言葉で書くことができるでしょうから。それができず、他の学生の文章をそのまま使ってしまうのでは、やはり自分の頭で理解できていない、ということになります。
また、学生の側も基本的なこととして、他人の表現をそのまま使うことは、引用でない限り避けるべき、というのは、しっかり理解すべきことだと思います。
学術の世界で、レポートなり論文なりを自分の名前で提出するということは、その内容のオリジナリティーを保証している、ということなので、他人のレポートを使って若干表現を変えただけで提出するのであれば、それは嘘をついた、ということになります。
>近頃,万博におけるCopyが何かと話題ですが,日本人に比べて,スウェーデン人のProperty rightに対する考え方も低いような気がしています.
これは、日本人・スウェーデン人といっても、本当に一般を指しての話なのか、研究者というカテゴリーに絞った話なのか、ということをはっきりしないといけませんし、具体的な事例を挙げた議論ではないと私自身ピンと来ません。それから、おっしゃるとおり、限られた事例からどこまで一般化できるのかも、熟慮しなければいけませんね。これは、今度一緒に話しましょう!
数人でグループワークをして解法までこぎ着けたあとで,それぞれの解答を書く(丸写し含む)のと,あらかじめ決められた2人組でやったものを別のグループの人が見て書くのと,どこが違うのかというと,解答プロセスに参加しているか否かという一点でしょうか(フリーライド).つまり,例えばグループのサイズを4人とかにした場合,今回のような剽窃は起こらなかった?
それとも解答を写した方は,写されたほうの「合意」無しにそれを行ったんでしょうか(日本の場合,仮に両者の間で合意があったとしても写されたほうも罰せられる傾向にあったような気がしますが,今から考えると不思議なルールだと思います).もちろん,それが今回のケースのように常習犯の場合だと話は違ってくるのでしょうが.
近頃,万博におけるCopyが何かと話題ですが,日本人に比べて,スウェーデン人のProperty rightに対する考え方も低いような気がしています.しかもそれは特に女性の間で強い.サンプルが小さすぎるのでどこまで一般化できるのかわかりませんが.