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キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

「先生の家族は日本から脱出しないんですか?」

2011-03-20 20:58:32 | アメリカの大学で教える

原発をめぐるいろいろなニュースを聞き、数日前ある学生より「先生の家族は日本から脱出しないんですか?」というメッセージが届く。

千葉に住む妹家族は、脱出どころか、震災以降仕事がますます忙しくなっているらしい。妹は薬剤師として勤務しているが、14日に仕事に戻った時には、多くの人が薬を取りにきたそうで、これまでの人生の中で一倍忙しい日だったそうだ。義理の弟は大手製薬会社に勤めているが、休日返上、会社に寝泊りしながら過ごしているらしい。

両親は震災や津波などの直接的な影響は受けなかったものの、父親は体調を崩し14日に肺炎で病院に入院する。持病の糖尿病などもあるので、3月末まで入院らしい。

そういう状況を説明しつつ、今の妹たちや他の日本の人たちの気持ちを代弁する意味で、村上龍さんの寄稿文〔英語版はニューヨークタイムズに掲載)のリンクを紹介する。こういう具合だ。

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現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。

東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。

私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。

今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。

私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。

今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。

だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。

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日本人のマナーの良さが話題

2011-03-15 20:42:06 | アメリカの大学で教える

東日本大震災の被害状況を少しでも多くの学生たちにマスメディアとは違う観点から紹介しようと、教えているダイバーシティの授業で、「Japan Earthquake」というオンラインフォーラムを開設してみました。

妹家族が関東に住んでいるので、スーパーでもう牛乳や卵、お米が棚から消えていて困っている、電車が止まっているため月曜日は自転車1時間半で職場に通う、計画停電で電池が欲しいけどお店にもうない、などの情報を綴ってみることにしました。情報が氾濫する中、授業というつながりで関係が形成されている私を媒介にした日本の被災者〔被害の程度に大小はあっても)情報はとても関心があるようで、いろいろな方法でぜひサポートさせて欲しいという学生も出てきて、本当に嬉しく思いました。

ある学生より、こんなに大変な被害にあっても日本人のマナーのよさ〔お店や家などのものを盗んだり、暴動にならない)が注目されているけど、ダイバーシティ・文化比較の観点からどう思うか、という鋭い質問が出されました。

確かにネットを見ても、カトリーナのハリケーン、ハイチの地震らと比較され、書き込みの中には人種差別の議論の火花をバチバチさせているようなものもありました。

CNNの記事の中では日本文化に精通しているボストン大学のメアリーホワイト氏のコメントが紹介されていました。

http://news.blogs.cnn.com/2011/03/12/orderly-disaster-reaction-in-line-with-deep-cultural-roots/?hpt=C2

アメリカと比べ、社会階層の差が大きくないこと、暴力や人のものを取るのはよくない倫理観が根付いているというところはなんとなく同意しますが、イマイチぴんとくる答えではないようです。他の日本人の回答を見ていても、罪ではなく、恥の文化だから、とか、いろいろ書いてありましたが、いったいどうなのでしょう。

震災の被害が長期化し、今後の災害の見通し〔特に原発関係)が立たない中、ストレスが蓄積していくと、礼儀正しい日本人の姿はどうなるのでしょうか。そういうことも思い巡らしなからも、多くの人たちが極限のストレスの中で相手を思いやり、自分を犠牲にしている様子を知り、遠くの地からアメリカ人たちと一緒に心からエールを送らせてもらっている毎日です。

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 ささやかな悩みの数々

2011-02-23 21:48:59 | アメリカの大学で教える

引越しして続く悩みの数々

その1 ちょっと目を離した隙にアクシデントのたえないシェークスピア。今日なナント寝室にう○○の山を2つも見つけてしまう。もう一度トレーニングのやり直しだが、今からでも間に合うのだろうか。

その2 トイレの故障。修理にきてくれた人が結局原因を見つけることができず、床に接着してあるトイレをのこぎりで切り取り、中の配水管が老廃していることがわかる。周りのタイルを削ったりしてトイレを外したので、完全に新しいトイレを備え付けるまでには随分時間がかかりそう。

その3 6年生の娘はどうも今の学校が好きになれないらしい。娘の話によると、授業中も先生の話を聞かず騒いでいる子どもたちが多いそうだし、親としては宿題が出ないのが不思議だ。一応はギフテッドと名づけられているクラスらしいが、本当にそうなのかどうか、娘の話を聞くと疑わしい。この前も昼休みに校庭で2組のカップルがキスをしていて、先生が「昼休み中にキスはやめなさい!」と注意したそうだ。友達から「別れたばかりの彼氏の顔を学校で見るのがつらい」というような悩み相談を受けたりするらしいが、こんなメロドラマを今からしていて将来が心配(本人は真剣なのだろうけど)。

しかし私の悩みはまだかわいいもので、先日もある学生がメールで「12月に母が突然死去し、まだ悲しみのおさまらない最中に、体調不調のため病院に行くと、右の腎臓を摘出しなければならないことが分かりました。さらに2週間前、突然夫より離婚を言い渡され、今は友人や息子の家に寝泊りしながら過ごしている毎日です」と知らせてくれた。このように複数の苦しみを同時に経験しながらも、「それでもがんばって学業を続けていきます」というのがアメリカの社会人学生の凄いところだといつも感心する。大学の卒業証書を手に入れる夢が、絶望の中の唯一の光なのかもしれない。

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仕事に埋没される今日この頃

2010-09-24 14:47:50 | アメリカの大学で教える
忙しい一週間だった(とはいっても、まだ木曜日の夜だけど。。)。

論文2本を再投稿するために修正し、その後はペーパーの採点に追われる。

今夜やっとペーパーの採点を終え、ルーブリックの表を使ったフィードバックの文書と点数をAngelに入力していく。

今回は、一人10枚近くのペーパーだったので、無職の夫にも採点を手伝ってもらい、私に苦手な英語のメカニックな部分(文法、誤字脱字など)の評価をしてもらう。

今夜はもう一つ教えている科目の課題の締め切りなので、また明日から採点の開始。平行して、明日の "Things to do list" は中間試験とその準備のためのスタディガイドの作成。スタディガイドとは、学生が試験対策のために勉強しやすいように、どこをどのように勉強したらよいのかをまとめた手引書。また選択肢、記述式の問題がそれぞれ幾つずつ出題されるのかなど詳しく内容が説明されてあるので、非常に親切。

大学の仕事と平行しながら毎日の日課になっているのは、娘のPre Algebraの宿題のチェック。娘の答えを私が点検して、間違っているところをもう一度やらせるという具合。このクラスはやはり厳しくて、かなりの問題数を毎日宿題としてやらされ、その一人ひとりの点数はクラスで常時発表されるらしい。お陰で、毎日算数の問題を娘と一緒に解くはめになった私は、久しぶりに受験生に戻った気分で脳力アップしそうな気配。。。
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あわただしい一週間

2010-09-18 07:13:46 | アメリカの大学で教える
忙しい日が続く。

原因その1は、授業のオンラインプラットフォームのAngel。

先日、課題の締め切りで、AngelのDropboxを使って、課題を提出するように指示を出したが、Macとの適合性、インターネットのブラウザーとの関係などで、課題が私の手元に届かなかった学生が多く、メールでの問い合わせがどんどん届き、対応に追われててんてこまいだった。特に課題となっている文章のファイルとグラフィックのファイルの2種類一度にアップロードできないという問い合わせが結構あった。課題の設定ツールに問題があったのかもしれないが、コンピューターのプロでない私たちは、そういうことに時間をとられてしまうのは悲しい。

原因その2は、私のティーチングアシスタントの妊娠発覚。

3児の母親である彼女は、全くのサプライズで妊娠していることが分かり、しかも体調がすぐれない。数日前、超音波で診断してもらうと、双子を宿していることが分かり、本人たちは大きなショックだったらしい。来年は40歳という年齢の彼女なので、あまり無理して流産してもらっては困るので、しばらく仕事は頼まないことにする。ということで、採点しなければならないペーパーが多くて困っている私だが、幸い夫が少し手伝ってくれることになったので、肩の荷が下りる。それにしても、夫の仕事がすぐ決まらなくて、A blessing in disguiseだったのではと思う。今私たちが引越ししてしまったら、授業を教える人がいなくなってしまったので、タイミング的には良かったのかもしれない。

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変動するeラーニングの振り回される教員と学生

2010-08-20 15:05:45 | アメリカの大学で教える
私が博士課程で学び始めた頃にはまだ殆どみられなかったeラーニングは、今ではどこの大学でも頻繁に使われるようになったらしい。

ところが、その媒体となるプラットフォームが大学の予算や政治的な理由もあるのか、大体2年置きくらいに変わる。

今の大学でもBlackboard, WebCTを使いやっと慣れたかと思ったら、去年の夏からはAngelへ移行した。

移行期はもとのプラットフォームもまだ使えたものの、今学期からは全部の授業でAngelを使わなければならないことになり、私も試行錯誤でコースのホームページを作成した。

アメリカで特にややこしいのはタイムゾーン。Angelは基本的には東海岸の時間に合わせて設定してあるらしいので、試験や課題の締め切りは、今住んでいる西海岸の時間に合わせるために3時間ずらして入力しなければならないのが煩わしい。しかし今日ITの人に教えてもらいびっくりしたのは、メニューによっては西海岸の時間にもう既に設定されているものもあるらしいので、その場合変更しなくてもいいそうだ。

マニュアルを参考にしたり、大学のITの専門職の人に電話や直接会って教えてもらったり、場合によってはワークショップで基本を学んだりすることもあるが、恐ろしいのはこうやって慣れた頃に次のプラットフォームに変わっていくことだ。

また変わるらしいわよ、といううわさを聞いたが本当なのだろうか。

学生たちもコンピューターの得意・不得意に非常に差があるので、また新しく変わった場合そのフラストレーションの余波の影響を受けるのが教員。

Angelに変わった頃、ある学生が「これはAngelどころかDevilだと思います」と皮肉たっぷりにメールをよこし、思わず苦笑いをしたことを思い出す。

さて次はどのようなプラットフォームに変わるのだろうか。新しいことを覚えることで頭の体操になるのはいいが、時間がかかり過ぎるのは困ったもの!
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先週は春学期の期末試験、今週からは夏学期

2010-05-11 14:00:27 | アメリカの大学で教える
忙しい週末だった。

金曜日は子どもたちの学校の休日。とはいっても、今週から4泊5日で行われる学区合同の5年生のキャンプに参加する娘の荷造りと荷物の配達でバタバタ過ごす。午後からは、ワシントン州にある大学やコミュニティカレッジの幼児教育関係の教員たちが参加する合同ビデオカンファレンスが行われたので、1時間だけ顔を出す。

土曜日は大学の卒業式(とはいっても、特に役割があったわけじゃないんだけど)。

さらに金曜、土曜と連日で、一度ぜひ遊びに来てもらいたいと常日頃から考えていた友人家族をディナーにそれぞれ招いたので、家の片付け、食事の準備で慌しく過ごす。

日曜日は、母の日ということで、近くの町まで買い物に出掛け、外食。

そして今日の月曜日は、朝からオンラインで学生の成績を何度も確認しながら入力し、ぎりぎりになって提出してきた学生のペーパーの採点評価をし、どうにか今学期の仕事を終える。

と思っていたら、夏学期の授業で使う予定の論文の、オンラインに掲載する著作権が取れなかったと聞いたので、急遽代用の論文を探し、コースの資料なども手直しし、これで夏学期の授業もやっとスタートできると安心していたのが、間違いだった。

なんと、今日は、夏学期の初日だったのだ。夏学期を受講している学生がどんどん、掲示板にメッセージを書いてくるので、おかしいと思って、大学に連絡したところ教えてもらう。なんと、ボケボケの私。

この大学では、春学期と夏学期の間に、休暇は全くないらしい!

たまたま夏学期教えるのもオンラインのクラスなので(大学に出向かなくてもいい)、スケジュールをうろおぼえてしていたのが、間違いだった。

ということで、残りの一日は、夏学期の学生たちへメールを送ったりなどして、忙しく過ごす。この夏学期が終わるのが、8月初め。日本の大学とは違って、休みがほとんど取れないのが悲しい!
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期末試験の週

2010-05-05 13:11:51 | アメリカの大学で教える
今週は春学期の期末試験です。

ここ数週間、学生からのメールがどんどん届くのですが、「今週卒業する予定だから、どうにかして欲しい」「この授業で不可になったら、退学になってしまうので助けて欲しい」類のメールが一番苦手です。

病気になってしまったり、身内の死、怪我、家族構成の変化、解雇や転勤など緊急なことが起こった時などは、できるだけ配慮するようにしているのですが、全く音沙汰なしで、今になって助けを求め、それらしい理由を付け加えてくる学生に、こちらもつい「かーっ」って腹をたててしまうのです。

これらは学生の問題で、自分のストレスになってしまうところ、私もまだまだ修行が足りないと反省させられるのですが、そういう学生とのやりとりに時間がとられてしまうのが痛いところです。さらにこちらの処理に文句をつけて「上訴」してくる学生もいるのがアメリカです。

反面、非常に謙虚な学生もいて、そういう場合にはこちらもできるだけ配慮してあげたいと思うようになります。メール一つにしても「品性」が表れますよね。

(おまけ)台所のデコレーションです。気を沈めてくれるような絵がお気に入りです。

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期末ペーパーの採点と在宅仕事の悩み

2010-05-02 14:18:14 | アメリカの大学で教える

金曜日から、期末ペーパーの採点を始める。

以前よりペーパーを読み、採点するのが少し早くなってきたものの、ただ点数を出すだけでなく、こと細かくコメントをタイプするので時間が取られる。

このペーパーは、コース全体の中で、最も点数のウェイトが大きく、ページ数も平均15枚。

自叙伝的なペーパなので、自分や家族の秘密を赤裸々に描いてくる。いい加減な気持ちで読むわけにはいかないし、辛い経験をしてきた学生の気持ちを悟りながらよく考えてコメントを書くので時間がかかる。

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それにしても家で仕事をするには、様々な妨害が入るので集中しにくい。

家に子どもがいる場合は、子どもが大きくなったと言っても、ケンカはよくするし、宿題の質問に答えたり、何かと忙しい。さらにハイテク時代の子育ての新悩みで、コンピューターでどんな音楽を聞いたり、ビデオを見たり、ソーシャルネットワーキングをしているのか、様子を把握するようにしている。お腹すいたの連続も思春期ならこそ。

犬のシェークスピア、ネコのココアとペッパーも変わりばんこに仕事場にやってきて、遊んで欲しいとせがんだり、すりすりよってきたり、みゃおーとなき続けたり、と甘えてばかり。

当の本人たち同士(子どもとペット)、仲良く一緒に遊んで時間を潰してくれたらいいが、ネコと犬は仲が悪いし、子どもたちは放っておいたらコンピューターに引き寄せられてしまうので、ナカナカ理想どおりにはいきませんねぇ。。。

 

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州の財政難、ベビーブーム、教員の負担

2010-04-24 03:36:10 | アメリカの大学で教える
昨日久しぶりに学科会議に参加した。

その中で、財政カットの中、新入生の受け入れ数を制限し、今年は大学への合格倍率が20%台だったという報告を受ける。

同じ大学町にある高校(州の中でもかなりレベルが高い)からの受験者も、通常では入学できたような生徒たちが今年は入れてもらえなかったとか。アメリカではベビーブームの子どもたちが大学にどんどん入ってくるそう時代だそうで、定員確保に四苦八苦する日本の大学関係者にとってはなんとうらやましい話だろう。

ところでそのことをオットに話すと、留学生は別の財源だから(州外や国外の学生はより高い授業料を納める)そんな受け入れ枠なしに沢山入ってくるらしい。

さて新入生の受け入れを制限したとしても、うちの学部はかなりの受講者増だそうで、秋に私が受け持つクラスも、コースの登録が始まって1週間で満杯になってしまった。ここ数日には「どうにかこのクラスに入れてください」というお願いメールがどんどん送られてくる。

そういう中、「ティーチングアシスタントをつけるから、定員を60人から80人に変更したよ」と学科長より事後報告を受ける。

もう一つ教えるクラスも60-70人なので、二つ合わせて140-150人はかなりきつい。日本の大学で教えていた時は、学生の人数はそんなに気にならなかったが、アメリカでは学生に課する課題の量、法社会であるがゆえのややこしさ、フィードバックの綿密さなどを考えると、確実に仕事量は増える。しかし州の財政難なのでお給料は変わらない。

どうにか効率よく仕事を手抜きしながら、学生に手抜きと悟られないようなやり方はないものだろうか?


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ドラマな人生を送る学生たち

2010-04-15 13:49:24 | アメリカの大学で教える
今学期教えているオンラインクラス。60名近くいる学生たちの人生は、波乱万丈で、様々なメールが私の手元に届く。

たとえば、今学期だけでも赤ちゃんが生まれる予定、もしくは出産した学生が3名。

「今、赤ちゃんが生まれたので、入院先からメールしている」とか「出産のため、1週間ほど、提出期限を延期して欲しい」など、日本人の母親たちに比べてかなりタフな生活。私の授業だけでなく、平行して幾つも授業を受講している学生が殆どなので、新生児のお世話の傍ら教科書を読んだり、ペーパーを提出したり、試験を受けたり、かなり大変なことだろう。

さらに驚いたのは、今学期ホームレスになった、と相談してきた学生が2名。火事でアパートが焼けてしまった学生を入れると3名になるが、この学生はアパートの修理が終わり、自分の家に戻れたらしい。

ホームレスになってしまった2名のうち、最初の学生は離婚により、家を追い出されてしまったらしい。もう1名は、住み込みのベビーシッターをしていた学生で、雇い主と喧嘩になり、やはり追い出されてしまったという。おまけにごたごたの最中、パソコンを紛失してしまったらしい。

本人や家族の病気、というのも相談ケース。一人の男子学生は、生まれたばかりの赤ちゃんが心臓の手術を受けることになったそうだ。幸い成功したらしいが、身を引きちぎられるような思いをしたことだろう。

そういう学生たちのメールを読みながら、私も人生勉強をさせてもらう。
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健康科学リサーチシンポジアムに初参加

2010-04-11 11:56:34 | アメリカの大学で教える
昨日は、ワシントン州の東側の3つの大学、病院、医療サービスなどのコラボで開催された健康科学リサーチシンポジアムに初参加した。医療や看護関係のリサーチの仲間入りをさせていただいて、ポスターを発表する。

会議の終わりには、ワインやオードブルが出て、参加者はワインを片手に井戸端会議したり、ポスター発表者とインフォーマルな会話が弾む。

いつも学会に参加するたびに、もう少し自分の研究を理路整然と説明する練習をしておけばよかったと後で後悔する。

あるウェブサイトによると、自分の研究を2分、5分、10分などで要点を抑えてスピーチする練習をしておく、聞き手のボディーラングエージを読み取る、などがポスター発表の成功の鍵だそうだが、学会発表を重ねるにつれ、少しでも上達したいもの。

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ダイアリー式で効率アップ

2010-04-06 03:58:29 | アメリカの大学で教える
キャンパスで行われる授業とオンライン授業の比較研究チームに参加することになった。

まず手始めに、オンライン授業を教えるのに費やす時間を1週間分、全てダイアリー式に書き出すという予備調査をすることに決まり、早速昨日より意識的に自分が行っていることをワードにメモとして書き残すことにした。

自分の仕事内容を意識化することで、あらたな改善点が見えてきたというのがまず初日の印象。

たとえば、誰かにEメールを書いている最中に新しいEメールが入ってくると、最初の仕事を中途半端にして新しいメールを閲覧したりというような注意散漫的な行動に気づく。

書くだけダイエットと同じで、書き出すことで飽食に気づくというように、時間管理も書き出すことでかなり改善できるのかもしれない。
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ルーブリック作成に励む

2010-03-17 12:07:22 | アメリカの大学で教える
一日かけて、この夏教える授業の準備を行った。

以前、この授業の担当者が作成した授業の資料の質をさらにアップさせるために、4つの種類の課題のルーブリックの作成に取り組んだ。

アメリカでは、日本で教えていた時から考えられないくらい、授業で書かせるペーパーの数が多い。
たとえば私が担当するオンラインのAクラスの場合、学期を通して11のペーパーを書かせることにしている。それらを公平に手際よく採点するには、ルーブリックは欠かせない存在。

日本でもルーブリック(Rublic)が最近導入されているようだが、アメリカでは筆記課題でなくプリゼンテーション、グループワークなどにおいても、学習達成度を判断する基準として、レベルの目安を数段階に分けて記述し、具体的な評価項目を明示することになっている。

アメリカではかなり早い時期より、たとえば小学生の段階から、課題ごとにルーブリックが先生より提示され、どこが良かったのか、改善するべき点はどこなのかが、一目瞭然で分かるようにフィードバックをもらえるシステムになっている。そういう学習経験を持っている学生たちは、ルーブリックがないと、教師に文句を言うこともある。

教師としては、この課題でいったい何をねらいにしているのか、自分の目的を明確化させることにもなるので、授業の向上や改善へ向けてのツールともなる。



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ライティング の採点をする

2010-03-05 15:09:08 | アメリカの大学で教える

自分が教える授業の学生のペーパーを採点するだけじゃなく、全学の学生が受けなければならない作文試験の評価の仕事を受け持つことになりました。

うちの大学は、学部生全員を対象としたWriting Programがあるのですが、2段階に渡って学生の文章を、不合格、合格、優秀合格という3つの基準で評価し、不合格の学生はさらにライティングのクラスを受講しなければならないというシステムだそうです。

学生たちをレベル別に振り分ける材料としては、それぞれが提出する授業で書いたレポート2部と作文試験なのですが、その後者を学内のいろいろな分野の教員や院生が集まって評価することになっています。

私の授業の学生たちが、課題で書いた作文をポートフォリオに提出しているらしいので、今回私にも声がかかった、という次第です。

私自身の英語力を考えると、採点者を務めるのがおこがましいような気がするのですが、自分には書けなくても他人の文章力なら少し判断できるかなと思いながら、これも勉強になるかと思い、誘いに応じることになりました。

今日は初めて、その採点ミーティングに参加しました。いろいろな学部から教員や院生たちが集まって、冗談を交わしながら、机に山積みされた試験を採点していくのですが、なかなか面白い体験でした~。

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