娘は忙しい時間の合間に、友だちとFacebookで会話を楽しみ、私はダンナとSkypeで一日に数回電話しているので、なんて便利な世の中になったものだと実感。
1ヵ月半留守にすると、ツケも大きい。我が家へ帰り、キキの死を悲しみながら、家事に励む。
- 洗濯機と乾燥機を延々と丸一日回し続ける。海辺で着た服やズックは、海岸の砂だらけ。
- 山のように積もった郵便物の整理。いくつかの医療機関から間違った請求書が来たので、電話をかけなければならないのが億劫。
- 山のようにたまったレシートの整理。家計簿につけていく。お金の管理は私の仕事。
- お土産に買ってきた日本食の整理。戸棚にうまく収納できるように、プラスチックの容器をいくつか買ってくる。
- Eメールの返事書き。
- 家のそうじ。
- 庭の植物に水をやる。
これらを一人でゆっくりできればこしたことはないが、まだ夏休み中のコドモたちの相手をしながら進めるのは時間がかかる。
そして、休暇でずっとおろそかにしていた仕事をこなさなければならない。今週は、来学期オンラインで教える授業のコース内容の資料の修正加筆の締め切りがあり、しかもアドバイザが修正して送ってくれた投稿予定の論文の修正加筆をしなければならないので、忙しい。
こんなに長く休暇をとってきた分、がんばろうっと!
里帰りの折には、親しい友人、お世話になった方々、親戚の人たちと会う。
毎回帰る度に思うが、子ども連れの旅行では人と会う時間を創りだすのが難しい。父母や妹家族などに随分助けてもらいつつ、本当に会いたい人だけに焦点を絞り、ランチやお茶など共にさせていただく。
仕事やプライベートの話などになると、子連れでは殆ど不可能。他の海外在住者はどのようにやりくりしているのだろう?
ところで実家に帰っても、あわただしい気がするのは、家族の皆と会話しながら、かつ日本語があまりわからないわが子たちと、英語があまりわからない両親のために、日本語から英語に、英語から日本語へ同時通訳し続けているからなのかもしれない。頭の中は国際会議場のように騒々しく、アンテナをあちこちに伸ばしながら、コミュニケーションの手助けをする。同時通訳者のように流暢に日本語や英語が出てこないので、こちらも適当に処理することも多い。
そういうストレスを考えると、やはりわが子どもたちがしっかり日本語をしゃべれるのが理想だ。しかし自閉症で幼児期に言葉を話すかどうかから心配した私たちにとっては、子どもをバイリンガルに育てるのは非常にエネルギーがいる。そこまで必要かと考えてしまう。自閉症ではない娘だけ日本語を教えようと思ったこともあったが、それもうまくいかなかった。家族皆が協力しあわないと続かないバイリンガル教育である。
いつの日がのんびり里帰りできる日がくるのだろうか。もしかして、私のあれもやりたいこれもやりたい、という欲張りな性格が変わらない限り、どたばた里帰りは延々と続くのかもしれない。
比較文化の本によると、日本ではいつ、だれに、どのように甘えるかを認識していることが、成熟した人の条件だそうだ。
甘える対象、甘えのタイミングをわきまえているということだろう。
今回の里帰りでも、父母にはずいぶんお世話になった。母には、毎日和食を作ってもらい、洗濯もしてもらった。久しぶりに日本に帰ってきた私にのんびりとくつろいで欲しいという親心であることはありがたいが、この年になり、父母に様々な面でよくしてもらうのは心苦しい・・・・
「甘え」のあるべき姿を考えさせられる機会となった今回の里帰り。
里帰り中、地元で研修やミニ講演を担当させていただく。
そこでは久しぶりに、懐かしい方々や卒業生などに出会うことができ、感激。知っている人たちに出会い近況を語り合い、元気を一杯いただく。
アメリカでまだ地に足がついていない状態の私は、日本での仕事が非常に恋しくなることがある。研修会や助言に呼んでいただいて、実践現場の人たちと週末や夜を返上して語り合った日々が懐かしく、時々夢に見ることもある。
アメリカでもこのような体験が将来できるのだろうか、といささか不安になるが、あせらず、今できることを忠実に行うことが次へのステップにつながることを期待したい。
娘と息子にアメリカにいる先生や知人にポストカード、手紙を書いてもらった。面倒くさがっていたが、いい経験。息子が担任の先生に書いたメールの一部を紹介すると・・
My favorite Things in japan that I like is:
- the unique food
- the super fast trains
- the luxerious spas and hotels
- the restaurants and the seafood
- the comics and japanese animates
- and finaly the huge parks
that it I hope you have a wonderful rest of the summer
sincerly
Ps. my mom is forceing me to do 20 minutes of reading and 2 pages from a japanese math drill book every weekday and sometimes even on saturday
pps. jappanese math is twice as hard a american math
ppps. I am learning how to speak japanese
JR Railpassで電車に乗りまくった息子が覚えた日本語は、
「ドアが閉まります。ご注意ください。」
嬉しそうに、何度も唱えている息子がいじらしい。
電車に乗った後には、「電車でgo!」のPC版で遊んだり、You tubeで電車のビデオを見て確かめ、最後にはウィキペディアで電車の歴史まで調べてしまう。その知識はたいしたもの。
運転の様子がガラス越しで見えるローカル線では、ガラスに張り付いて、装置や運転の様子を眺めていたが、こうやって好きなものに関しては、興味を率直に表すのが、自閉症児の特徴なのか、この年令の子どもの特徴なのか・・・
ちなみに、最近の将来の夢は、世界で初めての自閉症のパイロットだそう!夢がかなうといいな~。
話題になっているモンスターペアレントを題材にしたTV番組を見る。
思ったのは、アメリカでもこのような親たちはいる。たとえば、うちの近所にも、自分の子どもは秀才児なのに、なぜ特別プログラムにいれてくれないのかと担任の先生に執拗に詰め寄る親がいた。しかしこの場合、先生が折れず、結果的にこの親は自分の子どもをHome Schoolingで教育することにした。
基本的には、担任の先生とミーティングを持とうとしたり、ボランティアをしたりする親たちは、教育熱心な親として歓迎される。しかし、どこでも理不尽な要求をする親は、煙たがられる。社会常識の範囲かどうかということで、親の知性も疑われるということだろう。
昨年、大学で「親との連携」のクラスを受け持った。そこでは、「難しい親とどのようにコミュニケーションを図るか」、というロールプレイをやってみたりした。アメリカでも日本でも、親とのコミュニケーションが難しいと考える先生が多いということでは、共通している。
子どもが好きだという条件だけでは、先生になれないのは、アメリカの教員養成のテキストでも指摘している。親との付き合い方を学んでいかなければ、勤まる仕事ではないということを早い時期から自覚していくことが必要だ。
親か教師のどちらかが勝つのではなく、Win Winを目指して、実践研究が進んでいって欲しいと願う。
JR Rail Passを使い、両親といっしょに奈良に遊びにいった。
行き先は東大寺と五重塔と鹿公園。
アメリカにも鹿はたくさんいるが、人間を見るとまず逃げていく。このように、人間に近づいてくる鹿たち、人間が近づいても銅像のように動かない鹿に出会うのは不思議な体験。
鹿せんべいを買ったとたん、鹿がどんどん集まってきて、おしぎする鹿や体ごと突進して餌を要求する鹿たちに取り囲まれる。
息子は鹿せんべいを持って走り周り、鹿との追いかけごっこ。
娘は、一頭ずつの鹿と会話しながら、鹿せんべいを小さくちぎって、食べさせる。そのうち餌がなくなると、鹿が食べている地面の草をちぎって、小さくちぎった紙に詰めて丸めてタコス状にしてあげる。ままごとの心理・・・
楽しかった旅行だったが、帰りにJR線の人身事故で列車が1時間近く遅れたのが大変だった。コドモたちに、日本では列車に飛び込む自殺者が多いというはなしをすると、かなりショックを受けた様子。
アメリカでも自殺は多いが、このような死に方を選ぶ日本人の心理には、独特のメカニズムがあるように思う。
話は変わるが、旅行の時々で出会う外国人旅行者を見て、うちのコドモたちは、「アメリカ人を見たよ」と嬉しそう。「みんな、アメリカ人っていうわけじゃないんだよ。ヨーロッパの人かもしれないし、オーストラリアの人かもしれないし。。。」と説明したが、日本人に見慣れたコドモたちの視点は、日本人化してきたのがおもしろい。
今回の里帰りでも、福井市の科学博物館、エンゼル・パークへ遊びに行った。
アメリカでも、かなりのチルドレンミュージアムやサイエンスミュージアムを巡ってきたが、ここは世界的にみてもひけをとらない、非常によくできたミュージアムと実感する。
しかも、入館料がおとな100円、こどもは無料と低額なのが嬉しい。
ちなみに名誉館長は、宇宙飛行士の毛利さん。ヒューストンに住んだことのある私たちには、なんだか身近に感じてしまう。
特にうちのコドモタチが気に入ったのは、
- 全身を使って遊べる迷路のような大型遊具
- 大型でスロープになったトランポリン
- 宇宙旅行を体感できるMoon Walkとスペースシップの乗り物
- 廃材でつくった遊び場
帰りに急などしゃぶりの雨で全身ずぶぬれになってしまった時、通りすがりのお店の人が、私たちに声をかけてくださり、中で雨宿りさせていただいて、しかも駅まで車で送ってくださった。
どこの国にいっても、親切な人がいるものだということを、今回の日帰り旅行でコドモたちに体験させてあげられたのがうれしい。
里帰りして、2週間たち、コドモたちの日本語もなんとなくそれらしくなってきた。
大きな変化は、カタカナ英語になってきたこと。どんな言葉でも、平坦にゆっくりと話すことで、日本人には理解しやすいということが分かってきたらしい。
「おばあちゃん、チョコレイトください。」
息子は、自然にお辞儀できるようになってきた。人と会う時には、頭をぺこぺこ下げる姿がほほえましい。
娘は、「ちょっと待って」「すごい」「ごめん」「すいません」を使って、なんとなく、会話が成り立つようになる。
オットが日本に住んでいた時もそうだったが、「すいません」「そうですか」を連発するだけで、日本語が上手だと誉められるようだ。娘もそれを、短い期間の中で習得しているのがスゴイ。
久しぶりに地元のバスに乗る。
運転手さんの席の近くに、突然の雨に降られて傘がなくて困っている人が自由に利用できるようにと、2本の傘が置いてあった。そして、いつでもどのバスにでも自由に戻してください、というような内容が記されていた。
こういう、相手の善意を信じる行為は、心があたたまって、嬉しくなる。
里帰りして、いろいろな人から「モンスターペアレント」「モンスターチャイルド」という流行語を聞いたりしたが、このようなささやかな思いやりを見つけると、日本もまだ捨てたものじゃないと、勇気づけられる。
アメリカを発つ前に、IKEAで娘にLoft bedを買った。
狭い部屋にベッドと学習机のスペースを確保するためにうってつけの家具。梯子を登ってベッドにたどり着き、その下に机を置くというデザイン。
ところが、今になって娘がネコのキキとどうやって添い寝しようかと心配する。ネコは梯子を登るのだろうか??たとえ登ることができたとしても、梯子を降りるのはどう考えてもネコには難しすぎる。
以前、キキがまだ子猫の時、二段ベッドの上から落ちて(コドモが落としたよう)、足をくじいたことがあった。びっこをひいて、にゃおにゃお泣いて、胸を痛めた覚えがある。
娘と考えたのは
- ベッドに滑り台をつけて、ネコが上り下りしやすいようにする。
- 大きな木の植木鉢をベッドの横に置き、木登りしながら、ベッドに登る。
- キキと寝るのはあきらめ、ネコ用ベッドを床に置く。
私がネコなら、3番目にしてもらいたいんだけど・・・
里帰り中、コドモたちがリクエストしたのは、ドリンクバーのあるファミレス。
ここでは、2種類のスープ、コーヒー(カプチーノ、アイスコーヒー)、ココア、様々なブレンドの紅茶、ソーダー、ジュース類が飲める。
そういえば、アメリカにはバイキングのレストランはあっても、ドリンクバーはあまりみかけない。
今回のドリンクバーで娘が感動したのは、自分でブレンドしてつくる紅茶。たとえば、ストロベリーとピーチの紅茶を半分ずつ混ぜたりしながら、紅茶のポットに入れて、砂時計をさかさまにしてじっくりできあがるのを待つ。
アメリカでも、最近では高級モールなどにはTeavanaなど様々なブレンドの紅茶やポットなどが売られているお店が大人気。オーガニックのお店でも、紅茶が売られ、一種のブームになっている。しかし忙しいアメリカ人に、紅茶を飲む習慣がどこまで定着するのだろうか。
やはりコーヒーをマグやポットに入れながら、仕事と並行しながら何倍でも飲み続けるのがアメリカ流。