“マイクロソフト担当者に聞く、ウイルス対策無償提供の狙い =「Security Essentials」の無償提供でウイルス感染率の低減を “という記事があった。この情報から得た小生の結論は次に集約される;
*Security Essentialsは、ウイルス対策に特化した製品。
*有料の製品の多くは「統合セキュリティ対策ソフト」。
*さらに高機能なファイアウォール機能が利用できたりであるとか、攻撃のパターンを検知してパケットを遮断するであるという、より高機能なものを求める場合には、有料のセキュリティソフトは価値がある。
*Security Essentialsは、そうしたソフトにお金を出すことにためらいがあったり、実際にウイルス対策をしていないユーザーが対象となる。
以下に記事より、小生が抜粋したものを掲載する。次のURLで記事の全文が読める。 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20091027_324669.html
1.Microsoft Security Essentialsとは無料提供を開始したウイルス対策ソフト
「Microsoft Security Essentials」は、正規のWindowsユーザーであれば無料で利用できる。PCをリアルタイムで保護するソフトだ。
2.なぜマイクロソフトがウイルス対策ソフトを無償提供するのか。
小野寺氏:日本ではそうでもないのですが、世界的に見た場合にはセキュリティ対策ソフトの導入が進んでいないという現状があります。マイクロソフトでは年2回、セキュリティ状況に関するレポート(Microsoft Security Intelligence Report)を発表していて、その中で世界各国のマルウェア感染率を図にしています。
図を見ると、日本は最も感染率が低い地域ですが、一方で感染率の高い国もまだまだたくさんあります。こうした感染率の高さは、やはりセキュリティ対策ソフトの導入が進んでいないことが一番の原因だと考えられます。それが、無料でウイルス対策ソフトを提供することにした最も大きな理由です。
国/地域ごとのマルウェア感染率(Microsoft Security Intelligence Reportより)。日本は最も感染率が低い(緑色)が、依然として感染率が高い地域(赤色)も多い では、なぜ多くの国でセキュリティ対策ソフトの導入が進まないのかと言うと、まずコストの問題があります。PCを購入するだけでもやっとという状況で、セキュリティ対策ソフトまではとても手が回らないといった地域があります。
もう少し経済状況の良い国でも、国際決済のシステムが無いためにソフトを簡単には購入できないといった地域もあります。このほか、セキュリティソフトを導入しない理由としては、国によっても傾向が異なるのですが、対策ソフトの種類が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない、使い方が難しい、導入するとパフォーマンスが落ちるといった声が挙がります。
3.Security Essentialsの3つのポイント;
開発の狙いは、「容易に入手できて簡単な操作であること」「信頼できるセキュリティであること」「少ない負荷で快適に動作すること」。
「信頼できるセキュリティ」というのは、最近は偽セキュリティソフトも出回っているので、信頼できる提供元から信頼できる方法でソフトを届けようということです。
4.ウイルス対策としてはフル機能を提供
―機能的には、基本的なウイルス対策機能のみを提供するという理解でいいのでしょうか。
小野寺氏:ウイルス対策ソフトとしては非常にシンプルで、いろいろと自分でやりたい人には物足りないかも知れませんが、通常はインストールすれば特に設定は必要ないように作っています。
ファイルについては読み書きされるタイミングでチェックが入りますし、メールについても対応ソフトであれば添付ファイルを自動的にチェックします。
「基本的なウイルス対策機能」と言ってしまうと、一部の機能が制限されているようなイメージを持たれるかも知れません。確かに、提供しているのはウイルス対策機能のみですが、ウイルス対策機能についてはフルセットで提供しています。
法人向けに提供している「Forefront」とウイルス対策のエンジンや定義セットも同じものですし、一部Forefrontに先行して導入している機能もあります。現状、持っている技術はすべて入れていますので、性能が低いということはありません。
4.有料ソフトとの関係;
小野寺氏:Security Essentialsは、ウイルス対策に特化した製品です。有料の製品の多くは「統合セキュリティ対策ソフト」という言い方をしていると思いますが、さらに高機能なファイアウォール機能が利用できたりであるとか、攻撃のパターンを検知してパケットを遮断するであるとか、より高機能なものを求める方には、有料のセキュリティソフトは価値のあるものです。
一方、Security Essentialsは、そうしたソフトにお金を出すことにためらいがあったり、実際にウイルス対策をしていないユーザーが対象となります。
5.マイクロソフトの狙い;とにかくウイルス感染率を下げることが大目標
小野寺氏:どちらかといえば、とにかくまずウイルスの感染率を下げなければいけない、対策しなければいけない、という話がそもそもの出発点にありますのがSecurity Essentialsを提供するという形になりました。
――まずウイルス対策が急務だという判断ですか。
小野寺氏:そうです。Security Essentialsはとにかくウイルス対策をしていない人が一番のターゲットで、まずそこをなんとかしたいというのが提供の目的です。