(朝刊より抜粋)
奈良市の奈良公園に、ファーブルの「昆虫記」で有名なフンコロガシの仲間を見に来ませんか――。
県青少年文化振興協会は5月13日に公園内で開く観察会への参加を募っている。
担当者は「公園の生態系を支える、縁の下の『小さな』力持ちがいることを知ってもらえれば」と話す。
協会によると、同公園の生態系には鹿が芝などの植物を食べ、そのフンが植物の肥料になるほか、フンに交じった種が別の場所で芽を出すといったサイクルがある。しかし、鹿のフンを食べて分解する体長2センチ程度のコガネムシの仲間・フンチュウを知る人は少ない。
昨年5月、初めて開いた観察会には小学生~高校生とその保護者ら計約140人が集まった。「うわっ、汚いなあ」。最初は尻込みした参加者も、担当者の説明を聞いたあとは「中に、こんな虫がいるなんて」「意外にかわいい!」と、評価が変わったという。
国内には動物のフンを食べるフンチュウは約160種が生息しているが、フンを球状に固める、いわゆるフンコロガシはいない。同公園に、フンチュウはセンチコガネやマグソコガネ、エンマコガネなどが約40種いるという。
当日は午前10時~午後2時、同公園の鹿が集まる飛火野一帯で虫を探す。愛好家らでつくるコガネムシ研究会のメンバーが、見つけたフンチュウの名前や特徴、生態などを参加者に解説する。
(いわば縁の下の力持ちに感謝!!!)