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わが胸の骨息づくやきりぎりす 石田波郷

2019年08月11日 | 俳句
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石田波郷
わが胸の骨息づくやきりぎりす
絶対安静と前書きのある病床の句。痩せた胸の肋骨に息づかいが荒い。じーと熱に浮かされながら眠れぬ夜を過ごしていると何処かでキリギリスが鳴いている。その鳴声に集中し病の苦しさに耐えている。人生の嬉しさは一時なのに苦しさは何と永く感じるのだろう。病苦はそこに身を置いた者にしか分からないものである。:山本健吉「定本・現代俳句」(2000年4月10日)所載。
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