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鯊釣の並びてひとりひとりかな 今井千鶴子

2019年08月25日 | 俳句
1090
今井千鶴子
鯊釣の並びてひとりひとりかな

海の水と川の水が混ざり合う汽船域に鯊釣のポイントがある。陸から釣るにも舟から釣るにも何故か釣り人が並んでいる。小生の本拠地は江戸前だったので行徳の陸っぱりも東京湾の木更津沖から羽田沖まで経験している。大量に釣れるので勢い数を競うことになる。100匹の単位で1束釣ったとか5束釣ったとかの世界である。そんな競い合う世界で肩を寄せ合いながら一人一人が真剣に自分の世界へ没入してゆく。一度名人会の船に乗って競ったら小生が30匹で頭(トップ)は3000匹だった。その頃から殺生が嫌いなワタクシであった。厳冬の炬燵舟も経験したがあの孤独感がたまらない。:角川「新版・俳句歳時記」(1990年12月15日版)所載。
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