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瀬﨑憲子
夕日いま滅びの色か吾亦紅
西空が血の色に染まり一日が終わってゆく。吾亦紅の錆た色がまるで滅びゆくものの色彩に思えて来る。私事ではあるが一病を得て老いてゆく身にしてみればひとしお身に沁みることとなる。ただこんな思いは夕陽の時だけではない。花が咲けば泪し鳥が鳴けば愛しみ風が吹けば身を縮め月を見れば哀しむこととなる。生涯の時の一期一会が全て滅びの彼方へ流れてゆく。:俳誌『百鳥』(2018年1月号)所載。
<いらっしゃいませー俳句喫茶店・つぶやく堂ーどうぞお入りください>
瀬﨑憲子
夕日いま滅びの色か吾亦紅
西空が血の色に染まり一日が終わってゆく。吾亦紅の錆た色がまるで滅びゆくものの色彩に思えて来る。私事ではあるが一病を得て老いてゆく身にしてみればひとしお身に沁みることとなる。ただこんな思いは夕陽の時だけではない。花が咲けば泪し鳥が鳴けば愛しみ風が吹けば身を縮め月を見れば哀しむこととなる。生涯の時の一期一会が全て滅びの彼方へ流れてゆく。:俳誌『百鳥』(2018年1月号)所載。
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