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春愁の手を振りて友見送りぬ 矢野博子

2017年02月21日 | 俳句
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矢野博子
春愁の手を振りて友見送りぬ
春は愁いの季節と言う。閉じ籠る様な冬の時間からふっと放り出される。そんな時の心細い戸惑いの中に佇む愁いであろうか。現実には多くの出会いと別れが待っているのが春。卒業や人事異動で友人と別れる季節である。折角気心知れた友達になったのに今日はこの別れである。悲しむなかれわが友よこの先には新しい出会いが待っている。素晴らしい未来にするかどうかは君次第なのである。:俳誌「百鳥」(2016年5月号)所載