政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

自民党破産の恐怖! ネズミが逃げる準備を始めた 

2010-03-10 06:24:31 | 自民党
衆参予算委員会における自民党の狂態は、自民党支持者の目にさえもおぞましいものと映ったことだろう。
人材の枯渇だけではなく、政策そのものの不在、しかも政策立案の基礎になるべき理念の不在、そんなものが洗いざらい国民の目の前に晒されてしまった。
こんな連中がこれまで戦後一貫して政権を握り続けていたことに、あらためて驚きを覚えるし、背筋も凍る思いである。

彼等の武器は、「政治とカネ」だけである。
しつこく「政治とカネ」で下品で愚劣な攻撃を続けている。
しかし、その様子を見て、この連中を総理大臣にしようと思う国民は一人もいないだろう。

彼等はいつの間にか、西松建設献金事件、陸山会事件、鳩山由紀夫政治資金問題をひっくるめて「政治とカネ」問題に変えてしまった。

一つ一つの事件は今となっては、極めてあやふやなものになってきている。
ほんとに犯罪だったのか。
検察からのリークが止まり、マスコミも個々の事件について報道することはめっきり減ってしまった。

すべて検察が起こした事件なのだが、郵便不正事件で検察の信用は徹底的に地に落ちた。
「検察の正義」は迷信だということが知れ渡ってしまった。

「検察が捜査に乗り出した」
「検察が事情聴取を行った」
「検察が家宅捜索を行った」
「検察が逮捕した」
というようなことが、当然には犯罪事実と結びつかないという常識が徐々に広まってくるだろう。

自民党が必死になってすがりついている「政治とカネ」という武器も竹光であることが分かってくるだろう。
そんな無謀な戦いを続ける連中の影に隠れて、逃げ出す準備に入っている奴らがいる。

桝添が派手に動いているが、こんな男についていく奴はいないだろう。
谷垣退陣を叫んでいるが、逆に谷垣に降りられたら困るのではないか。
出て行く口実がなくなる。
もっともそのときは又何か考えるのだろう。

桝添を幹事長に、などという声もあるようだ。
名案である。
もし桝添が引き受けるのなら是非やらせることだ。
そのとき桝添がどんな条件を出してくるか見ていよう。

「連帯保証人のハンコは押しません」

まず第一条件はこれだろう。
自民党には今借金が百二十億程度ある。
去年提出の自民党の収支報告書によると、平成20年度末の借金は以下の通りである。

三菱UFJ    34億円
三井住友    31億円
みずほ      31億円
りそな      23億円
合計      119億円

去年借金していればその分上乗せされる。
りそながトップだと思っていたが、何かあったのだろうか。

建物は自民党本部のビルで簿価15億。
土地は借り物、資産と言えばこの建物だけだが、国有地の上に立っている古くてでかいだけのものである。
たいした価値はないだろう。
買い手も見つからず、取り壊し費用で苦しむ公算のほうが大きい。

借金の担保はいれていない。
代わりにこれまでは幹事長と経理局長が連帯保証人になっていたらしい。
連帯保証人が二人だから借金の負担は半分ずつかというとそうではない。ひとりで全部被ることもあり得る。
これまでと違って、自民党は消滅する可能性もある。
現実的な心配なのである。

かつてある幹事長経験者が語っていた。
「幹事長を辞めて一番ほっとしたことは、連帯保証人を抜けたことだ」

経団連が自民党のスポンサーを降りる姿勢を示している。
その他のスポンサーからの政治献金も入ってこなくなりつつある。
これから参院選がある。
借金がまた増えるかもしれない。

いくらメガバンクといえども、担保もなしにこれ以上貸し込むわけにはいかないだろう。
焦げ付いたら融資担当者だけではなく、銀行そのものの責任が問われる。
簡単には追加融資には応じるわけにはいかない。

逃げ出す奴らにも名分が要る。
今後の生き残りも考えなければならない。
そこで谷垣が飲めない要求を出している。
一応改革への姿勢を示したことにはなる。

一人だけ逃げ出すのはみっともない。
二・三十人は連れていきたいところだろう。
みんなに担がれて新党結成に踏み切る。
これが桝添の理想の展開であろう。
しかし桝添に新党は無理である。
小心者の桝添が新党旗揚げののために自分のお金を使うことはない。
つまりスポンサーを見つけることが前提になる。
自己宣伝のパフォーマンスと権力にすり寄るごますりだけで政界を泳ぎ回っているネズミ男の正体は誰もが分かっている。
すり寄ってくるのは、桝添の知名度だけを利用しようとしている奴らだけである。
お金のある奴は近づかないだろう。

与謝野まで、谷垣に退陣要求を出したらしい。
こいつも新党なんて口走っている。

こっちも本音は逃げ出す準備だろう。
今の自民党を引き受けるつもりなどさらさらあるまい。

自分で新党を立ち上げる力もなく覚悟もない奴らばかりである。
だれか自分を担いでくれる奴が現れるのを待っている。
あるいは、どこかから早くお呼びがかからないかと心待ちにしている。
ひとまず、こちらの準備は出来ているという合図は出した。
みんなの党か、平沼か、それとも亀井あたりが手をさしのべてくるかもしれないなどと淡い期待を持って待っている。

鳩山邦夫あたりをおだててお金を出させようと狙っている奴もいるだろう。

そして今度は山本有二議員である。

自民 党の改革求める動き続く (NHKニュース 3/9)
自民党内では9日、山本有二元金融担当大臣らが執行部に党改革を進めるよう申し入れることにしているなど、党運営に不満を持つ議員の動きが続いており、党の結束を訴える執行部は、対応に苦慮しています。


こうしたなか、経理局長を務める山本元金融担当大臣や政務調査会長代理を務める鴨下一郎元環境大臣らが9日、党改革を進めるよう谷垣総裁あての申し入れを行うことにしています。


経理局長を務める山本元金融担当大臣?
例の連帯保証人ではないか!

離党覚悟か、離党狙いか?
それとも単に経理局長からはずれることを狙っただけか?
あんまり分かりやすくて笑ってしまう。

もう一人の連帯保証人・大島理森はどうしているか?

「顔怖い」相次ぐ批判に大島幹事長キレた「辞めてもいい」 (ZAKZAK 3/5)

「私が辞めて自民党の支持率が上がるなら辞めてもいい」-。自民党の大島理森幹事長が4日、党本部で開いた当選5回の衆院議員との意見交換会で、執行部批判に“逆ギレ”する一幕があった。

 大島氏に対しては、3日に意見交換した当選1、2回生議員からも「テレビに映る顔が怖い。ちょっと芝居がかっていて直してほしい」(平将明衆院議員)といった不満が出たが、その際は「気をつける」と低姿勢をみせていた。


ここまで来ると自民党も完全に終わりだろう。
「顔が怖い」?
顔にまで注文をつけられては、大島もやってられないだろう。
しかし、まだまだこの程度では逃げられないか?
近いうちに、「辞めてもいい」でなく、「辞めたい」と言うようになる日がくる。
しかし、グズグズしていると間に合わなくなる。

逃げ出す奴が増えると、残った奴の借金返済の負担が重くなる。
早い者勝ちである。
ますます動きは加速していくだろう。
メガバンクもおっとり構えていては貸し倒れになってしまう。
早く取り立てに掛からないと、どこかが抜け駆けするかもしれないぞ。

近いうちに自民党を清算、残っている者で分担して借金を払おう、ということになるか。
そうでもしないと、連帯保証人になっている者は自己破産するしかない。

最後に残った者がババを掴む。
最後まで残るのは、麻生か、安倍か、はたまた森か?

小泉進次郎あたりをおだてて総裁にしておいて、みんなで逃げちゃうなんてのもいいかもしれない。





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