政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

前原誠二国交大臣の四つの大罪

2010-03-01 21:39:20 | 小沢一郎
いつの間にか、「陸山会事件」から「政治とカネ」に焦点が移ってしまっている。
陸山会事件はすっかり「政治とカネ」に衣替えをしてしまった。
もともと火のないところに立てた煙である。
衣が残っただけでも上出来であろう。
その衣を後生大事に振りかざす奴らがいる。
芝居は第二幕に移っている。

最早、水谷建設から5000万円が2回だの、21億円の虚偽記載など誰も口にしない。
結局何も出なかったのだ。
下手につつけばぼろが出る。
口を拭って知らん顔をしているに限る。
それどころか、早く忘れたいと思っている。
主役は検察庁からマスコミに交代した。
検察が舞台を降りたのか、それとも舞台の袖で次の出番を待っているのかは分からない。
いくら頑張っても主役になれないのが自民党である。
頑張れば頑張るほど悲惨さが浮き彫りになる。

しかし、芝居の演目は「政治とカネ」に替わったが、隠れた副題は「小沢抹殺共同謀議事件」のままである。
そうすると、重要な脇役が存在することに気づかされる。
民主党内に巣くう”反・小沢”議員たちである。

彼等は、長崎県知事選における敗因を、小沢の「政治とカネ」問題に求め、参院選前に小沢に「ケジメ」をつけることを要求している。

ほとんどすべてのマスコミがその敗因を「小沢の政治とカネ」に求めているが、厳密な検証を誰も行っていない。
少なくとも民主党は、いい加減な世論調査などを鵜呑みにするのではなく、自ら敗因の徹底的な分析をするべきであろう。

とりわけ、前原はこんなことを言える立場ではない!
   ↓
小沢氏の自発的辞任に期待=参院選への影響懸念-前原氏 (jiji.com 2/28)

長崎県知事選敗北及び鳩山内閣支持率低下のまったく個人的かつ主観的分析

①検察・マスコミ一体となった小沢攻撃   30%
②小沢の防御ミス               10
③鳩山の「政治とカネ」問題          10
④鳩山のリーダーシップの欠如と無能   20
⑤閣僚の無能                  20
⑥選挙戦術のミス               10

西松献金事件、陸山会事件ともに小沢は不起訴である。
事件そのものが検察による濡れ衣・言いがかりであり、小沢個人には責任はない。
ただしそのディフェンスにおいて反省すべき点はあろう。
それに対して、鳩山の月額1500万円の母親からのお小遣い支給は事実であるだけに、鳩山個人にその責は帰せられるべきものである。
④と⑤は密接不可分というところがある。
鳩山のリーダーシップの欠如は既に多くの国民の目に明らかになっている。
普天間基地移設問題、ガソリンの暫定税率問題、後期高齢者医療費問題、高速道路無料化問題、郵政における官僚出身者の登用問題等々、数え上げればきりがない。
これは鳩山内閣全体の政策遂行能力に疑問符が付けられているということでもある。

⑤の内で、もっとも罪が重いのは、前原誠二国交大臣である。

一 八ッ場ダム工事中止の不手際
二 JAL問題での不手際
三 観光庁長官人事の不明朗さ
四 反・小沢発言を続けていること。

一 ダム建設中止宣言は結構なのだが、就任直後に前後のみさかいなくぶち上げて、その後の対処の仕方も拙劣極まる。
鳩山内閣の出だしにすっかり水を差した。

二 日航再建問題も大きかった。

【日航危機と再建】日航の株価と最近の主な出来事 (jiji.com 2010.1.19)
   ↑
(この記事には実に分かりやすいチャートが付いているのだが、転載の仕方が分からないので上記をクリックしてご覧になって下さい。一部、時系列的に抜粋する)

 9月24日 「法的整理一切考えていない」
 9月25日  JAL再生タスクフォース設置
10月29日  企業再生支援機構に支援要請
11月18日 「法的整理しないとは言ってない」
 1月19日  会社更生法適用申請
 2月20日  日航上場廃止

前原が、訳が分からないまま、思いつきや人に騙されて口を開く度に株価が下がり、国民はあきれ、内閣の足を引っ張り続けた。
迷走は最初からだった。
前原は法的整理の意味が分からなかったのだ。
再生タスクフォースで丸々1ヶ月の時間と金の無駄遣い。

(JBプレス)タスクフォースのメンバーとなったレゾンキャピタルパートナーズの奥総一郎は、前原と京大法学部の同期で故・高坂正尭教授の同門生。そもそも、タスクフォースの設置は、奥のアドバイスだったとされる。

結局JALは株価一円売り気配で上場廃止。
株券電子化のおかげで、紙くずももらえない。

三 これもお粗末お友達人事。

観光庁長官を更迭、前原国交相 後任は大分トリニータの溝畑前社長 (産経ニュース 2009.12.25 )

後任の溝畑氏は、旧自治省(現総務省)出身。大分トリニータの立ち上げに尽力し、Jリーグまで引き上げた。しかし、成績不振や経営の悪化の責任をとり、今月辞任したばかりだった。

溝畑宏(みぞはた・ひろし)氏 東大法卒。平成2年自治省(現総務省)から大分県に出向。6年大分フットボールクラブ発足時からクラブ経営に関わり、8年にゼネラルマネージャー、12年に社長。今月12日に辞任。京都府出身。

裏の事情は次の記事に詳しい。

「お友達人事」で株下げた前原国交相観光庁長官交代劇でポスト鳩山に黄色信号? (JB PRESS 2010.01.14)

長官就任の経緯についても溝畑は「2009年12月5日の最後の公式戦の後、前原大臣から打診の電話があった」と説明しているが、「実際は猛烈な職探しをしていて、11月中に観光庁長官ポストの手応えを得た上で社長辞任を表明した」(複数の関係者)ことが真相のようだ。

 取締役会で正式に辞任してから、わずか13日後の長官就任決定に、大分の地元関係者の中からは民主党に多数の抗議メールが送りつけられたという。

あまり知られていないが、実は、前原と溝畑の関係は、幼少期にまでさかのぼる。溝畑の2歳年下の弟と前原が京都修学院小学校の同級生で、2人は幼い頃からの顔見知りだ。

 前原は時々、溝畑家に遊びに行っており、「かわいい顔の前原少年を、ガキ大将の溝畑兄貴がからかうような間柄」(関係者)だったという。その後、府議になった前原を、溝畑の両親が熱心に応援。そういう意味では今回の一件は「幼なじみ人事」とも「ご近所のよしみ人事」とも言いたくなるようなもの。

 さらに、前原と極めて近い関係にある松井孝治官房副長官と溝畑とは、京都の洛星中学・高校で机を並べた同級生。松井は2008年11月12日付の日経新聞「交遊抄」の中で、溝畑のことを「愛すべき悪ガキ」「当時から型破りな存在」などと綴っている。大人になった前原と溝畑は松井の取り持ちで再会を果たした。


民主党政権の足を散々引っ張っておいて、小沢に辞任を要求するとは何事か!

四 小沢に辞任を要求したり、民主党の亀裂を広げてそれを有権者の目の前に見せつけていること。
これこそが前原の最大の罪である。




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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (らむちゃのパパ)
2010-03-02 07:22:12
京都在住の私も前原大臣の罪は大きいと思います。それにしても、さすが亭主さん、よくそれをまとめておられますね。脱帽です。
前原こそ議員辞職してもらいたいものですね。
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Unknown (前原は恐い。)
2010-03-02 11:09:55
前原って自民党の清和会、TV朝日サンプロ、田原と仲良しお友達のようですし、民主党の密約など勝手に流されたら、民主党は身も蓋もないでしょう。
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Unknown (悪も変貌している。)
2010-03-02 11:52:13
鳩山政権は人の命を大切にするに政権に変わりましたが。
小泉政権から、ブッシュは人の命を脅かし、いつも不安で安心して住めない社会へと変貌していました。

変な事件が相次ぎました。

今もその小泉、飯島の後を引きづった脅かしが、続いていますが、TBSの豚インフル脅威の洗脳の裏に小泉一派と薬害との利権癒着も見られ、最近では各国の地震も人工的なものもありと疑われ、偉い不安な世の中にしてしまった。

こうした不安を煽らせる悪どもは抹殺しなければこの世界も危うくなってきました。
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逆効果 (言葉)
2010-03-02 22:53:40
前原大臣が、ひとたび「なにか言葉を発する」と、たちまち「失策し、失笑され、叱責される」ばかりである。
その結果、民主党は「大ダメージ」を受けてきた。しかも、今も受け続けている
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総理から注意受けるのは当然 (ももだぬき)
2010-03-03 00:27:44
前原が個所付けで民主党経由したのは論外かな。注意受けるのは当然。戒告ぐらい当たり前かも。
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らむちゃのパパ様 (亭主)
2010-03-03 05:48:48
>前原こそ議員辞職してもらいたいものですね。

前原はなかなか弁は立ちます。
使い方次第では、役に立つのでしょうが……。

まあ、馬鹿とハサミは使いよう、と言いますから鳩山にうまく使いこなす力があれば問題ないのでしょうが、あまり期待できませんね。
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前原は恐い様 (亭主)
2010-03-03 05:53:57
コメントありがとうございます。

>民主党の密約など勝手に流されたら、民主党は身も蓋もないでしょう。

前原のこれまでの言動を見れば、あるかもしれませんね。
徒党を組んでいるだけに、なかなか厄介な男です。
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悪も変貌している 様 (亭主)
2010-03-03 05:59:27
コメントありがとうございます。

>小泉政権から、ブッシュは人の命を脅かし、いつも不安で安心して住めない社会へと変貌していました。

時を経て、ようやく多くの人にそれが見えてきました。
なかなかそれを現在進行形で見極めることは難しいことです。
今、おきていることの本質を見極める力が要求されています。
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言葉様 (亭主)
2010-03-03 06:05:55
コメントありがとうございます。

人間の本質というものはなかなか変わらないものですね。
「本来、総理の椅子に座るべきは、鳩山ではなくオレだ」
とでも思っているのかもしれません。
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ももだぬき様 (亭主)
2010-03-03 06:11:21
>戒告ぐらい当たり前かも。

もし、前原の独断だったら何らかの処分はあって然るべきでしょう。
ただ、鳩山も国会の場で攻められるとあっさり処分を約束してしまう軽率さは問題です。
好きなように野党に言質を取られっぱなしです。
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