政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

郵便不正事件虚偽報道…マスコミの責任を問う

2010-03-08 18:24:25 | 小沢一郎
これまで、進行中の裁判の途中の状況が一般の人に知らされるというようなことは全くなかったといっていい。
よっぽど話題になった事件の場合でも、ニュースの時間に法廷の様子のスケッチと短い説明がなされて終わりである。
情報伝達者は大手メディアだけである。

今度のいわゆる郵便不正事件では、ツィッターなどを使って、ほぼリアルタイムに近い形で情報が伝えられたりしている。
手段の進歩は、情報伝達の主体まで変えてしまう。
大手メディア以外の情報発信者が新しいメディアの担い手として登場してきた。

様々な証言が生の形で伝えられる。
わたしたちは、これまでの大手マスコミの情報がいかにデタラメで、意図的で、悪意に満ちたものであるかを嫌と言うほど見せつけられている。

大阪地検特捜部が描き、説明してきた事件の姿。
大手マスコミがわたしたちの前に、真実として繰り広げてきた事件の姿。

そんなものが全くの虚構・捏造・でっち上げであったことが露わになってきた。
大手マスコミが伝えてきたことが真実でなかったのだから彼等は謝罪と訂正をしなければならない。

真実はまだ分からない、と言うかも知れない。
謝罪・訂正はまだ早い、と言うかも知れない。
有罪か無罪かはまだ分からない、それがはっきりした時点で、などと言うかも知れない。

しかし有罪・無罪が判定される前から、有罪であると決めつけて書きまくってきたのはあんた達である。
少なくとも、あんた達が書きまくってきた「被疑者が~と供述している」などという部分はほぼ全部が嘘だったことは明らかになっている。
すべての証人・被告人が否定しているのである。

それだけでも十分謝罪の理由になるだろう。
大手マスコミは、これまでの自分たちの報道を検証し、訂正し、謝罪しなければならない。
少なくとも、これまでの自分たちの報道と異なる証言や事実が現れたら、それを報道する義務はある。

【郵便不正事件】省庁のキャリアシステムが背景か (産経ニュース 2009.6.15 11:32

民主党国会議員の口利きがあり、厚労省内で「政治案件」として扱われた障害者団体「凛の会」の証明書発行。今回の事件では、この“腫れ物”のような案件をめぐり、法案の処理などで政治家の口利きを断れないキャリア官僚と、キャリアに追い込まれるノンキャリア職員という構図も浮かび上がる。

 証明書発行に絡む省内の指示は、当時の厚労省障害保健福祉部長(57)から始まった。「国会議員から電話がかかってきた。うまくやってくれ」

 平成16年2月、ほぼ丸投げされた同部企画課長だった村木厚子容疑者(53)は調整係長を担当者に指名。その後、4月に同係長に着任したノンキャリア職員の上村勉容疑者(39)が前任者から引き継ぎ、最終的に偽造という不正な手段をとった。




親切にも分かりやすい図表まで作ってくれている。

「国会議員から電話がかかってきた。うまくやってくれ」
臨場感溢れる描写で、読者に自分が目撃しているような感覚を与えてくれる。

政治家の口利きを断れないキャリア官僚と、キャリアに追い込まれるノンキャリア職員という構図

政治家は石井一氏。
キャリア官僚は村木厚子氏。
ノンキャリア職員が実行犯。

実に分かりやすい構図である。
しかし政治家もキャリア官僚もまったく無関係。
ノンキャリ職員の単独犯。

政治家→キャリア→ノンキャリ?

虚構の癒着関係をでっち上げたのは産経である。

図までつくって見せた産経に責任はないのか。
少なくともこの図表の訂正版ぐらい出したらどうだ。

こんなところ相手にしても仕方がないが、それでも公称212万部?発行の大新聞である。
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報道機関としての責任は自覚してもらおう。

さてこちらは報道機関と言えるかどうか、サークル誌の編集部と言ったらいいのか。
日曜版を含めて160万ほどの発行部数があるそうなので、もしかすると産経より多いかも知れない。

郵便割引不正事件 癒着のトライアングル 厚労省 国会議員 日本郵便 “福祉食い物”くっきり (2009年6月8日「しんぶん赤旗」)>

見出しを見ただけでだれもが犯罪事実は間違いないという印象を受ける。
政官業の癒着構造の中で起こった犯罪と断定している。
ここらへんは、産経と同程度の発想であるが表現は格段に過激である。

障害者団体向け郵便制度を悪用した「郵便割引不正事件」は、郵便事業会社「日本郵便」の幹部につづいて厚生労働省係長の逮捕にまで発展しました。自称・障害者団体への証明書発行は、「国会議員に頼まれた」との供述も飛び出しました。浮かんできたのは、福祉を食い物にした政財官癒着の構図です。

2日の参院厚生労働委員会。日本共産党の小池晃議員は、厚労省の村木厚子雇用均等・児童家庭局長に事件への関与をただしました。

 村木氏は、証明書の発行当時(2004年)、同省障害保健福祉部企画課長。この虚偽の証明書で、「凛(りん)の会」(現・白山会)が障害者団体として郵便割引制度の適用を受けました。同局長は「お答えできません」の一点張りでした。

 しかし、「凛の会」設立者の倉沢邦夫容疑者(73)は、大阪地検特捜部の調べに、「偽の証明書を(同局長から)直接受け取った」などと供述しています。

 同課係長の上村勉容疑者(39)の上司だった障害保健福祉部の元部長(現「福祉医療機構」理事)は、証明書発行について、国会議員から要望を受け、「議員案件」として企画課長らに対応を指示したといいます。

 厚労省ぐるみの様相が浮かび上がります。


赤旗の場合でも、してもいない被疑者の供述を載せ、勝手な構造をこしらえ上げているのは産経と同じである。
もっともこれは産経ばかりではなく、他の新聞もみな同じようなものだったが。

倉沢容疑者は、民主党の石井一副代表・参院議員の元私設秘書。政治家の関与も明らかになっています。



こちらの方が産経よりも大分詳しい。

赤旗を報道メディアと呼べるかどうかは難しい。
日本共産党の宣伝・広報誌に過ぎないとも言える。
大手一般メディアと同列には扱えないだろう。
しかし、赤旗は国会連動型の新聞でもある。
共産党議員の国会活動・国会発言と何らかの関係があるならば、やはり、幾分かの公共的役割もあるのでは……?

いやホントのところ、産経新聞・しんぶん赤旗、ついでに聖教新聞なんかに公共的役割を求めようなんて、つゆほども思ってはいないが……。

こんなところは別にしても、他の大手マスコミには記事を書いた責任をとってもらいたい。
マスコミは、「国民の知る権利に応えるため」という言葉をよく持ち出すが、「知る権利」とは「真実を知る権利」なのである。
嘘の報道は、国民の「知る権利」に反するものである。

特にニュースソースを明らかにしない報道等に関しては、メディアの側が全面的に責任を負わなければならない。

今回は、デタラメ報道の証拠は山ほど残っている。



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