政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

焦る麻生、見当違いの党首討論懇願

2008-10-22 12:17:05 | 麻生太郎
なんとか党首討論で小沢に一太刀浴びせてから解散・総選挙へ持ち込みたい麻生。
小沢との一騎打ちなら自分に分があると自信満々でいる。
裏返せば、自民対民主との対決には自信がないということだろう。
確かに直近の世論調査の結果がそれを如実に物語っている。

毎日世論調査:麻生内閣支持36% 9ポイント下落 (10/19)


「衆院選でどちらに勝ってほしいか」との質問は、参院選直後の昨年8月に始めて今回が14回目。自民が5ポイント減の36%、民主が11ポイント増の48%、その他の政党が1ポイント増の12%だった。今年8月まで12回連続してリードした民主が再び12ポイント上回る結果となった。

 「衆院選が今実施されるとしたら、比例代表でどの政党に投票するか」に対する回答は民主が38%で、自民の25%を大きくリード。前回は自民が民主を6ポイント上回った政党支持率も自民が4ポイント減の24%、民主が5ポイント増の27%で逆転した。


政党比較では民主党有利が顕著になっている。麻生の頼みは次の一点だけだ。

一方、「麻生首相と民主党の小沢一郎代表のどちらが首相にふさわしいか」は麻生首相が2ポイント減の40%で、小沢氏が1ポイント減の18%。

政策抜きの人気勝負に持ち込むしか勝機がない、と踏んだ麻生の戦術が”党首討論”である。

川中島の合戦において武田信玄の本陣に自ら切り込み、信玄に数度切りかけた上杉謙信を真似て、大将同士の一騎打ちに持ち込もうというのだろう。

小沢氏に党首討論の開催を直談判 自民、衆院本会議中に (NIKKEI NET 10/21)

自民、民主両党は21日、麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表による党首討論の開催を巡って協議したが、結論が出なかった。自民党の萩山教厳国家基本政策委員会筆頭理事は同日の記者会見で、29日までに実現するよう小沢氏に直談判したところ、小沢氏が「衆院解散の日取りを言ってくれれば毎日でも応じる」と語ったと明らかにした。


本会議中にのこのこ小沢の席まで出向いて党首討論を懇願。
『解散はわたしがきめる』と強がっているが、ここまで党首討論にこだわるところをみると、麻生は解散不可避のところまで追い込まれているのだろう。
麻生の焦りの表れがこんなところに出てきている。
しかし、党首討論を行うという麻生の言い分は選挙の争点を明らかにするというだけのものだ。
麻生の言う争点といってもせいぜいが”国際貢献”だけしかない。緊急経済対策などは、総選挙の争点とする性質のものではない。
だいたい、選挙の争点は、選挙公約・マニフェストで明らかにすべきものである。
公約・マニフェストを明らかにした上で、選挙戦で国民に選択を委ねる。
それで十分ではないか。

小沢はすでに政権基本構想を発表している。これは9月の党首選の際に出されたものだが、民主党のマニフェストのベースになるものと思われる。

 ◇小沢一郎氏の基本政策案骨子
1、すべての国民が安定した生活を送れる仕組み=「消えた年金記録」の被害救済や年金制度一元化と基礎(最低保障)部分の全額税方式、後期高齢者医療制度廃止と医療制度一元化など

2、安心して子育てと教育ができる仕組み=子供1人当たり月額2万6000円の「子ども手当」支給

3、まじめに働く人が報われる雇用の仕組み=「働く貧困層」解消や中小企業の財政的支援による最低賃金の引き上げ

4、地域社会を守り、再生させる仕組み=農業の戸別所得補償制度創設

5、国民の生活コストを安くする仕組み=高速道路無料化、ガソリンの暫定税率廃止と増税分の国民への還元

6、税金を役人から国民の手に取り戻す仕組み=特殊法人などの原則廃止や役人の天下りの全面的禁止

7、地域のことは地域で決める仕組み=国の補助金はすべて廃止し地方に自主財源として一括交付

8、国民自身が政治を行う仕組み=国会審議は国民の代表である国会議員だけで行い、与党議員100人以上を政府の中に入れる

9、日本が地球のために頑張る仕組み=温室効果ガス排出量の半減に向けた省エネルギー徹底、強固で対等な日米関係を築き国連の平和活動に積極参加


これだけ具体的な構想を発表しているのだ。争点はすでに明らかである。
麻生のやることは、小沢案に対して自民党の具体的な政策を発表すればいいことである。
もう一度言う!
争点はすでに明らかだ。

更に付け加えれば、自民党政治を続けるのか、この国の将来に希望を見いだせる政治を作り出せるか。
本当の争点はそこにあるのだ。




暫定税率廃止!天下り禁止!議員世襲禁止!


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