遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

蟻地獄

2021-06-16 15:56:09 | 日記

令和3年6月16日(水)

蟻地獄 : 擂鉢虫、あとずさり

ウスバカゲロウの幼虫の中の一部は、蟻地獄と言われ、乾いた

土や砂の中に擂鉢状に穴を掘り、その底に隠れて落ち込んだ蟻

等の虫を捕食する。 

蟻地獄の体長は1~3cm程、土灰色で細長いとげが在り、泥

被っている。

蟻地獄は捕えた獲物に消化液を注入し、分解した後で口器より

吸汁する。 この吐戻液は毒性があり、これを注入された獲物

は病原菌に感染したように黒変し、致死する。

猛毒で、フグの毒(テトロドトキシン)の130倍といわれる。

亦、獲物の残骸(外骨格等)は、擂鉢の外へ放り出す。

蟻地獄は、獲物にいつも在りつけず、2,3カ月の間、飲まず

喰わずで生きられるという。

縁の下、お寺の境内下等の乾いた土砂に擂鉢状の穴を掘る。

 

この蟻地獄は地上では前に進めず、後退ばかりするので「あと

ずさり」とも言われる。

穴の形や生態が面白く、好んで俳句の題材にされている。

普段、余り目にする事はないのだが、吟行に出掛けた折り、

句仲間から教えられ、寺の境内の裏等へ行き縁の下を覗き

よく目にする様になった。

 

薄翅蜉蝣(うすばかげろう)

ウスバカゲロウは、体長3~5cmくらい、暗褐色で翅は

透明で、「草蜉蝣」(薄緑色)ほど美しくはない。

土の中で繭を作り、1カ月程で孵化する。薄暗い林の中等

に住み、夕方になるとヒラヒラと飛んで出て灯火に集まる。

小昆虫を捕食する。

蟻地獄は2年程を土の中で過ごすが、成虫になると一夏で

生涯を終える。はかない命である。

 

今日の1句

コロナ過をあとずさりして蟻地獄   ヤギ爺