令和2年5月11日(月)
初 鰹 : 初松魚(はつがつお)
鰹は、サバ科の世界の温帯や熱帯海域に生息
する回遊魚。体長は40~60Cm
背側暗青色で腹部は銀白色
死後、腹部に数本の青縦縞がでる。
日本近海では春の黒潮の水温上昇と伴に北上する。
遠州灘を越えて伊豆半島を廻る頃になると、脂が
のってくる。
これは青葉の茂る5,6月頃で、この頃に漁れる
はしりの鰹を「初鰹」という。
黒潮に乗り回遊するので、四国や紀伊半島沖では
初物は春先(4月頃)に現れる。
池田弥三郎さんの「たべもの歳時記」で「今年は
もう4月の初旬に初鰹を食べてしまった」との
記述されている。
江戸の頃には、初物好きの江戸っ子に持て囃され
江戸中期の俳人、山口素堂の句の
目には青葉山ほととぎす初松魚(かつお)と
詠まれている。 最も知られている一句である。
この句には「青葉」「山ほととぎす」「初松魚」
と、夏の季語が三っつも連なるが、初松魚が最も
めざましく感じられる。新年の季冠として使われ
る「初」を、初ものの意味で使い、その鮮度と
待ち受けていた物を得た喜びが発散される。
今日でも初鰹は人気があるが、とても江戸時代の
比ではなかろう。その人気がある意味で、この句
が作り出したものともいえる。青葉の頃に鎌倉、
小田原辺りの海で漁れる鰹はそれほど味が良く、
待望され珍重された。(素堂家集、所収)
(新日本大歳時記、夏、平井照敏氏記述より)
カミさんが「初カツオ、買って来たヨ、、」
上記を見ると、私の住む名古屋辺りは紀伊半島
に近く、とうに旬(はしり)は過ぎている様で、
だが、早速、今晩は鰹のタタキを頂こう、、、
きょうの1句(俳人の名句)
初松魚羽が生えたり江戸の空 正岡 子規