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世界の覚書

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自動販売機とパチンコを目の敵にする

2011年04月11日 | 経済・エネルギー・交通
経済ニュースゼミ:自動販売機とパチンコ屋
パチンコ屋がやっている電力消費は450万キロワット、自動販売機が使っている電力も1年間で450万キロワット、合わせて1000万キロワット近い電力が(中略)そんなこと他人様に言われなくても、自分の家で冷やすものは冷やしていますし、また、その場で飲みたいから、或いは、家に帰って直ぐに飲みたいから、自動販売機のジュースやビールを買う訳です。それに自動販売機は冷やすだけではなく、缶コーヒーを温めてもくれるのです。本当に嫌ですね、そんなことを言われるなんて。(中略)そこまで言うとしても、何故自動販売機にパチンコ屋さんだけなのか? 他にもいっぱいあるではないですか? 個人的な意見を言いましょう。

・食器乾燥機で、食器を乾かすような無駄なことはよしてくれ!
・天気がいい日に、コインランドリーで洗濯物を乾かすのはよしてくれ!
・オール電化住宅なんてよしてくれ!

(中略)その辺の経緯をすっとばして、パチンコ屋が‥何て言っても、全然説得力がないのです。単なる床屋談義レベルの話であるのです。パチンコ屋さんがどうこうというのであれば、カジノはどうなのでしょうね?
カジノという文言は凄い皮肉だから、反石原のスタンスを感じさせるが、

> 何故自動販売機にパチンコ屋さんだけなのか? 他にもいっぱいあるではないですか?

他として例示するのが、食器乾燥機とコインランドリーの乾燥機とオール電化住宅というのが、解せないところ。前二者は使ってない人が多いと思うが、食器洗い機は(手洗いより)水とエネルギーの節約になるのではなかったか。電化住宅の推進は深夜電力活用、すなわち原発前提だったので、話としてひっくり返ったのは事実だが、CO2的には意味のある話だったし、電化は一般に家庭生活の快適性向上につながる。そういうレベルの話と、自動販売機(飲料)・パチンコとは違うのではないか。オール電化住宅の人は今困っているとは思うが、個人住宅の話であり、作ってしまったものはどうしようもない。

さて、ちょっと計算してみよう。仮に東電管内のパチンコが450万kWh/日だとしよう。12時間営業と仮定すると、ピーク時37.5万kW。

同様に自販機が450万kWh/日だが、24時間でも冷蔵や温蔵のエネルギーは時間帯によって変わると思われる。多い時間帯と少ない時間帯が1:1と仮定し、瞬間消費が2:1と仮定すると、ピーク時25万kW。

鉄道を1800万kWh/日と仮定し、18時間とすると、100万kW。母数(東京電力の通常の昼の電力供給量)を5000万kWと仮定すると、パチンコが0.75%、自販機が0.5%、鉄道が2%。パチンコ+自販機は、1.25%。ただし、母数を例えば3500万kWとすると(最近の数字)、それぞれ1%、0.7%、2.8%になるが、今は節電しているので、このままの数字ではありえない。節電率を用意しないと、計算できない。パチンコ+自販機で10~15%は節電している気もする。
#こういう試算は仮定だらけでよく分からないが、傾向としてはこんなものだろう。数字はつかみが大事である。

さて、ここでどう考えるか。

A)鉄道の間引き運転は大迷惑だが、パチンコ+自販機が大幅に減ったとしても、そんなに支障はない。
B)パチンコ+自販機の影響は、ざっくり1.5%程度なのだから、ピーク時節電には協力するけど、目の敵にされるいわれはない。

AかBかですな。

自販機の問題はずっと前から指摘されていた。奇形的な電気の使い方で、いいかげんにした方がいいのではないかと、言われていた。

一方、電力消費が自販機に匹敵(ピーク時には1.5倍か)するというのは、今回初めて知ったが、パチンコ業界もビジネスとして奇形的で、日本の政治と社会に大きな影響を与えている。政府からの節電要請が無かった業界だったのは、ちょっと驚いたが、極めて不可解であり、いぶかしい話である。ああ、そこまで「浸透」しているのかと。昔のような手打ちのパチンコとは違い、今のパチンコは常習性のある賭博そのものである。

#少なくとも東京の業界団体では自主的に節電努力をしているらしいが、看板が暗い程度ではないかと思う。自販機の照明を消した節電効果は15%らしいが、パチンコ屋さんではどうなのだろう?

パチンコは、ずっと批判の対象としてくすぶってきた。ここに来て節電問題が発生して、顕在化しただけである。「食器乾燥機とコインランドリーの乾燥機とオール電化住宅」ばかりではなく、他の娯楽でも生産でもいいが、事業を控えろという対象を選ぶ場合に、自動販売機・パチンコが筆頭に上がるのは、理由のない事ではない。それに対して、両業界とも、真剣に取り組む必要がある。変わらなければ生き残れない。他に文句を付けても、何にもならない。

実際に規制ないし抑制する場合には、色々とテクニカルな問題があるだろうし、具体的な方法の予測はしづらい。目標としては、この両業界に限って、50%削減であろうか。

目の敵にされる業界としては、タバコもそうである。タバコの健康に与える影響は、ざっくり言って非喫煙者の2倍、すなわち100%だろう。今般の節電(夏のピーク時の需給ギャップ問題)は関係ないが、タバコ業界が目の敵にされるとしても、それは致し方ない事である。まあ、日本が長寿で困っているから、タバコ野放しなのかもしれないが...

自販機については、5~6月のような電力の端境期を除き、特に今年の夏は常温販売で乗り切る事をお勧めする。自販機台数削減もある程度は避けられまい。

追記:ピークカット機能付きの自動販売機が存在するのは知っていたが、まだ100%普及してはいないと思っていた。しかし日本自動販売機工業会の説明(エコベンダー)によれば、既に普及率は100%らしい。15年間で消費電力量を半減ともある。逆にいうと、それでも1台あたり50%減に過ぎない。台数が倍になれば、元の木阿弥である。PDF文書によれば、エコベンダーの午後1~4時の3時間は1台あたり17wとの事。しかしそれ以外の時間帯はどうなのか?
最も省エネ機でも、年間消費電力(1050kwh/年と推定)から計算すると、365日24時間を平均すれば120W使っている。台数は全国で約250万台(2009年)、東電管内は分からないが、全国シェア3割とすると、75万台。単純計算で、1台120Wとして9万kw、1台17wとして約1.3万kw。もっとも、飲料以外も含めた自販機総数は520万台、東電管内を156万台と仮定し、1台17wとすると2.6万kwか。ちょっとよく分からないが、データは大事である。ソースを求めたい。東電管内の飲料自販機の電力消費のシェアは0.5~0.6%くらいでいいのかどうか。

追記:3月24日の読売新聞に東電管内の電力消費量のデータがあったようだ。それによれば、パチンコ415万Kwh、飲料自販機400万Kwhだった。営業時間と時間帯データがないとあれだが、見積もりの元データとしてはOKという所。ちなみに東京ディズニーリゾート57万Kwhの話が中心だったかもしれない。TDRの営業時間を12時間と仮定すれば、4.75万kwだが、まあピーク時で6万kw(60MW)くらいかな(季節によっても変わるはずだが)。

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