新年、明けましておめでとうございます。東海大の大学選手権ベスト4進出で何とか面目を保った形の関東リーグ戦グループ。間の抜けたタイミングとなってしまいましたが、2012年の宿題を片付けてから東海大を力一杯応援したいと思います。
[キックオフ前の雑感]
理想的と言っていいのかどうか判らないが、今シーズンのリーグ戦Gは最終戦の頂上決戦(全勝対決)で優勝が決定する形となった。ディフェンディングチャンピオンの流経大に覇権奪還を目指す東海大が挑む。と書きたいところだが、どうも実感が湧かない。どうしても、主客が逆のような感じがするのだが、それも無理はない。昨シーズンに悲願の初優勝を果たしたものの、主力の多くが卒業したことでチーム再構築となった流経大に対し、東海大は主力メンバーが残ったこともあり、昨シーズンよりもパワーアップしている。とくに8人全員が100kgを越えた重量FWを軸に、ここまで安定した戦いができている。ただ、流経大も個性的なメンバーが揃ったこともあり、当初の不安をよそにチーム力を上げてきた。東海大優位の状況にはあるが、流経大にもチャンスはある。なかなか楽しみな対戦であることに違いはない。
キックオフ前に両チームのメンバーを確認する。シーズン前には複数のオプションを試合によって使い分ける構想だった流経大だが、結局はSOオペティ、CTB矢次、FB合谷が先発する形に落ち着いた。強力なFWに対抗するためには、LOシオネは外せないことから、本日もリリダム・ジョセファは後半の投入になる。流経大としては、リードされても僅差の状態で(短い時間でもトライを量産できる)リリダムにバトンタッチしたいところ。一方の東海大は負傷欠場のPR阿部に代わってルーキーの平野が先発している以外は不動のメンバーがずらりと並ぶ盤石の布陣といえる。大学選手権に向けて、最高の形で締めくくりたいところだ。
[前半の闘い]
流経大のキックオフで試合が始まった。今シーズンに限らず、東海大の課題のひとつは、ゲームへの入りの悪さの克服。これはピッチに立つ選手達も十分に意識しているはずなのだが、今日もあっさりと先制を許してしまった。キックオフ早々のスクラムでコラプシングを犯し、自陣22m内での相手ボールラインアウトといきなりピンチを迎える。流経大がモールを押し切れなかったところでFL辻が抜け出しゴール前でラックとなる。ここから出たボールをNo.8高森がタイミング良く受け取りそのままゴールラインを越えた。流経大の誇る第3列の7-8コンビの活躍により、流経大が幸先良く7点を先制した。
しかしながら、東海大もすぐに反撃を見せる。流経大は東海大のプレッシャーを受けて反則を重ねることでピンチに陥る。自陣を背にして、流経大が東海大の重量FWの圧力に耐え続ける展開で10分、ラインアウトを起点としたモールからFL谷が抜け出し、まずは5点を返す。東海大のFWは重いだけでなく機動力も兼ね備えた強力なメンバーが揃っている。とくにNo.8村山を中心とした第3列の破壊力には凄まじいものがある。東海大に持ち味とする形が出たことでゲームの流れが変わるかと思われたが、東海大はピリッとしない。流経大はキックオフに対するカウンターアタックでFB合谷が巧みなステップを駆使して大きくゲイン。オペティがボールを前に運び、ロングパスを受けたWTB伊禮が対面の小原のタックルをかわしてゴールラインまで到達する。GKは失敗したが、流経大が12-5とリードを拡げた。
その後も、流経大は辻、高森に加えてFL今井、LO今野、HO植村らの走力のあるFW選手達の活躍で得点機を掴む。しかしながら、東海大も個々のパワーを活かしたディフェンスで最後の一線は超えさせない。合谷の奔放なカウンターなど、アタックの面白さなら流経大に軍配が挙がるが、トライを取る力は東海大の方が上。30分にはPKからのアタックでパスミスがあったものの、うまく拾ってNo.8村山がトライ(GKは失敗で10-12)。さらに35分には流経大のディフェンスがFW周辺に集められたところで、オープンにスペースができパスを受けたFB高平がゴールラインを越えた。GK成功で東海大は逆転に成功し、17-12とFW戦で優位に立つ東海大のリードで前半が終了。ただ、流経大には短時間集中でトライを量産できるリリダムが居るだけに、流経大にもチャンスは再逆転のチャンスはありそうだ。
[後半の闘い]
両チームはややミスが目立ったとはいえ、鍛え上げられた肉体と肉体のぶつかり合いはなかなか見応えがある。突き放したい東海大に対し、何とか早い段階でひとつ返して試合を振り出しに戻したい流経大といった形で両チームがそれぞれ思惑を秘めながら、後半が始まった。東海大のキックオフに対して流経大はハイパントで前進を図るものの、マイナスキック気味となりオフサイドの反則を犯す。東海大は流経大ゴール前でのラインアウトを選択するが、流経大がノックオンを犯してスクラムとなる。東海大はサイド攻撃からモールを形成して前進し、FL谷がトライ。GKも成功して東海大が24-12とリードを拡げた。
その後も、FWのパワーに勝る東海大のペースで試合が進み、流経大はなかなか東海大陣に入ることができない苦しい展開が続く。ただ、東海大も得点機にミスでボールを失い、流経大にカウンターアタックのチャンスを与える。流経大は自陣からも積極的にオープンに展開して局面の打開を目指すものの、HWLを越える前に東海大に止められてしまう。接点で絡まれることで球出しのテンポが遅れ気味となり、無理なパスでチャンスを潰す場面も見られた。
試合が膠着状態となったところで21分に流経大は切り札のリリダムを投入。ここで、本来ならSOにオペティを残したいところだが、FW戦のことを考えればシオネはベンチに下げられない。SOには櫻場が起用されることとなった。31分にはラックでのターンオーバーからCTB矢次がビッグゲインを見せるものの単発に終わる。試合も終盤に近づいた35分、流経大に残念なミスが出る。東海大陣10m付近でのラインアウトを起点としてオープンに展開したところでタックルに遭いノックオン。ポロリとこぼれたボールがちょうどディフェンスで詰めていたWTB小原の前に転がり、入れ替わりのような形で小原がインゴールまでボールを運んだ。流経大にとってはもっとも警戒すべき選手にプレゼントを渡してしまった格好で12-31とビハインドが19点に拡がった。
エースのトライで勝利を確信した東海大は手堅く試合を進める。終了間際にPGで3点を追加し、34-12と粘る流経大を振り切りノーサイド。7戦全勝の文句なしの優勝を決め、流経大に奪われた覇権の奪還に成功した。最後に点差が開いたものの、大学最重量FWに挑んだ流経大の健闘が光った試合だった。
[試合後の雑感]
見事、昨シーズンの雪辱を果たして優勝を決めた東海大だが、今シーズンは力の差が点差に反映されていない戦いが続いた印象がある。しかしながら、相手をクラッシュしないでもしっかり勝てているところに東海大の底力を感じる。省エネと書くと誤解を招きそうだが、FWがフルスロットルにならない状態で確実に前にボールを運び、決定力のあるBKに得点を託す形が東海大の目指している全員ラグビーということになるのかも知れない。今シーズンこそはいい形で終わって欲しい。
春の段階では、どこまでチーム力を上げられるか不安を抱かせた流経大だが、最終戦で東海大と覇権争いができるところまで来たことは正直嬉しい。当初からオペティをSOに固定してチーム作りをしていたらという想いもないではないが、個性的なメンバーが揃った中でいろいろな可能性を試すことができたことは大きな収穫かも知れない。逆に来シーズンは覇権奪回のチャンス到来となる。今シーズンのテストの結果をふまえてどんな形のチームを作りあげていくのかに期待したい。
[キックオフ前の雑感]
理想的と言っていいのかどうか判らないが、今シーズンのリーグ戦Gは最終戦の頂上決戦(全勝対決)で優勝が決定する形となった。ディフェンディングチャンピオンの流経大に覇権奪還を目指す東海大が挑む。と書きたいところだが、どうも実感が湧かない。どうしても、主客が逆のような感じがするのだが、それも無理はない。昨シーズンに悲願の初優勝を果たしたものの、主力の多くが卒業したことでチーム再構築となった流経大に対し、東海大は主力メンバーが残ったこともあり、昨シーズンよりもパワーアップしている。とくに8人全員が100kgを越えた重量FWを軸に、ここまで安定した戦いができている。ただ、流経大も個性的なメンバーが揃ったこともあり、当初の不安をよそにチーム力を上げてきた。東海大優位の状況にはあるが、流経大にもチャンスはある。なかなか楽しみな対戦であることに違いはない。
キックオフ前に両チームのメンバーを確認する。シーズン前には複数のオプションを試合によって使い分ける構想だった流経大だが、結局はSOオペティ、CTB矢次、FB合谷が先発する形に落ち着いた。強力なFWに対抗するためには、LOシオネは外せないことから、本日もリリダム・ジョセファは後半の投入になる。流経大としては、リードされても僅差の状態で(短い時間でもトライを量産できる)リリダムにバトンタッチしたいところ。一方の東海大は負傷欠場のPR阿部に代わってルーキーの平野が先発している以外は不動のメンバーがずらりと並ぶ盤石の布陣といえる。大学選手権に向けて、最高の形で締めくくりたいところだ。
[前半の闘い]
流経大のキックオフで試合が始まった。今シーズンに限らず、東海大の課題のひとつは、ゲームへの入りの悪さの克服。これはピッチに立つ選手達も十分に意識しているはずなのだが、今日もあっさりと先制を許してしまった。キックオフ早々のスクラムでコラプシングを犯し、自陣22m内での相手ボールラインアウトといきなりピンチを迎える。流経大がモールを押し切れなかったところでFL辻が抜け出しゴール前でラックとなる。ここから出たボールをNo.8高森がタイミング良く受け取りそのままゴールラインを越えた。流経大の誇る第3列の7-8コンビの活躍により、流経大が幸先良く7点を先制した。
しかしながら、東海大もすぐに反撃を見せる。流経大は東海大のプレッシャーを受けて反則を重ねることでピンチに陥る。自陣を背にして、流経大が東海大の重量FWの圧力に耐え続ける展開で10分、ラインアウトを起点としたモールからFL谷が抜け出し、まずは5点を返す。東海大のFWは重いだけでなく機動力も兼ね備えた強力なメンバーが揃っている。とくにNo.8村山を中心とした第3列の破壊力には凄まじいものがある。東海大に持ち味とする形が出たことでゲームの流れが変わるかと思われたが、東海大はピリッとしない。流経大はキックオフに対するカウンターアタックでFB合谷が巧みなステップを駆使して大きくゲイン。オペティがボールを前に運び、ロングパスを受けたWTB伊禮が対面の小原のタックルをかわしてゴールラインまで到達する。GKは失敗したが、流経大が12-5とリードを拡げた。
その後も、流経大は辻、高森に加えてFL今井、LO今野、HO植村らの走力のあるFW選手達の活躍で得点機を掴む。しかしながら、東海大も個々のパワーを活かしたディフェンスで最後の一線は超えさせない。合谷の奔放なカウンターなど、アタックの面白さなら流経大に軍配が挙がるが、トライを取る力は東海大の方が上。30分にはPKからのアタックでパスミスがあったものの、うまく拾ってNo.8村山がトライ(GKは失敗で10-12)。さらに35分には流経大のディフェンスがFW周辺に集められたところで、オープンにスペースができパスを受けたFB高平がゴールラインを越えた。GK成功で東海大は逆転に成功し、17-12とFW戦で優位に立つ東海大のリードで前半が終了。ただ、流経大には短時間集中でトライを量産できるリリダムが居るだけに、流経大にもチャンスは再逆転のチャンスはありそうだ。
[後半の闘い]
両チームはややミスが目立ったとはいえ、鍛え上げられた肉体と肉体のぶつかり合いはなかなか見応えがある。突き放したい東海大に対し、何とか早い段階でひとつ返して試合を振り出しに戻したい流経大といった形で両チームがそれぞれ思惑を秘めながら、後半が始まった。東海大のキックオフに対して流経大はハイパントで前進を図るものの、マイナスキック気味となりオフサイドの反則を犯す。東海大は流経大ゴール前でのラインアウトを選択するが、流経大がノックオンを犯してスクラムとなる。東海大はサイド攻撃からモールを形成して前進し、FL谷がトライ。GKも成功して東海大が24-12とリードを拡げた。
その後も、FWのパワーに勝る東海大のペースで試合が進み、流経大はなかなか東海大陣に入ることができない苦しい展開が続く。ただ、東海大も得点機にミスでボールを失い、流経大にカウンターアタックのチャンスを与える。流経大は自陣からも積極的にオープンに展開して局面の打開を目指すものの、HWLを越える前に東海大に止められてしまう。接点で絡まれることで球出しのテンポが遅れ気味となり、無理なパスでチャンスを潰す場面も見られた。
試合が膠着状態となったところで21分に流経大は切り札のリリダムを投入。ここで、本来ならSOにオペティを残したいところだが、FW戦のことを考えればシオネはベンチに下げられない。SOには櫻場が起用されることとなった。31分にはラックでのターンオーバーからCTB矢次がビッグゲインを見せるものの単発に終わる。試合も終盤に近づいた35分、流経大に残念なミスが出る。東海大陣10m付近でのラインアウトを起点としてオープンに展開したところでタックルに遭いノックオン。ポロリとこぼれたボールがちょうどディフェンスで詰めていたWTB小原の前に転がり、入れ替わりのような形で小原がインゴールまでボールを運んだ。流経大にとってはもっとも警戒すべき選手にプレゼントを渡してしまった格好で12-31とビハインドが19点に拡がった。
エースのトライで勝利を確信した東海大は手堅く試合を進める。終了間際にPGで3点を追加し、34-12と粘る流経大を振り切りノーサイド。7戦全勝の文句なしの優勝を決め、流経大に奪われた覇権の奪還に成功した。最後に点差が開いたものの、大学最重量FWに挑んだ流経大の健闘が光った試合だった。
[試合後の雑感]
見事、昨シーズンの雪辱を果たして優勝を決めた東海大だが、今シーズンは力の差が点差に反映されていない戦いが続いた印象がある。しかしながら、相手をクラッシュしないでもしっかり勝てているところに東海大の底力を感じる。省エネと書くと誤解を招きそうだが、FWがフルスロットルにならない状態で確実に前にボールを運び、決定力のあるBKに得点を託す形が東海大の目指している全員ラグビーということになるのかも知れない。今シーズンこそはいい形で終わって欲しい。
春の段階では、どこまでチーム力を上げられるか不安を抱かせた流経大だが、最終戦で東海大と覇権争いができるところまで来たことは正直嬉しい。当初からオペティをSOに固定してチーム作りをしていたらという想いもないではないが、個性的なメンバーが揃った中でいろいろな可能性を試すことができたことは大きな収穫かも知れない。逆に来シーズンは覇権奪回のチャンス到来となる。今シーズンのテストの結果をふまえてどんな形のチームを作りあげていくのかに期待したい。