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世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

(大)不況がやってくる!?  その1

2006-09-06 13:08:44 | 世界経済
さて、今年の1月から何度と無く米国不動産市場の状況について書いてきたが、いよいよ米国不動産市況の急落→個人消費の落ち込み→景気の減速というシナリオの現実感が増し、その有無よりも、タイミングと減速の規模の議論に移りつつあるところだろう。

昨日載せたPINRのレポート''Falling Home Prices Could Trigger a U.S. and Global Recession''にも参考となる情報がいろいろとあったが、以下の事実は驚愕するべきものであろう。
・2006年前半においては87%のリファイナンスが"cash-out"のためのものであった(住宅ローンとしてのリファイナンスではなく、ホーム・エクイティを使って消費のためにリファイナンスする)
・カルフォルニアにおいては、2006年4~6月に住宅ローンのデフォルトが67%増加した(金融機関が弱りだした)

価格の高騰と在庫の積みあがりにより、住宅価格は更に下落を余儀なくされるとあるが、個人はもとより、REITなどのファンドにとっても、価格高騰による利回り低下、在庫急増による流動性リスクの急激な上昇などで、新規物件を購入することが出来ない事態に陥っているものと思われる。

今後、想定通り、不動産価格の下落が続けば、ホーム・エクイティ・ローンを前提としたマイナスの貯蓄率という異常事態を維持出来ず、下落分を埋め合わせるだけでも、それだけ貯蓄率をプラスにもっていかないとならない。住宅が売れないことや雇用減等のその他の効果を無視して、ホーム・エクイティという観点だけから見ても、米国の個人消費が大幅に減少することは不可避の様に思われる。これは、過去の不動産下落においては、おそらく見られなかったことであり、不動産不況が今回よりもひどくなかった2003年においても、ダウ平均株価が8,000ドルを下回る水準まで調整したことを考えると、今回の調整はそれを上回るものとなる可能性もある。

今日のニュースにおいても、4―6月の米国住宅価格の上昇率は1―3月の8.8%から大幅に減速し4.7%に鈍化した(6年半ぶり低水準)とあったが、先行指標を見る限り、事態は今後決定的に悪化しよう。また、米国経済の減速を見越して原油価格の低下が始まっているなど、先取りした動きは始まっている。

まさに目前に迫った米国経済の失速と、それがもたらしうる(大)不況について、しっかりと考えることは、大変重要なことなので、今後連続して、取上げて行きたい。


◎米住宅価格上昇率4.7%に鈍化・6年半ぶり低水準
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060906AT2M0502905092006.html

◎米連邦住宅公社監督局(OFHEO)
http://www.ofheo.gov/