ミャンマー・日本語学校ブログ

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新憲法の日本語訳(7)

2006年01月06日 | ミャンマー新憲法
(第4章の続き)
国民議会
国民議会の構成
109 国民議会は代議員の総数が最大440人で以下のように構成する。
(ア)各郡区に基づいて、または人口比率に基づいて、郡区数が330より多くなった場合は、新郡区に接する郡区と合同とするかまたは法律により選挙区を定めて、選出された330人の代議員。
(イ)国軍最高司令官が法律に従って提出した名簿による110人の国軍を代表する代議員。
国民議会の議事進行役(ダバーパティー)の選出
110 
(ア)国民議会の第1回の会議の開催日において国民議会の代議員の中から一人を議事進行役(ダバーパティー)として選出する。
(イ)議事進行役は国民議会の議事場の前に出て宣誓を行なう。
(ウ)議事進行役は国民議会の議長と副議長が選出されるまで国民議会を管理運営する。
国民議会の議長と副議長を選出
111
(ア)
(1)国民議会の代議員は国民議会の議長と副議長を国民議会の代議員の中から選出する。
(2)国民議会の議長または副議長のポストが空席になった場合、次の国民議会の会議において選出する。
(3)国民議会の議長が議長の職務を遂行できない場合は、副議長が議長の職務を臨時代行する。
(イ)国民議会の議長と副議長の選出方法は法律を定めて規定する。
国民議会の議長の職務内容
112 国民議会の議長は
(ア)国民議会の会議を管理運営する。
(イ)国民議会に出席して演説をしたいと大統領が申し入れた場合、大統領を招待する。
(ウ)国民議会の会議において審議中の事項について、必要であれば、憲法に基づいて組織された連邦レベルの組織を代表する委員または個人を国民議会の会議に出席させ事情を説明させるために召喚することができる。
(エ)この憲法または法律に基づいて、規定されたその他の職務を遂行する権利を有する。
国民議会の議長と副議長の就任と解任
113
(ア)国民議会の議長と副議長は次回の国民会議の会議が始まるまで、議長と副議長の職務を担当する。
(イ)国民議会の議長または副議長は辞職した場合であれ、国民議会の代議員を辞職した場合であれ、国民議会の代議員の資格を失った場合であれ、国民議会から議長または副議長の職を解かれた場合であれ、死亡した場合であれ、議長または副議長の職を解任される。
114
国民議会の議長と副議長の職務、職権と権利は法律により規定される。
国民議会に設ける委員会、小委員会、組織を設立すること。
115 
(ア)国民議会において法律案委員会、会計委員会、議院機会委員会、政府の保証、約 束、職務などを調査する委員会を国民議会の代議員によって組織する。
(イ)防衛や治安に関する事項について、国軍に関する事項について、調査する必要があれば、国民議会は防衛や治安に関する委員会を国民議会に参加する国軍代表、代議員で期限を定めて組織する。その組織された防衛や治安に関する委員会は必要であれば、国軍の代議員ではない適当な国民議会の代議員を含めて組織できる。
(ウ)国民議会は法案の立法、行政、少数民族に関する事項、経済、金融、社会、外交やその他の事項について、調査、検討する必要があれば、期間を定めて委員会を国民議会の代議員で構成する。
(エ)国民議会は国民議会内の委員会の構成人数、職務、職権、権利や就任期間などを定める。
116 国民議会が民族議会と協議するべき事項が発生した場合は、国民議会と民族議会から同人数の代表者で構成する合同委員会を組織し、その合同委員会に参加する国民議会の代表者を選出し職務を委任する。合同委員会の活動期間は関係する議会に報告書を提出するまでとする。
117 国民議会と民族議会は第115条の(ア)(イ)項に含まれる事項の他に、両議会が調査、検討する事項があれば、両議会の議長が協議し、国民議会と民族議会から同人数の代表者で構成する合同委員会を組織し、その合同委員会に参加する国民議会の代表者を選出し職務を委任する。合同委員会の活動期間は関係する議会に報告書を提出するまでとする。
118 
(ア)国民議会の委員会が調査、検討する事項の他に、その他の事項について調査、検討する事項があれば、小委員会を国民議会の代議員または適当な国民代表者により組織することができる。
(イ)国民議会は上記の小委員会を設置するとき、その小委員会の構成人数、職務、職権、権利、活動期間を定める。
国民議会の会期
119 国民議会の任期はその議会の第1回目の会議の開催日から5年間である。
国民議会の代議員になるための資格条件
120 以下に掲げる条件を満たす者は国民議会の代議員として選挙される資格を持つ。
(ア)年齢が25歳以上であること。
(イ)ミャンマー国籍を持つ両親から生まれたミャンマー国籍を持つ者。 
(ウ)国民議会の代議員として選挙される時点以前に10年連続してミャンマー国に住んでいる者。
例外)国家の許可を得て公務により海外に居住している者はその期間は国内に居住しているとみなす。
(エ)選挙に関する法律の条件を満たす者。
国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者
121 以下の者は国民議会の代議員として選挙される資格を与えられない。
(ア)犯罪を犯し、裁判所から有罪となって投獄されている者。
(イ)憲法が発効する前であれ発効した後であれ、国民議会の代議員となる資格を失わせる違反行為や犯罪があり刑罰を科されているため、国民議会の代議員として選挙される権利を当局が剥奪しその指定した期間が満了していない者。
(ウ)関係法律の規定により、精神薄弱であると認められる者。
(エ)破産者であると関係する裁判所から宣告を受けている者。
(オ)外国政府の恩恵を受けていたり、または外国政府の影響下にある者。または外国籍を持っている者。
(カ)外国政府の影響下にある者であれ、外国国籍を持っている者であれ、外国政府から何らかの権利や恩恵を受けている者。
(キ)外国の政府または宗教団体またはその他の団体から金銭、土地、家、建物、車両、物品などを直接であれ、間接であれ援助を受けている者、またはその援助を受けている組織に属している者。
(ク)政治的な事項に関して、宗教を利用して投票させたり、投票を棄権するように説得し、演説を行ない、または宣言したり、そのような行為を助長した者。またはその組織に属する者。
(ケ)宗教者
(コ)公務員
(例外)憲法の規定に従って組織された議会や組織において選出された国軍代表者を含む公務員は除外される。
(サ)国家が所有する金銭、土地、家、建物、車両、物品などを直接であれ、間接であれ取得し使用している者。または取得し使用している組織に属する者。
(例外)
(1)国家が所有する金銭という意味は、退職年金、費用、金銭や国家の利益のために行なったことに対する正式に支出された給与、費用、金銭は含まない。
(2)国家が所有する土地、家、建物、車両、物品という意味は、法律に従い、または公務により国家が使用する権利を与えた、または国家から有償で借りている土地、家、建物、部屋、飛行機、汽車、船、車両、物品などは除外される。
(シ)憲法が発効する前であれ、発効した後であれ、国民議会の代議員の資格条件を喪失させるに足る選挙に関する法律の違反、または選挙に関する法律にある規定の不履行により、国民議会の代議員として選挙される権利を当局が剥奪しその指定した期間が満了していない者。
国軍代表者が代議員になるための資格条件
122 国軍代表の国民議会の代議員になるために、国軍最高司令官が法律に従って、名簿に登録された者で国民議会の代議員として規定された資格条件を満たしていること。
国民議会の会議を開催すること
123 国民議会の任期が始まる第1回目の通常会議は総選挙が始まった最初の日から90日以内に開催すること。
124 
(ア)憲法が発効した後、第1回目の通常会議は国家平和開発委員会が招集する。
(イ)国民議会の残りの任期については、第1回目の通常会議を憲法の規定に従って引き続き職務を継続する国民議会の議長が招集する。
125
(ア)第1回目の国民会議の通常会議において、国民議会の代議員は国民議会の議事進行役の目前において別表4に掲げてある通りに宣誓を行なう。
(イ)欠席して宣誓を行なわなかった代議員は最初に出席する国民議会の会議において議長の目前において宣誓を行なう。
126 国民議会の通常会議は最低1年に1度、議長により招集される。次の通常会議までの空白期間は12ヶ月を超えてはならない。
127 国民議会の会議では以下の事項を執り行なう。
(ア)大統領が演説したことを記録する。
(イ)大統領が送ってきた書簡と議長が許可したその他の書簡を発表し記録する。
(ウ)法律案を提出し審議し、議決すること。
(エ)憲法の規定に従って、国民議会が行なうべき事項について審議し議決すること。
(オ)国民議会に提出された報告書について審議し議決し、記録すること。
(カ)動議を提出、審議、議決すること。
(キ)質疑の応答。
(ク)国民議会の議長が許可した事項について執り行なうこと。
128 
(ア)国民議会の第一日目の会議において、国民議会に出席する権利がある代議員の総 数のうち過半数が出席すれば、その会議は成立する。もし成立しなければ、会議を延期する。
(イ)上記の(ア)項に従って、会議が成立しなかったために延期され行なわれる会議と成立した会議の後に引き続き行なわれる会議においては、国民議会に出席する権利がある代議員の総数のうち3分の1以上が出席すれば、その会議は成立する。
129 
(ア)国民議会において議決するべき事項について、投票により議決する場合、憲法に特別の規定がなければ、会議に出席した国民議会の代議員の過半数により議決する。
(イ)国民議会の会議において投票により議決する場合、議長または議長の職にある副議長は棄権票、賛成票、反対票が同数の場合に限り決定票を投じることができる。
130
(ア)国民議会の代議員が国民議会の会議において、国民議会の許可なしに最低15日間連続して欠席した場合は、定められた手続きに従い、その代議員のポストが空席になったことを国民議会が宣言できる。許可なく欠席した15日を算定するとき、会議が延期された期間は含まない。
(イ)連邦議会の会議に出席するべき国民議会の代議員が連邦議会の会議に議会の許可なく15日間連続して欠席したことを連邦議会の総裁が報告してきた場合は、その代議員に対して国民議会は定められた手続きにより処分する。
131 国民議会は代議員のポストに空席がある場合でも、国民議会が扱うべきことを行なうことができる。また、国民議会に出席できる権利がない者が会議に出席したり、投票したり、または作業に参加したことが後に判明した場合も、国民議会の議決に影響を与えることはない。
132 国民議会が行なったこと、記録を国民に広く知らせるために公表する。しかし、法律により、または国民議会の決定により、公表することを禁止された行ないや記録は公表しない。
133 
(ア)国民議会の代議員は憲法の規定または国民議会に関する法律の規定に反しなければ、国民議会や国民議会の委員会において自由に意見を述べて、投票する権利を有する。そのように国民議会または国民議会の委員会において協議、行動したことについて、代議員は国民議会の法律以外の法律によって処分されることはない。
(イ)国民議会の会議であれ、国民議会の委員会であれ、出席を許可された、または招待された、憲法に基づいて組織された連邦レベルの組織を代表する委員または個人は、憲法の規定または国民議会に関する法律に反しない限り、国民議会や国民議会の委員会において自由に意見を述べることができる。国民議会や国民議会の委員会において述べた意見について、その組織の委員や個人は国民議会に関する法律以外の法律により処分されることはない。
(ウ)上記の(ア)項、(イ)項に掲げた者が上記の権利を行使するとき、明らかな違 反があった場合、その者は国民議会の規則、手続きにより、または現行の法律により、処分される。
134 
(ア)国民議会の会議に出席中の国民議会の代議員であれ、議会の議長の許可または招待により会議に出席中の個人であれ、逮捕する必要があれば、十分な証拠を国民議会の議長に提出すること。国民議会の議長の事前の許可なしに逮捕することはできない。
(イ)国民議会の委員会の会議であれ、国民議会が組織した小委員会または組織の会議に出席中の当委員会、小委員会、組織に参加する個人を逮捕する必要があれば、十分な証拠を関係する委員会、小委員会、組織の長を通じて国民議会の議長に提出すること。国民議会の議長の事前の許可なしに逮捕することはできない。
(ウ)国民議会または国民議会の委員会または国民議会が組織した小委員会、組織の会議が開催中でないとき国民議会の代議員を逮捕した場合は、その逮捕に関して十分な証拠を国民会議の議長に早急に提出すること。
135 国民議会であれ、国民議会の職権であれ、発布した報告書、書類、議会の議事録に関して裁判を提訴されることはない。
法律案の提出
136 別表1に掲げてある連邦法律のリストにある事項について、連邦議会にのみ法律案を提出して議決するという規定が憲法にある場合を除いて、それ以外の事項については、定められた手続きに従い、国民議会に法律案を提出することができる。
137
(ア)国民議会が法律に従って可決した手続き法、規則、または規律などを発布した後、関係する組織は自ら発布した手続き法、規則、規律を次の一番早く開催される国民議会の通常会議において、国民議会の議長が許可したやり方で国民議会の代議員に配布する。
(イ)手続き法、規則、または規律などの規定が関係する法律と整合性がないことが判明した場合、その手続き法、規則または規律を破棄するかまたは修正するように、手続き法、規則または規律の文書が配布された日から90日以内に、国民議会の代議員が国民議会において動議を提出することができる。
(ウ)手続き法、規則または規律について破棄または修正するかについて、国民議会と民族議会の意見が異なる場合は、連邦議会に上程される。
138 
(ア)憲法に従って組織された連邦レベルの組織が提出した法律案を連邦議会が規定された方法により送ってきた場合は、国民議会に提出された法律案としてみなし、国民議会において審議し議決する。
(イ)国民議会の代議員は連邦法律のリストに掲げてある事項の中から、連邦議会にのみ法律案を提出して議決するという規定が憲法にある場合を除いて、それ以外の事項については、定められた手続きに従い、国民議会に法律案を提出することができる。その法律案は規定された方法に従い、国民議会において審議し議決する。
(ウ)国民議会が可決した法律案は民族議会に送られる。
139
(ア)国民議会は民族議会から送られた法律案を受け取ったとき、民族議会が議決した通り賛成または反対または修正条件付きで賛成の議決を行なうことができる。
その法律案は議決と共に、民族議会に再度送られる。
(イ)国民議会が送った法律案を民族議会が修正して再度送ってきた場合は、国民議会は民族議会の修正を受け入れる場合、その議決と共に連邦議会の総裁に送る。
(ウ)国民議会は民族議会に送った法律案に関して、民族議会と異なる議決をした場合は、連邦議会の議決を得ること。
140 憲法に従って、組織された連邦レベルの組織を代表する委員は、
(ア)国民議会の議長の許可を得て、国民議会の会議に出席する場合、自分の組織に関連する法律案または事項に関して、事情を説明したり協議することができる。
(イ)国民議会の委員会、小委員会、組織の会議に、その委員会、小委員会、組織の長から許可を得て、出席する場合、自分の組織に関連する法律案、または事項について事情を説明したり協議することができる。