ミャンマー・日本語学校ブログ

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ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

新憲法の日本語訳(20)

2006年01月20日 | ミャンマー新憲法
第9章 選挙

議会の代議員を選挙すること
391 議会の代議員を選挙するに際して
(ア)選挙が始まる日において、年齢が18歳となり、法律により選挙資格を喪失した者でない者で、投票権を持つ国民及び法律により選挙権を与えられたいかなる者も投票する資格がある。
(イ)投票権を持つ国民及び法律により選挙権を与えられたいかなる者も一つの選挙、一つの選挙区において一票のみ投票する権利がある。
(ウ)また、この憲法の規定により投票権が与えられた関係する民族は自分の所属する管区または州の議会において、民族を代表する議会の代議員を選挙するためにも、投票権を有する。
(エ)無記名方式により選挙を行なう。

392 以下に掲げる人物は投票権が与えられない。
(ア)宗教関係の職員
(イ)刑罰により収監されている者
(ウ)精神薄弱であると法律による規定の通りに認定されている者
(エ)破産宣告を受けている者
(オ)選挙法により選挙に参加することを禁止されている者

393 議会選挙の立候補者は一つの選挙において
(ア)一つの議会のみに被選挙権を有する。
(イ)一つの選挙区のみ選挙に参加できる。

394 
(ア)連邦の領土、または連邦議会が法律を制定して定めた連邦の領土内において居住している選挙民は国民議会と民族議会の代議員のみ選挙することができる。
(イ)連邦議会が法律を制定して連邦の領土と定めた管区または州の代議員は法律により特別の許可がない限り、当該議会の代議員として職務を続ける権利を失う。

395 この憲法の規定による場合であれ、選挙法の規定による場合であれ、資格を喪失した者でない場合は、いかなる国民も議会の代議員として選挙される権利を有する。

代議員の職務から罷免すること
396
(ア)議会の代議員を以下の事項により代議員の職務から罷免できる。
(1)国家から受ける恩恵や忠誠に背信した者。
(2)この憲法の定める規定に違反した者。
(3)相応しくない品格に欠けた行動をした者。
(4)この憲法に定めてある関係する代議員になるための資格条件を満たさない者。
(5)法律により与えられた職務を果たさない者。
(イ)関係する選挙区の選挙民のうち最低1%が罷免させたい代議員に関する請願書を連邦選挙管理委員会に提出すること。
(ウ)連邦選挙管理委員会が法律に従って調査を行なう。
(エ)請願内容を調査しているとき、関係する代議員は本人であれ、代理人を通してであれ、反論をする権利がある。
(オ)連邦選挙管理委員会がその請願内容が妥当なものであり、該当する人物が議会の代議員として職務を続けることが不適当であると判断した場合、連邦選挙管理委員会は法律に従って行動をする。

397 連邦議会は選挙に関する事項であれ、職務から罷免することに関する事項であれ、それらについての法律を制定すること。

連邦選挙管理委員会の設置
398
(ア)大統領は連邦選挙管理委員会を設置する。
設置にあたっては、この憲法に含まれる連邦政府大臣の任命に関する規定に基づいて、連邦選挙管理委員会の議長を含む最低5名の委員を任命する。
(イ)連邦選挙管理委員会の議長と委員は、
(1)年齢が50歳以上であること。
(2)年齢制限の他の条件は国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)
(アア)連邦最高裁判所の長官または連邦最高裁判所の裁判官であれ、管区または州裁判所の裁判官であれ、それに準ずる役職であれ、最低5年間の職務経験のある者。
(イイ)管区または州レベル以上の司法関係の上級公務員または法律関係の上級公務員として最低10年以上の職務経験のある者。
(ウウ)顕著で立派な功績のある人物であると大統領が認めた者。
(4)正義感を持ち、経験豊富な人物であること。
(5)国民議会の代議員として選挙される資格を持たない者に関する規定にも抵触しないこと。
(6)国家と国民に対して忠誠心があること。
(7)政治政党員ではないこと。
(8)議会の代議員ではないこと。
(9)給与、手当てなど報酬を伴う他の役職に就いていないこと。

連邦選挙管理委員会の職務
399 連邦選挙管理委員会の職務は以下の通りである。
(ア)議会の選挙を実施する。
(イ)議会の選挙を管理監督すること。委員会の組織を整備すること。その組織を管理監督すること。
(ウ)選挙区の設定と改正
(エ)選挙人名簿の作成と修正
(オ)天災により、または地域の治安状況により、自由で公正な選挙の実施が困難な地域の選挙を延期すること。
(カ)選挙に関する、または政治政党に関する手続法をこの憲法に含まれる規定に基づいてであれ、ならわし法、指導などに関係する法律に基づいてであれ、制定すること。
(キ)選挙に関して紛争を調査するために法律に従って選挙調査委員会を設置すること。
(コ)法律により与えられた職務を遂行すること。

連邦選挙管理委員会の議長または委員を弾劾すること
400
(ア)大統領は連邦選挙管理委員会の議長または委員を以下の事由により弾劾できる。
(1)国家から受ける恩恵や忠誠に背信した者。
(2)この憲法の定める規定に違反した者。
(3)相応しくない品格に欠けた行動をした者。
(4)この憲法において関係する人物になるための資格条件を満たさない者。
(5)法律により与えられた職務を果たさない者。
(イ)この憲法において連邦最高裁判所の長官または連邦最高裁判所の裁判官に対する弾劾を規定した方法に従うこと。

401 
(ア)連邦選挙管理委員会の議長または委員は職務を遂行している期間中に、ある事情があって自分の意志により辞職したい場合は、大統領に辞職願いを提出し辞職することができる。
(イ)辞職した場合であれ、罷免された場合であれ、死亡した場合であれ、その他の事情により連邦選挙管理委員会の議長または委員のポストに空席が発生した場合は、大統領はこの憲法に含まれる連邦政府大臣の任命に関する規定に基づいて、選挙管理委員会の新議長または新委員を任命すること。
(ウ)連邦選挙管理委員会の議長または委員が国家公務員の場合は、連邦選挙管理委員会の議長または委員として任命された日から現行の国家公務員に関する規則に従って、退職したものとみなされる。

連邦選挙管理委員会の決定と執行
402 以下に掲げる事項に関して連邦選挙管理委員会の決定と執行は最終決定であり、確定したものとなる。
(ア)選挙に関する職務
(イ)選挙調査委員会の決定、命令に対して不服申し立てまたは修正すること
(ウ)政治政党に関する法律により執行した事項

403 連邦選挙管理委員会の議長と委員の職務、職権、権利は法律に規定する。