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新憲法の日本語訳(11)

2006年01月11日 | ミャンマー新憲法
連邦国政府の大臣と副大臣
連邦国政府の大臣の任命
232
(ア)大統領は以下の資格条件を満たす人物を連邦国政府の大臣として任命する。
(1)年齢が40歳以上の者
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)国家と国民に対して忠誠心のある者。
(イ)大統領は連邦国政府の大臣として任命するために、
(1)議会の代議員からであれ、議会の代議員ではない者であれ、(ア)項に掲げた資格条件を満たす適当な人物を選定すること。
(2)防衛省、内務省、国境担当省については、国軍最高司令官から適当な国軍に属する人物のリストを入手すること。
(3)防衛省、内務省、国境担当省の他の省庁にも国軍に属する人物を大臣に任命する希望があれば、国軍最高司令官と協議し執り行なうこと。
(ウ)大統領は自分が選定した人物のリストと国軍最高司令官から入手した国軍に属する人物のリストをまとめて、連邦議会に提出し承認を得ること。
(エ)連邦国の大臣として必要な資格条件を明らかに満たしていないと認められなければ、連邦議会に大統領が提出した人物を拒否する権限を与えない。
(オ)大統領が連邦国の大臣として任命した人物が連邦議会の承認を得られなかった場合、その人物の代わりに新しい名簿を再提出することができる。
(カ)大統領は連邦議会が承認した人物に対して、連邦国の大臣として任命する。そのように大統領が任命する際に、各大臣に担当する省庁を指定する。
(キ)大統領は大臣を任命する毎に、連邦議会に報告すること。
(ク)連邦国の大臣は大統領に対して責任を負う。
(ケ)連邦国の大臣が議会の代議員の場合は、連邦国の大臣となった日から議会の代議員を辞職したものとみなされる。
(コ)
(1)連邦国の大臣が公務員の場合は、連邦国の大臣となった日から現行の公務員制度に関する法律の規定に従い公務員を退職したとみなされる。
(2)防衛省、内務省、国境担当省の大臣として任命された国軍に属する者は、国軍から退職したり、辞職する必要はない。
(サ)連邦国の大臣が政治政党に属する者の場合は、連邦国の大臣となった日から任期が終了するまで政治政党の活動を中止すること。
連邦国の大臣に対して弾劾すること
233
(ア)連邦国の大臣に対して以下の事由により弾劾できる。
(1)国家から受ける恩恵や忠誠に背信した者。
(2)この憲法の定める規定に違反した者。
(3)相応しくない品格に欠けた行動をした者。
(4)この憲法に定める連邦国の大臣の資格条件に欠ける者。
(5)法律により与えられた職務を果たさない者。
(イ)連邦国の大臣をを弾劾したい場合は、大統領または副大統領の弾劾に関する第71条の規定に従って執り行なう。
(ウ)連邦国の大臣に対する弾劾内容が真実であり、弾劾される者が連邦国の大臣として引き続き職務を行なうことが不適当であると調査した議会が決定した場合、大統領は弾劾された連邦国の大臣を罷免する。
(エ)弾劾内容が真実ではないと調査した議会が決定した場合は、その決定を大統領に報告すること。
副大臣の任命
234 
(ア)大統領は連邦国の大臣を補佐するために、議会の代議員からであれ、代議員でない者であれ、以下に掲げる資格条件を満たす者を副大臣として任命できる。
(1)年齢が35歳以上の者
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)国家と国民に対して忠誠心のある者。
(イ)大統領が副大臣を任命するに際して、防衛省、内務省、国境担当省については、国軍最高司令官から適当な国軍に属する人物のリストを入手すること。
(ウ)大統領が防衛省、内務省、国境担当省の他の省庁にも国軍に属する人物を大臣に任命する希望があれば、国軍最高司令官と協議し執り行なうこと。
(エ)大統領が副大臣を任命するとき担当する省庁を指定すること。
(オ)副大臣は関係する連邦国の大臣に対してであれ、関係する大臣を通して大統領に責任を負う。
(カ)副大臣として任命された者は議会の代議員であれ、国家公務員であれ、国軍に属する者であれ、政治政党に属する者であれ、第232条の(ケ)(コ)(サ)項の規定に従う。
連邦国の大臣と副大臣の任期、辞職、罷免と空席になったポストの補充
235
(ア)連邦国の大臣と副大臣の任期は通常の場合、大統領の任期と同一である。
(イ)連邦国の大臣または副大臣が任期途中で何らかの理由により自分の意志により辞職する場合は、辞職願いを大統領に提出して辞職できる。
(ウ)大統領は、
(1)与えられた任務を遂行できない大臣または副大臣を辞職するように勧告できる。勧告に従わない場合は罷免できる。
(2)辞職するかまたは罷免される者が国軍に属する大臣または副大臣の場合、国軍最高司令官と協議し執り行なうこと。
(エ)辞職した場合であれ、罷免された場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由であれ、大臣または副大臣のポストが空席になった場合、大統領は憲法に含まれる大臣または副大臣の任命に関する規定に従って、新大臣または新副大臣を任命できる。そのように任命された大臣または副大臣の任期は大統領の残りの任期のみである。
(オ)
(1)大臣または副大臣を任命した大統領が任期の途中で辞職した場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由で大統領のポストが空席になった場合は、新大統領が新大臣、新副大臣を任命するまでの期間、大臣と副大臣の職務を継続して行なう。
(2)新たに任命された大臣と副大臣の任期は新大統領の残りの任期と同一である。
(カ)連邦国の大臣と副大臣の職務と職権と権利については法律により定める。
連邦政府法制局長と副局長
236 連邦国の法的弁護士を「連邦政府法制局長」と呼ぶ。
連邦政府法制局長の任命
237 
(ア)大統領は法律的な助言を得るため、また法律に関する職務を与えるために議会の 代議員からであれ、代議員ではない者からであれ、以下に掲げる資格条件を満たす者を連邦議会の同意を得て連邦政府法制局長として任命する。
(1)年齢が45歳以上であること。
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)
(アア)管区または州の裁判所で裁判官として5年以上の勤務経験がある者。
(イイ)管区または州レベル以上の裁判関係または法律関係の職務を10年以上の勤務経験のある者。
(ウウ)裁判所の弁護士として20年以上の勤務経験のある者。
(エエ)顕著で立派な功績のある法律専門家であると大統領が認めた者。
(イ)連邦政府法制局長になるための資格条件を明らかに満たしていないという十分な理由がなければ連邦議会は大統領が連邦政府法制局長として名簿に記載した者を拒否することはできない。
(ウ)大統領が連邦政府法制局長として指名した者が連邦議会で承認を得られない場合は、それに代わる者を名簿に記載して連邦議会に再提出することができる。
(エ)連邦政府法制局長は連邦政府の内閣の一員である。
(オ)連邦政府法制局長は大統領に対して責任を負う。 
(カ)連邦政府法制局長が議会の代議員の場合は、法制局長となった日から代議員の職を辞職したものとみなされる。
(キ)連邦政府法制局長が国家公務員の場合は、法制局長となった日から、現行の公務員制度に関する法律の規定に従い、国家公務員を退職したものとみなされる。
(ク)連邦政府法制局長が政治政党に属している場合は、法制局長となった日から、職務が終了するまでの期間中は政治政党の活動を行なってはならない。
連邦政府法制局長を弾劾すること
238 連邦政府法制局長を弾劾する場合は、連邦政府の大臣を弾劾することを定めた第233条の規定に従って行なうこと。
連邦政府法制副局長の任命
239
(ア)大統領は連邦政府法制局長を補佐するために議会の代議員の中からであれ、代議員ではない者からであれ、以下に掲げる条件を満たす人物を大統領の意向に従って副局長として任命することができる。
(1)年齢が45歳以上の者
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)
(アア)管区または州の裁判所で裁判官として5年以上の勤務経験がある者。
(イイ)管区または州レベル以上の裁判関係または法律関係の職務を10年以上の勤務経験のある者。
(ウウ)裁判所の弁護士として15年以上の勤務経験のある者。
(エエ)顕著で立派な功績のある法律専門家であると大統領が認めた者。
(5)国家や国民に対して忠誠心のある者。
(イ)法制副局長は法制局長に対してまた、法制局長を通して大統領に対して責任を負う。
(ウ)法制副局長が議会の代議員であれ、国家公務員であれ、政治政党員であれ、その場合は第237条の(カ)(キ)(ク)項の規定に従う。

連邦政府法制局長と副局長の任期、辞職、罷免、補充
240 
(ア)連邦政府法制局長と副局長の任期は通常の場合、大統領の任期と同一である。
(イ)連邦政府法制局長または副局長が何らかの理由により自分の意志で辞職したい場合は、辞職願いを大統領に提出し辞職することができる。
(ウ)大統領は与えられた職務を遂行できない連邦政府法制局長または法制副局長を辞職するように勧告することができる。勧告に従わない場合は罷免する。
(エ)辞職した場合であれ、罷免された場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由であれ、連邦政府法制局長と副局長のポストが空席になった場合、大統領は憲法に含まれる連邦政府法制局長と副局長の任命に関する規定に従って、連邦政府法制局長と副局長を任命できる。そのように任命された連邦政府法制局長と副局長の任期は大統領の残りの任期のみである。
(オ)
(1)連邦政府法制局長と副局長を任命した大統領が任期の途中で辞職した場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由で大統領のポストが空席になった場合は、新大統領が連邦政府法制局長と副局長を任命するまでの期間、連邦政府法制局長と副局長の職務を継続して行なう。
(2)新たに任命された連邦政府法制局長と副局長の任期は新大統領の残りの任期と同一である。
(カ)連邦政府法制局長と副局長の職務と職権と権利については法律により定める。

連邦政府会計監査局長と副局長
241 連邦政府の会計を監査する長を「連邦政府会計監査局長」と称する。
連邦政府会計監査局長の任命
242
(ア)大統領は国家の歳入、歳出を監査し、連邦議会に提出するために議会の代議員からであれ、代議員ではない者からであれ、以下の資格条件を満たす人物を連邦議会の承認を得て連邦政府会計監査局長として任命できる。 
(1)年齢が45歳以上の者。
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)
(アア)管区または州レベル以上の会計監査担当の公務員として10年以上の勤務経験があること。
(イイ)登録を受けた会計監査員または免許を得た民間の会計監査員として20年以上の職務経験があること。
(ウウ)顕著で立派な功績のある会計専門家または経済学者であると大統領が認めた者。
(5)国家と国民に対して忠誠心がある者。
(イ)連邦政府会計監査局長になるための資格条件を明らかに満たしていないという十分な理由がなければ連邦議会は大統領が連邦政府会計監査局長として名簿に記載した者を拒否することはできない。
(ウ)大統領が連邦政府会計監査局長として指名した者が連邦議会で承認を得られない場合は、それに代わる者を名簿に記載して連邦議会に再提出することができる。
(エ)連邦政府法制局長は大統領に対して責任を負う。 
(オ)連邦政府法制局長が議会の代議員の場合は、連邦政府会計監査局長となった日から代議員の職を辞職したものとみなされる。
(カ)連邦政府会計監査局長が国家公務員の場合は、連邦政府会計監査局長となった日から、現行の公務員制度に関する法律の規定に従い、国家公務員を退職したものとみなされる。
(キ)連邦政府会計監査局長が政治政党に属している場合は、連邦政府会計監査局長となった日から、職務が終了するまでの期間中は政治政党の活動を行なってはならない。
連邦政府会計監査局長を弾劾すること
243 連邦政府法制局長を弾劾する場合は、連邦政府の大臣を弾劾することを定めた第233条の規定に従って行なうこと。
連邦政府会計監査副局長の任命
244
(ア)大統領は連邦政府会計監査局長を補佐するために議会の代議員の中からであれ、代議員ではない者からであれ、以下に掲げる条件を満たす人物を大統領の意向に従って連邦政府会計監査副局長として任命することができる。
(1)年齢が40歳以上の者。
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件   を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)
(アア)管区または州レベル以上の会計監査担当の公務員として10年以上の勤務経験があること。
(イイ)登録を受けた会計監査員または免許を得た民間の会計監査員として15年以上の職務経験があること。
(ウウ)顕著で立派な功績のある会計専門家または経済学者であると大統領が認めた者。
(5)国家と国民に対して忠誠心がある者。
(イ)連邦政府会計監査副局長は連邦政府会計監査局長に対してまた、連邦政府会計監査局長を通して大統領に対して責任を負う。
(ウ)連邦政府会計監査副局長が議会の代議員であれ、国家公務員であれ、政治政党員であれ、その場合は第242条の(オ)(カ)(キ)項の規定に従う。
連邦政府会計監査局長と副局長の任期、辞職、罷免、補充
245 
(ア)連邦政府会計監査局長と副局長の任期は通常の場合、大統領の任期と同一である。
(イ)連邦政府会計監査局長または副局長が何らかの理由により自分の意志で辞職したい場合は、辞職願いを大統領に提出し辞職することができる。
(ウ)大統領は与えられた職務を遂行できない連邦政府会計監査局長または副局長を辞職するように勧告することができる。勧告に従わない場合は罷免する。
(エ)辞職した場合であれ、罷免された場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由であれ、連邦政府会計監査局長と副局長のポストが空席になった場合、大統領は憲法に含まれる連邦政府会計監査局長と副局長の任命に関する規定に従って、連邦政府会計監査局長と副局長を任命できる。そのように任命された連邦政府会計監査局長と副局長の任期は大統領の残りの任期のみである。
(オ)
(1)連邦政府会計監査局長と副局長を任命した大統領が任期の途中で辞職した場合であれ、死亡した場合であれ、その他の理由で大統領のポストが空席になった場合は、新大統領が連邦政府会計監査局長と副局長を任命するまでの期間、連邦政府会計監査局長と副局長の職務を継続して行なう。
(2)新たに任命された連邦政府会計監査局長と副局長の任期は新大統領の残りの任期と同一である。
(カ)連邦政府会計監査局長と副局長の職務と職権と権利については法律により定める。

連邦政府人事局長
246
(ア)大統領は国家公務員の選定、国家公務員の教育、国家公務員の規則の制定などの職務を行なうために連邦政府人事局を設置する。
(イ)大統領は以下の資格条件を満たす人物を人事局長と委員として任命できる。
(1)年齢が50歳以上の者。
(2)年齢制限の他の条件は第120条に掲げた国民議会の代議員になるための資格条件を満たすこと。
(3)第121条に掲げた国民議会の代議員として選挙される権利を持たない者の規定にも抵触しないこと。
(4)職務経験が豊富な学識経験者。
(5)国家と国民に対して忠誠心のある者。
(6)政治政党に属していない者。
(7)議会の代議員ではない者。
(ウ)連邦政府人事局長が国家公務員の場合は、連邦政府人事局長となった日から、現行の公務員制度に関する法律の規定に従い、国家公務員を退職したものとみなされる。
(エ)連邦政府人事局長は大統領に対して、委員は連邦政府人事局長と連邦政府人事局長を通して大統領に対して責任を負う。
(オ)連邦政府人事局長と委員の任期は通常、大統領の任期と同一である。
(カ)連邦政府人事局の設置、局長と委員の職務、職権、権利、辞職、罷免などは法律に定める。
管区政府または州政府
247
(ア)管区または州の行政権の長を管区または州の知事と呼ぶ。
(イ)管区または州の行政府の委員を管区大臣または州大臣と呼ぶ。
管区政府または州政府の構成
248
(ア)管区においては管区政府、州においては州政府を置く。
(イ)管区政府または州政府は以下の人物により構成する。
(1)管区または州の知事。
(2)管区または州の大臣。
(3)管区または州の法制局長。
(ウ)大統領は関係する管区または州の議会の承認を得て、
(1)管区または州政府の省庁を必要に応じて設定できる。また、設定した省庁を変更、補充できる。
(2)管区または州政府の大臣の人数を必要に応じて設定できる。また、設定した人数を増減できる。