武富士の元専務の巨額還付事件が取り沙汰されていますねぇ。
99年当時は海外居住者への海外財産の贈与は非課税扱いで、訴訟では元専務の「住所」が国内か香港かが争点だったんですが、予想通り、納税者の勝ちで終わりました。
2000年にニューヨークのKPMG(でっかい監査法人です)へ行ったときに、当時の事務所のボスが、言っていたのを思い出しました。
「もうすぐ網がかかるなら財産を移す(贈与する)なら今のうちです」
言葉の通り、もうすぐダメになる。つまり「今なら大丈夫」ということです。
KPMGの偉い方も「米国では、税負担の回避は納税者の権利として徹底的にやります。」と言っておられました。
◆◆
後出しで法律決めて、遡って適用というのは、予測可能性を損なうものなので、許されませんので、今回のことは実務の現場から言えば妥当な話です。
問題は「法の整備不足」であって、それを棚にあげて、「面白くない」という理由で課税してはいけないのでは?とか思ってしまいます。引っ張った分だけ還付加算金もハンパじゃないですね。
寄付しろだとか、みんな好き勝手言ってますけど、大きなお世話ですよねえ。
裁判官も言っていた「不公平感」はぬぐえないと思います。
でも、悪法といえど法なのです。
(だから個人的感情としては面白くないけど裁判所はシロにしたのです。)
いまも現在進行形で。政治をせずに政権争いをしている方々が、官僚まかせにして
作った法に不備があったということの方が私はやりきれない思いがあります。
◆◆
現在は贈与する方、される方ともに外国に住んでいないとダメになっています。
で、現実はというと
シンガポールとかにお金持ちがどんどん流出しているそうです。
日本に「未来」を見出せないので、自分が出て行く人が多いそうです。
結果として
形式が整うので、日本人間の贈与といえども、日本の法で課税できないことになります。
問題なのは、
「日本という国」「国家」「地域」「社会」にお世話になった。だから、恩がえしをしたい。その基盤を支えるために、納税もややこしいことをしないで普通にしよう。そう思える状態になっていないことです。政治がそのように導いていないことです。
みんな社会にぶら下がることしか考えていなくて、自分が社会に何をできるか考えていないということです。
「国家」「地域」「社会」を大切にする教育をしていないことです。
一部の心ある人、企業がその不備を支えているので辛うじて希望を失わずにすんでいます。
「日本でいちばん大切にしたい会社」
とかがそうです。
だから大切にしないといけないのです。
その会社を大切にすることも大切ですが、
「その会社が大切にしていること」を大切にすることがもっと大切です。
◆◆ 話が迷走しましたが。
来月はそんな大切にしないといけない方々にお会いできるチャンスに恵まれました。後ろ髪ひかれることなく、どっぷりとつかりたいので、確定申告ほかの仕事をその前に片づけたいと思います。