某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「幸せっていうのは…」- 冨田 勲

2006年10月19日 | ♪スペシャル


幸せっていうのは… 」- 冨田 勲
映画『学校』(シリーズ第一作)サウンド・トラックより-1993年

あの山田洋次監督が自分の映画を見て、
思わず泣きそうになったほどの音楽です・・・

(下の、CDの帯をご覧あれ!)

<日本映画の涙のレベルがどんどん低くなっている(と思う)
最近、泣かせようとする日本映画が多すぎる気がする・・・
それもわかりやすい(お安い)感動の直球レベル。
(敢えてどれとは言わないけどね(^^;)
製作サイドの、観客への安易な媚び姿勢が情けないと思う。
でもそれは、最近、安易に泣きたい観客が多からだとも思う。
わかりやすい設定しか受け入れられない観客も問題なんだと思うなぁ。
深い涙を流すに値する映画は意外なほど少ない。

でもこれは、正確に言えば、最近製作される映画の数が増えた反動かな?そのネガティブな側面なのかもしれない。素晴らしい作品、洒落た映画もそこそこ出てきているからね(^^)。ただこの「お安さ」は最近の音楽の状況に通ずる気がする。最近のJ-POPで言う「等身大」という安易な言葉のような、仲間内レベルで終結してしまうタイプの音楽の蔓延。それは決して外へ広がることはない、少人数のグループだけ感動しあう感じ・・・。また、敢えて何かを突き詰めようともしないし、誰もが心を閉ざしたまま表面だけ舐めあっている感じかな~?

今のJ-POPって、
自分の身の回りで起きた、
ここ3日位の、
半径3メートルの事ばかり
歌っているような曲が多い気がするなぁ・・
社会との繋がりを全く感じない
いや、そもそも社会への関心が希薄なんだ、きっと

別に小難しい音楽や映画、文学とかで感動しなさいと言うわけじゃないし、それが正しいとは言わない。でも、音楽でも映画でも小説でも、安易に客の涙を要求するものは、食べ物で言えばジャンクフードである。いくら食べても栄養にならない・・・ばかりか、そのうち体が麻痺してしまう。味蕾(味の感覚器官)が麻痺するのだ。本物の素晴らしさを知る喜びは知って人間いて損はない。いや、人生に深い彩りを添える事になる。

お安いお涙はすぐ乾く。それは心の渇きと繋がっている。
反対に、深い感動は永遠に心を潤し続けるのだ。

本題:
これは、本物の涙に値する映画であり音楽だ。

抗う事が出来ない「運命」の中で懸命に生きている全ての人の人生。それらに対する慈悲?のような眼差しに溢れています。でもの眼差しは決して上から見ている訳ではなく、またお安い同情でもありません。人が生まれ、生きている事、そしてそれぞれの人生を終えて行くこと。その悲哀を見事に捉えていると思います。また、客ありきの映画でありながら、必要以上に観客に媚びることない視点はこの監督ならではでしょう。だからこそ、ごく自然に涙が溢れてくるのだと思います。これを見た後では、映画の裏で電卓を叩いている姿が透けて見えるような、最近のお安い映画は見ないでおこうと思う。

映画『学校』(シリーズ第一作)1993年作品

【スタッフ】
脚本: 山田洋次/朝間義隆
撮影: 高羽哲夫/長沼六男
音楽: 冨田 勲

監督: 山田洋次
●松竹株式会社 百周年記念映画
日本アカデミー賞 6部門受賞
◆最優秀作品賞 ◆最優秀脚本賞 ◆最優秀主演男優賞(西田敏行)
◆最優秀助演男優賞(田中邦衛) ◆新人賞(萩原聖人/裕木奈江)◆最優秀監督賞

【キャスト】
西田敏行/竹下景子/萩原聖人/中江有里/裕木奈江/渥美清/田中邦衛

【ストーリー】下町の一角にある夜間中学の教師・黒井は、卒業式も近づいたある日、卒業記念文集のための作文の授業を行う。原稿用紙にそれぞれの思いを綴る様々な職業、年齢の生徒たちの横顔を見ながら、黒井は彼らとの思い出を振り返る。孫もいる年になって入学してきた在日韓国人の女性・オモニ。髪の毛を染めたツッパリ少女・みどり。昼間は肉体労働に励む少年・カズ。父は中国人、母は日本人で五年前に中国から移住してきた青年・張。自閉症で登校拒否児だったえり子……。やがて給食の時間に、クラスの一員・イノさんが死んだという悲しい知らせが届く。突然の訃報に悲しむ黒井と生徒たちは、食後のホームルームの時間、イノさんの思い出を語り始める。不幸な生い立ちとその後の苦労、田島先生への恋心。そして突然病に倒れ、故郷の山形へ帰ったきり帰らぬ人となったこと。イノさんの人生を語り合ううち、いつしか黒井と生徒たちは人間の幸福について話し合うようになっていった。生徒と先生が汗を流して語り合う、これこそ授業だと確信する黒井先生に応えるかのように、えり子が、自分も夜間学校の先生になる、そしてこの場所に戻ってくる、と決意を語る。外はいつしか雪になっていた。



※後の作品では、さだまさしさん中島みゆきさんも出演しました(^^)!

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