「チャンチキおけさ」-三波春夫
作詞:門井八郎 作曲/編曲:長津義司
1957年
「 逝(ゆ)く空に 桜の花が あれば佳(よ)し 」
-北桃子(ほくとうし)-
北桃子(ほくとうし)の俳号を持つ三波春夫さんが、
この辞世句を残して逝かれたのは平成13年4月14日でした・・・
三波春夫さんを取り上げるのは何も奇を衒(てら)っているわけではありません。この「チャンチキおけさ」が本当に大好きなんです。さすがに同世代の仲間とか若い世代にはなかなか理解してもらえないのであまり公言していませんが(^^;、でもいつも持ち歩いているHD Walkmanのブックマークにちゃんと入っています。
♪ 月が侘びしい 路地裏の
屋台の酒の ほろ苦さ
知らぬ同士が 小皿叩いて
チャンチキおけさ
おけさ せつなや やるせなや ♪
物心ついた頃から日常的にTVの中にいて、毎年の紅白歌合戦でも歌ってくれていたこの曲または三波春夫さん、いつのまにかこの曲の歌詞が頭に入っていました。でもね、不思議なんですよ。ここ最近この曲をなにげに耳にすると、その歌詞の切なさや情景に思わず涙してしまうんです・・・。なんだか昔の日本人の輪に入っている感じになります。
近年紅白が面白くない・・・と、しばしば話題になります。もちろんいろんな要素があるでしょうけど、その一つはこの三波春夫さんの不在が大きいと思うようになりました。喪失感。この人の存在感は圧倒的でした。歌自体は浪曲ベースでしたし一世代以上も前のパターンものかもしれませんが、そんな事は別にしてこの方の存在は本当に大きかった!まるで日本人全体のお父さん、それも生き方のお手本のような明るいオーラに満ちていたように記憶しています。だから、世代による歌の好き嫌いはあったにせよ、それを超越した、みんなを包み込み暖かさや明るさを感じていました。
そして大晦日にこの明るい歌声を聞く事によって(それも家族みんなで)、翌年の希望につなげてこれたと言っても大げさではないように思います。でも今はそこまでの存在感を持った歌手は見当たりませんねぇ・・・。それはここまで生き方のピンとした背筋まで感じられる人が、今の歌手にはいないからだと思います。
”お客様は神様です”
ところでこの方のこの名言、時にはお笑いのネタにされたりしていますが、でも誰もその真意を真剣に考えた事がないのではないでしょうか?いや単に”お金を払ってくれるからありがたい”という意味にとっている方が大半かと思います。
違います!
これの真意は、「飽くなき藝毎の追求」にあるのです。
「舞台に立つとき、敬虔な心で神に手を合わせた時と同様に
心を昇華しなければ真実の藝はできない」
という事なんだそうです。
だからこの言葉からお金を事を連想する事自体この方に大変失礼なことなのです。また一方で、俺達は”神様”なんだから、金を払っているんだからファンは何を言っても良い、という風潮があるならそれは大きな間違いではないでしょうか・・・?
ともかくその辺の、芸もないのに「お笑い芸人」と称する人達にこの言葉を少しでも煎じて飲んで頂きたいもんですね(笑)。
貧しい過酷な幼少時代、シベリア抑留時代(戦友が敵に撃たれた血しぶきを浴びたこともあるそうです・・・)を経て、だからこそ日本を明るくする事を念頭においてずっと歌を歌って来られた三波春夫さん、そんなこの方の人生を思うとき、人の生き方の指針が見えるような気がします。私は三波春夫さんを心から尊敬致します
ps.この曲再録音バージョンもありますがはやり最初の録音が一番良いように思います。またもちろん全員一斉の同時録音時代、失敗したらラッカー盤まで無駄になる時代の緊張感を持った昔の録音には、真剣勝負の素晴らしさを感じます。何度もやり直しがきく今の同時録音とは全く意味合いが違います。
※一部「「NHK 知るを楽しむ 私のこだわり人物伝三波春夫~森村誠一」を参考にさせて頂きました。現在発売中です683円。
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