早稲田大学ウリ稲門会

在日コリアンOB・OGのためのオフィシャルブログ

定期総会 金君夫会長挨拶

2015-12-08 23:58:41 | 私の意見・交流・日常

本日の総会にお集まり頂きましたご来賓並びにウリ稲門会会員の皆様、アンニョンハシムニカ?諸先輩、学兄の皆様には平素よりウリ稲門会活動に心温まるご支援、ご協力を賜りまして深く感謝申し上げます。

 

私が伝統あるウリ稲門会の会長という大役をお引き受けして早いもので2年が経過しました。本日の定期総会を迎えるにあたり、2年前、身が引き締まる思いで就任挨拶をさせて頂きましたのを昨今のように思いだしました。皆様よくご存じのとおり私は凡庸な男ですから、大した約束事はしませんでしたが、色々なことはさて置き就任時の挨拶の中で一つだけ強調させて頂いたことがあります。「私たちは早稲田に学んだ在日」という共有、即ち立ち位置、視点でこの会の運営にあたるということでした。この点に関しましては、執行部及び会員の皆様のご支援、ご協力を頂きまして、ブレなく会の運営に当たれたと自負しております。

 

この2年間の活動に関しましては、例年通り新年会・納涼会などの恒例行事で会員の親睦、交流を促進したのは言うまでもないことですが、私が本日この場で報告させて頂きたいのは、先ず、昨年9月6日の臨時総会で決議されました「ウリ稲門会奨学事業募金」が成功裏に終了し、愈々この新年度より募集開始、書類選考後の7月に候補者の面接を実施し、2015年度に限っては各学年3名、新入生を含め計12名の在校生に各40万円の無償の奨学金が授与される運びとなったことです。集まりました寄付の総額は1306万円と予定を大きく上回りました。今年度は特別に12名に供与しますが、来年度からは一年度に2名ずつ、計10年間を区切りとしております。今年、この奨学金を授与される新入生を含む在校生は、秋に予定しておりますウリ稲門会の納涼会に参加して頂き、奨学証授与式を執り行うこととなっております。今後の新会員増強、フレッシュパワー注入という意味に於いても非常に楽しみです。

 

このウリ稲門会奨学事業の成功は会員皆様の協力の賜物です。順不同になりますが、何はともあれ、この事業は浄財なしには成立ちませんでした。金額の多寡は別として、寄付をお寄せ下さった諸先輩、諸学兄に心よりお礼申しあげます。次に、この事業に心から賛同し、熱い支援、惜しみない協力をしてくださった母校及び母校校友会の関係者の皆様に深謝申し上げます。最後に、この事業の実現に向け、会長である私を支え、多忙な中、数限りない会合に集まり、議論し、入念な計画を練り、交渉し、実を結ばせた執行部の皆さんに賞賛と敬意、感謝の気持ちを、この場を借りて改めて伝えたいと思います。

 

余談ですが、ある執行部の一人は、自分の会社での仕事よりウリ稲門会仕事量の方が多いのではないかと、愚痴にもならないことをこぼしていました。会費もしっかり徴収しましたので、今日は、総会後の懇親会で、手酌でしっかり飲んで自らを慰労してください。

 

その他、特記すべき活動としましては、早稲田の永遠のライバル慶応と「ウリ稲門会 VS

コリア三田会親善ゴルフ」と称し初の早慶戦を実施したことです。今後のこともありますので花を持たすというか勝を譲った結果となっております。このことに関しては後の質疑応答で会長の責任を問うことはないよう事前に断っておきます。

 

以上、かいつまんで活動の主なものに触れましたが、同窓会の集まりとは云え、ウリ稲門会にはまだまだ課題があります。一つは、韓国や日本の社会同様、同窓会組織の高齢化に伴って組織が逆ピラミッド型、もしくは、世代層によってはかなりいびつな形になってきているということです。皆様のお蔭で。奨学金の授与も始まりますので少しずつ是正の策を講じて行ければと考えております。二つ目は、組織財政の脆弱性です。同窓会は会費制にて賄っておりますが、年々集まる会費が漸減しており、この対策も講じて行かなければなりません。

更には、全国にいる会員の皆様に同窓会の情報提供をより効率的に伝えていくにはどうすべきか、どのような方法で行うのか等々も課題の一つです。こういった課題は次の執行部で順次解決に向け取り組んで頂けたらと考えます。

 

挨拶が少し長くなってきたようです。最後に、当然ことですが、同窓会は会員の皆様の温かい支援、協力、自主的な参加なくしては成り立ちませんが、とりわけ、会の運営にあたり長年事務所として拠点を提供してくださった沈顧問、そして新しく事務所の使用を快諾してくれました李宇海学兄に会を代表してお礼申し上げます。

 

心のふるさと われらが母校

集まり散じて人は変われど

仰ぐは同じき理想の光

 

この校歌の意味するものに加え、我が同窓会は、在日として学び青春時代を過ごしてきたという貴重な経験を共有している会員による集まりです。この伝統あるウリ稲門会の会長を諸先輩、諸学兄皆様のご協力を持ちまして任期を全うできましたことを深謝し私の挨拶とさせていただきます。カムサハムニダ。


亡き先輩を偲ぶ

2015-12-08 23:52:31 | 私の意見・交流・日常

安王錫顧問

 

1941年7月8日 生まれ

1961年教育学部入学

2015年10月23日 ご逝去(享年74歳)

 

「内臓を10キロ切ったよ」6年前に膵臓がんで大手術を受けた後の安顧問から聴いた言葉です。その後、経過は順調で、5年の間に再発もなく、担当医からは「完治おめでとうございます」と伝えられていたにもかかわらず、今年の6月、突然、末期の肺がんを宣告されたそうです。「定期検診を受けていながら、何故、もっとはやく発見できなかったのか」、ご遺族の無念は測り知れませんが、ご本人は、担当医に「ご苦労様でした。有り難うございます」と返答したそうです。泣いたのは、それを聞いた担当医の方でした。本人の希望に則り、10月25日にご家族で密葬をされていたところ、多数の弔問客がいらっしゃったため、急遽26日に告別式となりました。突然、かつ時間不足で、訃報がいきわたりませんでした。ご容赦下さい。

 

在学中は韓文研に所属。後輩からの人望も厚く、1964年度幹事長に就任。「自分には厳しく、他人にはやさしい、確固たる人生観を貫いた稀有な存在だった。強い人だった。」(金博夫談)卒業後は、新宿三丁目の実家のキムチ屋を手伝い、その後、コマ劇場近くの地下で欧米風の飲食店を開業。これが、大繁盛し、実業家としての道を進むこととなる。当時、韓文研の後輩が資金援助をお願いに行くと、いつも多額のカンパを下さり、後輩の面倒見はとても良かった。「ただ、ただ、感謝したい。実社会で活躍している姿は、その後に続く後輩達に、大いに自信を与えた」(呉世一談)

 

当会では2007年に会長に就任。韓文研幹事長出身者が会長になられたと聞き、何かお手伝いできないかと、すぐに後輩有志5名が自主的に集まった。後輩に仕事を押し付けることもなく、気配りを忘れず、育成し、これがその後の幹事団となり、現在も「実務集団」として継続してきている。当時から在校生のための、「奨学基金」構想が持ち上がっていたが、何かと困難を伴い、その後に金君夫現会長によって、実現することになる。本国の「韓国校友会」との交流、在学中の留学生との交流もこの時期に始まり、現在も続いている。「北にも校友会があれば交流したいのだが、無いからね・・・」(本人談)と、ポツリとおっしゃっていた。

 

慈善事業にも熱心で、東京・王仁(ワニ)ライオンズクラブの会長を歴任。1990年代には、北の「食糧不足問題」に心を痛め、人道的立場から「北朝鮮の子供達に愛の手を」活動を推進、大量の小麦、バナナ、卵等を輸送し、「確実に子供達の手に届くのを確認するため」(本人談)自ら北朝鮮に渡った。

ジェントルマンを絵に描いたような方でありました。今は、ただ、ただ、先輩のご冥福を祈るのみです。

 

 

沈廣燮顧問

 

1935年1月20日生まれ

1958年商学部入学

2015年11月4日 ご逝去(享年80歳)

 

今年の5月、肺がんで余命6ヶ月の宣告を受ける。亡くなる1ヶ月まで、会員の誰も病状に気付かず、10月頃から、だいぶお疲れのようだということで、亡くなる数日前に、「お疲れのようだと聞きましたが、体調はいかがですか」と電話したところ、「大丈夫だ。12月の忘年会は参加するから場所と時間を教えてくれ」と、しっかりした口調でおっしゃってました。自宅療養で、特に抗がん剤等も特に使われませんでした。「担当医は6ヶ月と言っていたけど、なんとか、このまま元気でいて欲しい」という家族の願いも虚しく、息子さんには担当医から、「来年、元気に生活しているということはない」と、伝えられていたそうです。当会のイベントには必ず参加されていたのに、9月の納涼会は欠席され、今にしてみれば、その頃から体調が優れなかったのかもしれません。元気なうちにと思われたのか、7月には、ご家族、お孫様たちと旅行を楽しまれていたとのことで、それが、ひとつの救いに思われます。葬儀当日は広めの会場が満席、入りきれない弔問客で会場の3Fロビーも満杯、1Fの受付ロビーまで人の波となっていました。「会場がなかなか見つからず、皆様が入り切れず申し訳ありませんでした。」(奥様談)とのことです。

 

昔から、焼肉明月館は在日なら知らない人のいない程、有名でした。「沈顧問」というより、「明月館の松井さん」で通ってました。専務の息子さん、支配人の平林さんがしっかりしていらっしゃり、これからも明月館の発展を祈念しております。当会の事務所も昨年の夏まで、明月館のある明広ビル4Fに置かれていました。長年、同窓会の事務所を提供して頂き、改めて深謝致す次第です。新事務所は監査役の李宇海弁護士が快く引き受けてくれました。「歴史的役割は弊所にて継承致します。光栄です」(李宇海談)昨年末には感謝を込めて、色紙2枚に皆で寄せ書きをし、額縁に入れて、お渡ししました。金君夫会長の強い意向でした。「これはウチの家宝にしないといけないな~」(本人談)と嬉しそうに受け取って頂きました。「同窓会だけに留まらず、民族社会に多大な貢献をされた。今は、とにかく寂しい。30年前には家族ぐるみでハワイに行ったことが懐かしい。楽しかった。明月館は心のふるさと、シルクロードのオアシスの様なものだった」(文一陳談)

 

周囲の信望も厚く、常に、献身的な方でした。東京・王仁(ワニ)ライオンズクラブの会長を二回歴任。当会では2003年から4年間に亘り、会長を務めていらっしゃいました。「主人はウリ稲門会やライオンズの会合があるときは、いつも、嬉しそうに出かけてましたよ」(奥様談)

 

波乱の人生であったとご推察いたしますが、今は、安らかに、天上から我々をお見守り下さい。 合掌。

 

今年は、まさかと思う時期に立て続けに、顧問2名が去っていかれました。ここでは、「会長・顧問歴任者」のみの掲載となりましたが、「春秋会」の有力メンバーであった、金漢相学兄(5月26日ご逝去)を含め、掲載し切れなかった先達の方々の恩恵を忘れることなく、今後も、当会の親睦の輪を広げていきたいと思います。亡くなられた先達方に改めて敬意を表し、ご冥福を祈る次第であります。(文責 河:文中敬称略)


年会費の納入はお済みでしょうか

2015-12-08 23:49:12 | 私の意見・交流・日常

 当会は皆様の年会費、賛助金、ボランティアでなりたっています。
 

 

 金融機関のATMからも送金できます。


 


銀行名      ゆうちょ銀行


支店名     

〇一九(ゼロイチキュウ)

預金種目     当座預金


口座番号     0037085


口座名義     ワセダダイガクウリトオモンカイ

 

           (当会が認識できるお名前でお願いします)


2015年度総会開催・ウリ稲門会奨学金制度出帆

2015-12-08 22:59:09 | 総会のご報告

桜の開花を待つ2015年3月28日、母校に隣接するリーガロイヤルホテル東京で早稲田大学ウリ稲門会総会が開催されました。

最大の議案は、ウリ稲門会奨学金制度の出帆について。

一昨年、2013年納涼会の席上で金君夫会長が提案して以来、幹事会・拡大幹事会で数々の議論を重ね、現役在校生へのアンケート活動に取り組み、大学当局との幾多の折衝を積みました。そして2014年9月6日開催の納涼会に先立って設けられた臨時総会を経て、奨学金事業の立ち上げと10月より奨学事業募金の募集を開始することが決定されます。いざ募集を開始すると、募集の目標額は2週間で達成され、母校の当会奨学金募集口座には結果的に1306万円もの篤志が注ぎ込まれました。

今総会では、かかる経緯を踏まえ、今年4月より奨学金制度を立ち上げること、募集初年であることから今年のみ全学年から12名を選抜すること、恒例の納涼会で選抜された在校生に奨学生授与式を執り行うことを満場一致で決定しました。

また、この奨学金制度が当会発展の礎になるため、「事業」から「制度」へのスムーズな移行を鑑み、金君夫会長が新会長に再選されました。

総会終了後、母校から当会と縁も深い花尾能成理事、そして慶應義塾大学の同窓会であるコリア三田会から玄東實会長、母校で教鞭をとる李先生を来賓に迎えて懇親会に移ります。アンケート活動を通して接点を持った在日の在校生も多数出席し、招待した現役奨学生と相まって若く華やかな会となりました。そしてエール交換に招いた母校現役応援団がさらなる華を添え、なおかつコリア三田会の玄東實会長がいらっしゃると知るや「礼節あるご挨拶」を繰り返し、昨秋のゴルフ早慶戦(当会とコリア三田会で共同開催したゴルフコンペ)で喫した敗北の溜飲を下げてまでくれました。楽しい時間が過ぎるのは早く、名残を惜しみつつ参加者全員が笑みに包まれて宴は一旦閉じました。一旦と申したのは、ほとんどの方が同ホテルのバーに場を変えた2次会に参加したからです。期待が膨らむ早春の夜となりました。