早稲田大学ウリ稲門会

在日コリアンOB・OGのためのオフィシャルブログ

第30回秋のゴルフコンペのお知らせ

2010-09-25 12:03:03 | 各支部・分科会の近況

朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました。皆さまにおかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
それにしても昨今34℃の翌日が17℃などという異常なボラティリティーの高さですから、体調管理には十分に気をつけていただきたいところです。
さて、第30回目のウリ稲門会秋のゴルフコンペの日程が決まりましたので、謹んでお知らせ申し上げます。

2010年11月19日(金曜日)
茨城ゴルフ倶楽部(茨城県つくばみらい市)
http://www.ibarakigc.jp/

コースは前回に引き続いての茨城ゴルフ倶楽部。詳細は追ってハガキ等でお知らせ申し上げますが、是非ともこの日はこのコンペのために空けておいてくださるようお願い致します。
ハガキ不達であるなどの手違いがある場合その他お問合せ等は朱茂・徐富男までお申し付けください。


2010年度ウリ稲門会納涼会レポート

2010-09-13 00:15:49 | 各会員の近況・会の活動日誌

去る9月4日土曜夕刻、我等がウリ稲門会会員ら40余名は、日本で観測が始まって113年の中で一番暑い夏という猛暑の中、涼しさを味わいに溜池山王「永楽倶楽部」に集いました。

“涼しさ”でいえば旧友との久しぶりの熱い歓談、講師としてお招きした東海大学准教授 金慶珠(キム・キョンジュ)先生の熱弁を拝聴するなどしたので、実はまるで涼しくなどなかったともいえるのですが、そこは「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」のと同様(?)、「涼を温(たず)ねて温かさを知る」とでもいうべき納涼会となりました。いや、それともこれは真夏のおでん、真冬のアイスクリームが意外に美味しいのと同じレベルだったのでしょうか(尤も、ボクも含めて高齢者の学兄におかれましては猛暑日のクーラー無稼動は危険なので絶対にやめてください、笑)。

会の式次第は李宇海幹事長による司会のもと、開会の辞、当会の文一陳会長のご挨拶に続き、ご来賓の早稲田大学総務課長・関口八州男氏からご挨拶を賜りました。今年は大学創立ならぬ、校友会の創設125周年記念の年にあたること、今後とも稲門会の更なる発展のために大学当局も尽力してゆくこと等をご表明になっていらっしゃいました。
その後の乾杯の音頭、「しばしご歓談」、ラッキーカード、学兄・現役挨拶等々、式次第としてはほぼ例年通りでしたが、今年は久しぶりにアカデミックなご高話を拝聴することができました。今回のメインイベント金慶珠氏の実にタイムリーな講演『政治におけるリーダーシップ』がそれです。

先に先生の「熱弁」と記しましたがこれはやや言葉の綾であって、お話の内容は学究の徒に相応しく分析的で、冷たく乾いた検証を積み重ねておられました。
学者らしくまずは定義から;政治におけるリーダーシップとは「他者をコントロールすることで目標を達成していくこと」。人物像の類型化;旧来の「人徳重視型」と新しい「カリスマ型」があるらしく、前者型は森内閣の倒閣運動「加藤の乱」でぼほ終わり小泉登場で明確にカリスマ型でシフトした、ということ。時代背景との関係;リーダーは時代・社会状況の産物である、社会安定時には民主型リーダーが選ばれ(人徳型)、社会不安定時には専制型リーダー(カリスマ型)が選ばれるという傾向がある。従って時局としては今回の民主党代表選では小沢一郎が選ばれてもおかしくないのに、世論調査での小沢氏は不人気。これはどうしたことか、と続くのでした。

この点思うに、陰謀論が好きな人風にいうと小沢は「反官僚志向なので親官僚のマスコミにいじめられている(第2、第3の権力を敵に回している)」、素朴に考えると「選挙民はもはや裁量・密室政治にアレルギーを持っている」というのが概ねの相場でしょうか。話者のご見解はこの後者のほうを理由として指摘なさっていました。(“政治と金”は“人生と酒”程度の話である、「金権政治」と呼ばれないのは贈収賄的な要素までは決して嗅ぎ取れないからだ、という趣旨の言説もありました。)。但し、年がら年中首相が変わる状況にも飽きたという要素も大きいと思います。

言われてみると一々御もっともと思います。しかし定義を聞いただけで“政治は気持ち悪い、他者からコントロールなどされたくないな~”などと腰が引けてしまうところがあります。官僚主導もやめてほしいけど、政治主導(政治家の裁量による運営)も御免だ、と思います。病気は気から、景気も気から、政治もカリスマによるマインドコントロールから、何でもかんでもマインドだとしたらすべては主観の問題。しかし目を瞑っても世界は消えないし、老化もデフレも失業も自然災害も回避できない。
尤も、みんなでシュプレヒコ~~~ル!と叫ぶと(これ自体は参加者のマインド高揚だけでなく)場合によっては新聞のベタ記事に載ること以上に客観変化することがあります。

お話を拝聴していて、従業員の報酬をどう設定するべきかに関するミクロ経済学に「エージェンシー問題」というのがあったのを思い出しました。受任者は委任者のために仕事をするために選ばれているのに、ややもすると受任者は自分自身のために行動する(スラックが起きる)ということに着眼してのインセンティブ決定・監視のモデル。この問題自体は法や政治学の世界では大昔から指摘されてきたと記憶しています(代理法や半代表等)。委任者と受任者との間には専門性について知識・情報が対等でない(だからこそ専門家を雇う、場合によっては単に規模拡大ですが。)この情報なりスキルの差を利用して雇われ人のほうが優位に立つ。この点で法の世界の本人/代理人も政治の世界の選挙人/政治家/官僚の関係も同じ。選挙人は政治家に委任し、政治家は官僚に委任する。建前の権限序列は右のとおりなのに、実体はその逆の権力順位になりがちという問題です。
政治の世界はやれ“リーダーシップ”とか“他者コントロール”とか気持ちが悪いですが、しかし他者からコントロールされたくないのであれば同時に、完全な白紙委任・監視フリー状態も採れないのではないでしょうか。カリスマ型のリーダーを選ぶということは危険責任を負うことと表現することもできるでしょう。但し、シュプレヒコールよりも投票箱による制御がはるかに効率的なので、イラ管よりも(外国人地方参政権に積極的な)小沢にやや親和感あり、と個人的には感じるところがあります。

以上のぼくのつまらない感想はさておき、金先生におかれましては猛暑のなか当稲門会に講演においでくださりタイムリーで洞察に富んだお話をしていただき、眞にありがたく存じます。テレビ画面とは違うナマの先生のお姿を拝見できたことも有難いことでした。この場を借りて御礼申し上げます。

会の閉めはもやは恒例となっている全員肩を組んでの校歌合唱、関口さんによるウリ稲門会エール・当会朴魯善による早稲田大学エールの交換でした。
その後は三々五々居酒屋での二次会に20数名が流れて行き、2010年の過ぎ行く晩夏を、週末の赤坂の喧騒とともにやり過ごすのでした。(富男)