早稲田大学ウリ稲門会

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2011年第六回ウリ稲門会総会 呉世一氏を会長に選出

2011-10-10 14:50:42 | 総会のご報告

去る10月1日土曜、二年三ヶ月前に文一陳氏を会長に選出したのと同じ会場「リーガロイヤルホテル東京」にて、当ウリ稲門会の定時総会が行われました。

総会(第二部の懇親会)には来賓として母校理事の谷口邦夫先生、総長室の関口課長が祝賀に駆けつけて下さったのをはじめ、およそ50名の学兄・在校生らが参集しました。
司会は、朱茂前副幹事長。総会での主なアジェンダは会長改選と約二年間を対象期間とした会計報告。基調は当会のレゾンデートル=“心のふるさと”であること、従って当会の役員らの存在意義もまた“心のふるさとであるべき場の維持・ゲートキーパーに尽きる”ことの再確認、といったことです。

総会議事は以下のとおりで、例年どおり;
●(文一陳)前会長の開会の挨拶
●(梁直基顧問・琴栄吉顧問・沈広燮顧問ら)三名の議長団による議事開始
・李宇海前幹事長による活動報告
・会計担当の河相淳副会長による会計報告
・会長改選
●新会長による挨拶
会計報告は勿論満場一致の承認を得、新会長には67年理工学部卒の呉世一氏を選出。
副会長以下幹事長やその他の幹事の構成・人選は新会長に一任へ。
会計報告では、当会会員の総数と昨今の景気の低迷長期化等の状況を鑑みるに、会の具体的運営の基礎となる資金は広く浅く調達されるのが最も望ましい、というフォワードルッキングな意見が付されました。

会長改選においては自薦候補者の弁を伺ったうえで質疑応答があり、その後選出に入りましたが旧幹事団推薦の呉世一学兄が満場一致の拍手を得て適式に新会長に選出されたのでした。

また、会長改選とは無関係ながら“(会長の任期は二年間のはずなのに)今回の総会開催がこんなに延び延びになったのはなぜか”との質問があり、これに対して前会長から“3月には3.11という未曾有の大災害が起こり、これが当会の諸学兄の生活にも少なからぬ影響を及ぼしていることは想像に難くなく、しかも当会の会員には多くの自営業者もおられことに鑑みると諸学兄の事業にも影響があり同窓会の総会の開始時期としては相当期間延長せざるを得ないものと判断した”旨の応答がありました。

次に新会長挨拶へ。呉新会長はここで“当会は早稲田に学んだ在日同胞全員の心のふるさとであるという前会長の指針を踏襲するつもりである。特定の会員間の個人的なワダカマリ等の感情・関係、党派性を会の運営・活動に持ち込んではならない”という至極真っ当なお話をなさっていました。

その後休憩を挟んで場を同じフロアーの別会場に移して「懇親会」へ。
司会は、“そこにいるだけでなぜか場が和む”でお馴染みの崔相敦前副会長。BGMは生演奏。母校から来賓にいらしてくださった谷口先生からは例の3.11大災害にウリ稲門会からいち早く校友会へ義援金協力の申し出・提供があり御礼申し上げるというお言葉を拝聴するとともに、早稲田全体での義援金活動およびその活用状況等のご報告がありました。

また慶応義塾大学「コリア三田会」の玄東實会長よりコリア三田会を代表してお祝いの祝電を賜りました。眞にありがとうございます。

歓談の間隙を縫ってその後、諸学兄・在校生・新社会人・初参加者等のスピーチや恒例のラッキーカードなどのアトラクションを楽しみました。
例年には見られない幾つかの特徴の一つは、多くの在学生の参加です。韓国の留学生では過去10名前後参加した宴はあったと記憶していますが、在日の現役早稲田学生だけで8名は近年では最多と思います。韓国の軍隊に入ってから起業したいという目標盛り沢山な人や南北統一を視座にジュネーブ大学に進学を決めている野心家、4年生ではNHKやメガバンク等公的な業容の企業に就職が決まった若人らの活躍は、とりわけその幅の広さにおいて慶賀至極に堪えません。
人は老いるとなぜか愛国心とか愛郷心を醸し出し勝ちになりますが(愛国心と愛郷心は並び称するにはあまりに異質と思いますけれども。。)、それは要するに加齢とともに視野が狭くなる老化現象の一つなのでしょうか。ぼくはそろそろ年寄りなのに幸いにして逝くときに本国を象徴する何らかの画像が走馬灯になる余地はありませんが、それでも本部キャンパス四号館での一コマはフラッシュバックするかもしれません。20代前後の皆さんには是非とも足元の技能・知見をせっせと磨きつつ、「瑠璃色の風が今にも吹いてくるのを待ちかまへてゐるぢやないか。あの小さな素朴な顔が無辺大の夢で逆まいてゐるぢやないか」(高村光太郎)というモードに身を置いてもらいたいと思います。そして当会の仲間との飲食の一コマが、せめて何時の日か想いだされる数場面のうちの一つになってもらいたいと思うところです。

モトイ。ラッキーカードで見事1等賞●万円の商品券をゲットされた敬隆学兄。それをそのまま現役学生の社会的活動資金へカンパなさってくださいました。ありがとうございます。

最後は勿論全員肩を組んだ円陣での校歌斉唱とエール交換。
もはや当会の名誉顧問然たる関口課長による本家(当局?)直系の生エール三本!に対して、当会からは朴魯善学兄のコミカルなエール応答で、幕を閉じました。

馬場の“飲みのふるさと”栄通り「清龍」での二次会には25名が集いました。時あたかも3.11から7ヶ月経過、ギリシャ発の世界金融炉心再溶融不安旋風(モルスタを見捨てないと宣言しちゃった三菱グループ大丈夫か?)、各種ソブリン債の格下げテロ、長期化且つ全米化の兆しを見せるOccupyWallStreet職をよこせデモ、ICTの巨人スティーブジョブズ氏の逝去(ご冥福を祈ります。)、平和のためのセックスストライキ提唱のボウイーさんノーベル平和賞受賞(ブラボー!)、財務省の犬じゃないドジョウ(すみません!)による大増税するノダ大合唱、三号さん(専業主婦)の年金制度はどうなるの?、宇宙の膨張は減速中か加速中か、空間は歪んでいても同窓会倫理は歪めてはならぬ、寝返りの危険ヘッジ模索等々、無辺大の混沌とテールリスクという濁流に塗れつつ、それでも陽はまた昇ると予感しながら、三々五々清龍を後にするのでした。(富男)