早稲田大学ウリ稲門会

在日コリアンOB・OGのためのオフィシャルブログ

自著の日訳に四苦八苦

2007-10-06 14:59:30 | 私の意見・交流・日常

『ウリ稲門会ニュース』に、03年度中部支部総会の報告と支部結成30年の歩み、それに「稀代の作詞家・趙鳴岩」を寄稿したのは3年前だった。「まるで中部支部特集だな」とひやかされたりしたが、むしろ「30年の歩み」を書きながら、1985年に車剛一学兄の後を受けて支部長となって以来、「2年で交代」どころか長期重任を余儀なくされている実情に、内心忸怩たるものがあった。また家業の事情で、新世紀に入って一度も東京での行事に参加できず、合わせる顔もない。

そんな体たらくの私に、副会長から「いま手がけている本のことを含め、近況を書いてくれ」という電話がきた。宣伝みたいでイヤだと言ったら、いいから早く送れとのお叱りだ。で、事の経緯をざっと記してみることにする。

1993年の旧正月、拙著『韓国歌謡史 1895-1945』を韓訳してくださった安東林・清州大教授から、「続編を雑誌に連載しないか」と勧められた。自信がないと断ったが、翌年また同じことを言われた。「本国の人を対象に書くのは、釈迦に説法」と、再度お断りしたものの、それほどまでに勧めてくださる安先生のお気持が有難く、帰ってからパソコンとハングル用のソフト(高電社)を入手し、手探りで始めてみた。

実を言うと、前著の刊行直後に、「解放後編」を手掛けてみたことがあるが、8・15の情景が実感を込めて書けなかった。加えて、その後の左右対立、南北分断、朝鮮戦争など、考えるだけでも気が重くなり、結局、やめてしまった。再チャレンジに際し、それらの点は文献を参照して何とかクリアしたが、どんなにその時代を本国で過ごしたつもりで書き進めても、資料による知識だけではどうにもならない壁にぶち当たった。それは、先刻承知のことではあったが・・・。

ともあれ、連載は『月刊オーディオ』誌に1996年4月号から始まり、薄氷を踏む思いで原稿を送り続けた。1999年12月号を以って連載は打ち切られたが、せっかく手掛けたものを途中で拠棄するのも口惜しく、その後もしこしこと書き続けた。そして何とか目標の1980年まで辿りつきはしたものの、まとめ切れず尻切れとんぼのまま、という部分が何箇所か残ってしまった。

そんな状況で悩んでいるところへ、高齢の在米同胞・崔先生から電話が来て、「続編はいつ出るのか。4,5年先だって?もう死んでいるかもしれないな、ハハハ・・・・」と言われ、冷や汗を流したこともあった。

その頃、ソウル大の院生を中心とする「大衆歌謡研究会」のメンバー・李煕氏から連絡を受け、書信の遣り取りなどをするようになった。一昨年秋、図らずも原州で初対面して以来親交を深め、続編についての話もした。その折に、何年か前のKBS-TV「歌謡舞台」で初めて聞いて以来、ずっと気に懸かっていた『ウェナムダリ(丸木橋)』という歌の位置づけについて訊ねてみた。「解放後の大衆歌謡史を扱う上で欠かせない」との返答だった。とショックだった。何ヶ月か考えた末、韓国での続編刊行を断念しようと思った。その旨を李氏に伝えたところ、折り返し「協力を惜しまないから是非完結させてほしい」との返信がきた。

気を取り直して現行の整理に取り掛かろうとしていた、その矢先の昨年10月末。どこで耳にしたのか、安先生から「大きな出版社に電話しておいた」との電話が入り、事が急進展した。急ぎ原稿を点検して李氏に送り、尻切れ部分の整理補完など諸々の作業一切を依頼した。

当初は年内にも出そうな感じだったが、全篇改訂版の同時刊行を要請したことと併せて、担当編集者が「この原稿は自分が手掛けたい」といいつつ他の出版社に移ったため、来年にずれ込むかもしれない。いま日訳に取り掛かっているが、これが一筋縄ではいかない。特に訳詞の字数合わせは頭痛の種で、1曲に何日か費やすこともしばしばだ。それに、日本でも全篇の改定版を同時に出したいと思っているので、後何年かかるか見当もつかない。  朴燦鎬(中部支部長)


第二回総会が成功裡に開催

2007-10-05 22:03:26 | 各支部・分科会の近況

関西支部・支部長 権世顔

関西支部では関西二府四県及び近畿以西の在日同胞諸学兄が広く参集し、昨2006年3月3日大阪梅田にてかねてから念願の設立総会を開催しました。
そして同胞諸学兄の参集と親交への熱い想いを重ねつつ早や1年が過ぎ、このたび下記の要領で第2回総会が成功裡に開催されましたのでご報告いたします。

早稲田大学ウリ稲門会関西支部第2回総会(2007年5月18日 大阪梅田 関西文化サロン)、
第一部:事業報告=会計報告、次年度事業計画(特筆すべきは早大サッカー部を関西に於いて支援し親交を深める事業)/第二部:懇親会
尚、御来賓の方々は、東京本部安王錫会長以下7名の皆様でした。ありがとうございました。又、総会及び懇親会では、
具末謨氏(東京本部会員)「遥かなり故国三千里・・・分断国家の苦悩と統一への展望・・・」
白東沢氏(東京本部顧問)「追憶、我が青春の早稲田」
の情熱溢れるお話を頂戴し、出席者一同に深い感動を与えて下さいました。誠に有難うございました。

関西支部はやっと満一歳となりましたが、次年度以降も毎年々々一歩々々着実に基礎を築き更なる発展のため役員一同精進努力する所存ですので皆様のご支援、御協力を心から期待しております。