映画とライフデザイン

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映画「フィリップ」

2024-06-27 18:16:27 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「フィリップ」を映画館で観てきました。


映画「フィリップ」は、第二次大戦中のドイツでフランス人として身を隠す1人のユダヤ人に注目する作品。ポーランドの作家レオポルド・ティルマンドの自伝的小説をもとに監督のミハウ・クフィェチンスキが映画化した。ティルマンド自身が1942年にフランクフルトに滞在していた実体験に基づいている。予告編で何度も見ていると、ナチスの迫害をフィリップがスレスレでかわす場面が多い。

1941年のワルシャワ、ユダヤ系ポーランド人のフィリップ(エリック・クルム・ジュニア)は恋人と劇に出演している最中に、ナチスの銃撃を受けて恋人と家族を失う。悲しむ時間もないままに、その場を脱出する。

2年後フィリップはドイツのフランクフルトのホテルでウェイターとして働いていた。夫が戦場で任務につくドイツ人妻たちを中心に誘惑している。ドイツ人同士の結婚を奨励しているナチスでは外国人がドイツ人に手を出すと厳罰を受けていた。しかし、フィリップはホテルで知り合ったリザ(カロリーネ・ハルティヒ)に惹かれて、一緒にドイツからパリへ脱出しようと考えている。


ナチス統治下のドイツにおける異色のユダヤ人の物語である。
ナチスドイツの卑劣な行為を非難する映画は数多い。内容が予測されて見なくてもいいやと思う作品の中で、違うテイストの作品に見える。要するに、夫が戦場に出ているご婦人たちの性の処理をする男の話である。高尚な主張があるようなストーリーではまったくない。見応えがあるレベルでもない。


1939年からポーランドドイツのみならず、ソ連からも侵攻されてひどい目にあった。戦後日本ではアカ教師が多かったせいか、ナチスドイツの話ばかりになっていても「カティンの森」の話を含めてソ連も負けないくらい酷い。ともかくここではナチス統治下のドイツでの話だ。映画の中にも出てくるが、ある恩人によってドイツに生き延びていったのだ。両国に対するポーランドの恨みは根深い。

フランクフルトの高級ホテルでは,ウェイターは外国人ばかりである。ナチスの将校に向かって、自分の出身地を自己紹介をする場面がある。そこでは,フィリップはフランス人として自己紹介をする。ポーランド生まれとは言えない。

高級ホテルには有閑マダムたちが大勢来ている。フィリップはその女たちに声をかけまくる。そして、意気投合した女性とプールサイドの別室に入り込む。戦時中ドイツ将校の妻が乱れる設定は初めて観る。戦前の日本じゃこういう事はなかっただろうなぁ。

ただ,愛撫をしている最中でも,ポーランド人の悪口が出たら、そこで一気に態度を変える。気まずくなったとしても,ドイツ人女性は外国人との姦通がばれると罰則を受ける。頭は丸坊主だ。そこの辺りを突っ込んでフィリップは毎回逃げ切る。


この手の第二次大戦中を描いた映画は多い。セットなのか戦後残っている建物なのかはわからないが,時代を反映した建物の並びを見ることが多い。室内のインテリアは濃い茶を基調としたオーセンティックな雰囲気である。美術はいつもながらよくできているし、結婚式パーティーのシーンも豪華だ。同性愛禁止のナチスの方針からして,オカマが街で捕まっているシーンもある。逆に,将校が若い男性に手を出すゲイ系の場面もある。将校だったらいいのか。フィリップを知っているポーランド出身の女をドイツ人将校が囲っているシーンもある。


ドイツ人女性がみんな美しい。でも15禁の成人向となっているのに,残念ながら男女の絡みは大した事はなかった。ドイツ人美女たちのエロチックな場面を期待して、映画館に向かうとがっかりさせられることになるであろう。

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