映画とライフデザイン

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映画「SISU/シス」ヨルマ・トンミラ

2023-11-09 06:34:14 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「SISU/シス」を映画館で観てきました。


映画「SISU/シス 不死身の男」はフィンランド映画、第二次世界大戦中にフィンランドに侵攻していたナチスに1人闘いを挑んだ元兵士の話である。フィンランド映画といえば、アキカウマリスキ監督の人情味あふれるシリアスドラマを連想する。その他で自分が観たフィンランド映画も似たようなおだやかな作品だった。今度は鬼のような人相の男がメインの写真に映っている。ちょっと違うなあとスルーする予定だった。

最近、映画好きの取引先の男性と昼食を共にした。その時、最近観た映画の話題になり「SISU/シス」って観ましたか?と言われた。まだという自分の反応に「痛快ですよ」と勧められて思わず観てみたくなった。映画館に行くと、予想よりも観客が多いので驚く。評判が良いのかもしれない。

1944年、フィンランド国内にナチスドイツの軍勢が攻め込んでいたが、撤退の態勢に入っている。そんな戦車を率いる師団の横を1人のフィンランドの老兵が歩いて通り過ぎる。老兵は金鉱を見つけて、金塊を持っていた。ナチスの兵士たちにちょっかいをだされて、金塊を持っていることがバレてしまう。危うくやられそうだったのに、逆にコテンパンに兵士たちを退ける


慌てたナチスが調べると、この男はアアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)だと判明する。フィンランドの特殊部隊出身で「不死身の男」の異名をもつ男だ。フィンランドを侵略したソ連との戦いでは300人のロシア兵を退治したという。ナチス当局は面倒だから相手にするなと言うが、戦車連隊の隊長ブルーノ・ヘルドルフ中尉(アクセル・ヘニー)はアアタミを始末しようとする。


たしかに、おもしろい。
スキッとする痛快アクション映画である。

怖い顔をした傷だらけの男を見ると、一瞬中世から近世にかけての昔の話かと思ってしまう。実は第二次世界大戦中の時代設定で、相手はナチスの兵士だ。どんな立ち回りをするのかと思ったら、次から次にいろんな格闘のネタがでてくる。アイディア満載だ。

当然1人で大勢を相手にするわけである。しかも、銃は向けられるし、戦車はぶっ放すし、周囲には地雷だらけだ。かなうはずがないのに、こうやって倒すのかとあの手この手で飽きさせない。挙げ句の果てには、「ミッションインポッシブル」トムクルーズばりに飛んでいる飛行機につかまる。


自分の脳裏で連想したのは、「バッドアス」ダニートレホである。しがない老人がならず者を倒してヒーローになる話だ。老人をクローズアップさせるのが似ているかもしれない。ヨルマ・トンミラは還暦越えと知り思わず応援する。でも、この映画の方が相手を倒す格闘シーンの捌き方のアイディアに富んでいる。ヤルマリ・ヘランダー監督の発想はおもしろいし水中の格闘をはじめ実現してしまうのがすごい。

実はナチスはフィンランドの女性を捕虜にとっていた。その女性たちが、アアタミの大暴れに乗じてナチスの軍勢に反撃するのも見どころだ。そんな活劇ばりの映画をキッチリ90分にまとめるのも好感が持てる。知人に勧められた「シス」は誰かにおもしろい映画はと聞かれたら思わず推薦してしまう気がする娯楽映画の見本だ。

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