映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

2046  トニーレオン

2009-06-01 20:54:06 | 映画(アジア)
王家衛監督の「花様年華」の続作。日本では木村拓哉の出演で話題になる。日本では近未来ということが、前宣伝で強調されていた。しかし、主人公は花様年華のトニーレオンがそのままの役で演じる話で、レトロな香港のシーンはまともだ。未来描写はいただけない。公開直後劇場で見た。今回「花様年華」を久々見て、もう一度見てみたくなった。

1960年代半ばシンガポールに行っていたトニーレオン扮する主人公が、香港に戻ってくる。新聞記者だった彼は文筆業をしている。ウィークリーマンションのようなホテルに滞在する。支配人の娘フェイウォンは日本人ビジネスマン木村拓哉に恋をするが、父親は気にいらない。その二人の異国間の恋を見て、近未来で主人公自身が日本人となることを想定した小説を書いてみようとする。
主人公トニーレオンの自由奔放な女性関係が主題である。シンガポールの女賭博師コンリー、娼婦チャンツィイー、ダンサーであるカリーナラウと超一流の女優たちがトニーの相手で出演する。マギーチャンも花様年華の一場面のように一瞬登場するが、あまり意味はない。

こうして見直してみても、トニーレオンの出演場面はけっこう良い味を出している。花様年華ではマギーチャンとプラトニックな世界のやり取りであったが、この映画ではチャンツィイーと情熱的な抱擁を交わす。コンリーとも激しいキスをする。非常に情熱的である。花様年華で抑えていたものを吐き出したような雰囲気である。
残念ながら木村拓哉が出る部分はカットした方が、映画としては良かったと思われる。キムタクが悪いわけではない。近未来の設定に非常に無理がある。美術、セットに皆なれていないせいか、非常に稚拙に思われる。しかし、キムタクが出なければ日本では話題にも上らなかったし、配給収入も大幅に減ったであろう。日本からも資本が入っているようだから致し方ないとはいえ、中途半端になってしまった。


カリーナラウやコンリーのキャラクターは絵になる。彼女たちとのやり取りをもう少し増やして、キムタクとフェイウォンの60年代の恋愛場面を増やしたらよかったのでは?近未来設定は大きなミスである。

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