映画とライフデザイン

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ラストキングオブスコットランド フォレスト・ウィテカー

2011-12-04 17:55:24 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
「ラストキング・オブ・スコットランド」は2006年の作品。フォレスト・ウィテカーがオスカー主演男優賞を受賞した。アミン大統領によるウガンダの恐怖政治を描く。しかし、起承転結の転の部分までは暗いムードではない。むしろお気楽なアフリカ音楽をバックにユーモアあふれた明るいムードが漂う。テンポもよく傑作だと思う。


舞台は1970年代、主人公ギャリガン医師ことジェームズ・マカヴォイはスコットランドの医学校を卒業したばかりだ。高い志を持って、アフリカ中部ウガンダにある診療所で働くことにした。当時は、診療所で近代医療に診てもらうよりも祈祷師に見てもらうことの方が多い。遅れていた。もう一人の英国人医師とその妻だけが診療所にいた。ウガンダではアミンことフォレスト・ウィテカーが政権を握っていた。
ある日ギャリガン医師が車を走らせていると、大統領車が牛にぶつかり事故にあったところに出くわす。アミン大統領は指を痛めていたようだ。骨折ではないかと痛みを訴えるアミンに対しこれは軽い捻挫だという。横で苦しむ牛を見てとっさにギャリガン医師は射殺する。アミンはギャリガン医師の手際良いふるまいを気にいった。
翌日、ギャリガン医師は、アミンから直々に「主治医になってくれ」と頼まれる。それを引き受けたギャリガン医師は、アミンと親密になっていく。そんなある日、ギャリガン医師がアミンと車に同乗している時に、反対勢力の襲撃にあった。前方にいた護衛の車がぐちゃぐちゃにされたが、ギャリガン医師とアミンは危うく逃げた。スケジュールは内部以外知らないはずと「裏切り者がいる」と激怒するアミン。疑心暗鬼にかられた彼は、粛正の動きを加速させるが。。。。。


ウガンダでロケされている。いかにもアフリカらしい光景だ。映像の色合いは明るい。黄色のトーンが画面を覆うので陽気な印象を感じさせる。同じ黒人でも欧米にいる人たちと、アフリカにいる人たちでは色の黒さも人相も違う。人相を見ると相当な数の現地エキストラがいたようだ。その彼らがいるウガンダを描くにあたって、バックの音楽がいい。あえてそうしたと思うが、アフリカ調音楽の基調も明るい。その中でのフォレスト・ウィテカーとジェームズ・マカヴォイの関係の描き方も途中までは映像の基調通り暗くない。そこからの転落は。。。。

フォレスト・ウィテカーは独裁者の一面だけでなく、明るく親しみやすい本質をもっていたアミンをうまく演じた。ふるまいにユーモアが感じられ、恐怖政治をおこなう一面は最後まであらわにしない。


ギャリガン医師ことジェームズ・マカヴォイもいい。その後アンジェリーナジョリーの「ウォンテッド」や「つぐない」でもいい味を出すが、この役はハマり役の気がする。スコットランドの普通のお坊ちゃんがウガンダに行き、たまたまの縁で主治医になる。架空の人物だというが、この人間の一人称で語られる。彼の目を通じてアミン大統領の実像をあぶりだすのに成功している。ストーリーの作り方がうまい。

いい映画だと思う。


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