映画とライフデザイン

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デンマーク映画「わたしの叔父さん」イェデ・スナゴー

2021-02-01 18:10:40 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
「わたしの叔父さん 」を映画館で観てきました。


映画「わたしの叔父さん」はデンマーク映画、2019年東京国際映画祭でのグランプリ作品である。引っかかる何かを感じて映画館に向かう。少女時代に親を亡くし、叔父と共に農場で乳牛とともに暮らす若い女性の前に若い青年が現れるという構図である。

デンマーク映画というと、バベットの晩餐会という傑作中の傑作がある。あとは、007シリーズで悪役を演じたマッツ・ミケルセンの「偽りなき者くらいしか思い浮かばない。これはなかなか重い映画だった。もちろん、それらとの共通する俳優はいない。北海道を連想させる広大に広がる大地で、農場で叔父とともに暮らす1人の若い女性を追う。

セリフは少ない。同じ北欧のアキ・カウリマスキ監督の作風を思わせる。朴訥で無口な出演者というのは同じであるが、主人公のクリスを演じるイェデ・スナゴーは色白で美しい北欧美人だ。こういうストーリーなのかな?と思って映像を追ったが、途中から意外な方向に進む。そして、無言で映像で観客に察しろと言わんばかりだ。たぶん、自分と同じことを考えていた観客が多かったと思うけど、肩透かしにあった気分になるであろう。後味は悪くはない。


少女時代に家族をなくし、クリス(イェデ・スナゴー)は農場を営む叔父(ペーダ・ハンセン・テューセン)と2人で暮らす。叔父は足が不自由で、朝起きる時から一日中クリスは叔父の面倒をみて農場の仕事をしている。周囲と関わりをもつことは少ない。携帯電話すら持っていなかった。農場に出入りするヨハネスは獣医である。元々はその道に進みたかったクリスは農場でヨハネスに教えてもらおうと向かった。


そこで1人の青年マイクと知り合う。美しいクリスに魅せられたマイクは教会で音楽の練習を見にくるように誘う。そして、水門のあるホテルでの食事に誘ってくれた。叔父に行ってもいいかと確認して出かけることになるのであるが。。。

映画を見終わってから解説を読んで驚いた。ここでの娘と叔父はなんと実際の叔父と姪の関係だという。しかも、叔父はまったくの素人のようだ。この叔父さんは足が悪いだけでなく身体も弱そうだ。こういう役者よく探してきたと思ったら、なんと実際に酪農経営をしている人らしい。ロケハンもよくできているなあと思ったけど、フラレ・ピーダセン監督はこれだけで優位に立てたと言えよう。

⒈広大な大自然と静かな流れ
乳牛を養う典型的な酪農農家だ。地平線まで広がる大地が延々と続く風景に群れをなした大量の鳥が飛ぶ。なかなかいい。携帯電話も持たず、女友達もいそうもない。そういう2人をカメラが追う。音楽はない。TVで流れる各種ニュースの音が響く。国内の政治だけでなく、アメリカのハリケーンや北朝鮮の水爆実験までニュース音声がバックグラウンドミュージックだ。

そんな中で、クリスが若い男性に求愛される。クリスも満更でない。そこで、ようやく音楽が鳴り響く。この音楽どこかで聞いたことのあるような音色だ。香港のウォン・カーウァイ監督「花様年華」で主人公2人を追いながら繰り返し流れるあの曲によく似ている気がした。

⒉デートと奇怪な動き(一部ネタバレあり)
男慣れしていないクリスはデートに行こうか迷うけど、結局行く。ずっと後ろに束ねていた髪をカールするためにスーパーでホットカーラーのブラシを買ってもらう。でも、なんと叔父さんを連れて行くのだ。こういうコブ付きデートというのは男がつらいよね。


そのあと、色々軽い諍いがあって彼氏が家に誘いに来る場面がある。そこでとるクリスのパフォーマンスに驚く。さすがに映画を見てのお楽しみだが、これって乳牛とともに暮らしているので未成熟ということを表現しているのかなあ?

あと最後もちょっとビックリだな

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