映画とライフデザイン

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バーン・アフター・リーディング コーエン兄弟

2009-05-05 08:49:36 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
昨日休みで家族でショッピングセンターへ行ったりしていた。夕方さいたま新都心で、寿司を食べた後、娘の希望で「バーン・アフター・リーディング」を見た。 ともかく良くぞ集めたというような錚々たるメンバーである。オスカー作品賞の次作でもあるし、当然のごとく注目を集める。しかし、今までのコーエン兄弟の作品群の中では中の下くらいに位置すると私は考える。

スターを集めたので、そのスターにそれ相応の役柄を与える。ジョンマルコビッチは酒癖の悪さでCIAのそれなりの地位を追われる。彼の妻は財務省保安官ジョージクルーニーと浮気をしていた。彼女はマルコビッチとの離婚を考えている。そこでマルコビッチの財産の資料を弁護士に渡す。その中には、マルコビッチがCIAでの働きを自伝にしようとしていたCDが入っていた。
ブラットピットとフランシスマクドーマンドはスポーツクラブで働いている。そのクラブの忘れ物にCDがあった。中身をみると機密資料と思しき内容のようだ。金になると直感した2人は、持ち主のマルコビッチに電話をして、返却するが金をよこせとばかりに交渉を始めるが。。。。。

すべての人が勘違いをしているという設定は、コーエン兄弟の得意のパターン。「ブラットシンプル」から始まってずっと続いている。しかし、今回は脚本に詰めの甘さを感じる。余韻を残すつもりだったのか?大スターの揃い踏みにスケジュール調整がきつかったのか?もう少し見せるところがあってもいい気がする。

ブラットピットがお気楽なスポーツクラブの店員を演じる。初期は別として、ここしばらくこんな役はなかったのではないか?むしろ初期の彼を思わせるいい加減さが非常に良かった。ジョージクルーニーとの「かくれんぼ」の場面は実に笑える。
ジョンマルコビッチもまさに適役。顔からしてCIAの匂いを感じさせる。彼の一番の怪演はイーストウッド主演の「シークレットサービス」の凶悪犯だと私は思う。悪も演じられるし、コメディの味を常に持っているところが良い。
フランシスマクドーマンドは、コーエン兄弟の常連というよりも、伊丹十三監督作品での宮本信子の存在というべきだ。今回急激に年齢を感じた。出会い系サイトの常連で、全身美容整形で美しくなろうとする役にぴったりするくらい老けたかも?「赤ちゃん泥棒」のころはもとより「ファーゴ」「オーブラザー」に比べても老けたのを感じる。マルコビッチに顔が似ているような気がした。
ジョージクルーニーはいつもどおりの味を出している。コーエン兄弟の作品では2枚目であるけれど、多少間抜けなところもある役が多い。今回もその線。コーエン兄弟とは相性がいいのだと思う。

衝撃のラストという題目はちょっと言いすぎ。むしろ中盤にヤマが来て、最後は尻つぼみという印象を受けた。映画館の同じ列に外人さんがいた。ケラケラ笑っていた。うちの中学生の娘はいえば、大笑いの連続であった。これはこれでほっとした。

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