映画とライフデザイン

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映画「さらば青春の光」フィル・ダニエルス

2019-06-27 18:50:35 | 映画(洋画 89年以前)

映画「さらば青春の光」は1979年公開の英国映画だ。
さらば青春の光
フィル・ダニエルズ


60年代中盤の英国南部の町ブライトンが舞台である。その時代に英国で流行したモッズと言われる音楽、ファッションのライフスタイルがある。初期のビートルズが3ツボタンの細身のスーツを着ていたのを思い出すと良い。ここではモッズに傾倒している1人の労働者階級の若者とその仲間たちがスクーターで遊びまわり、ライバルのロッカーズとブライトンの町で競い合う姿を描く。原題は「四重人格 Quadrophenia」、ザフーのロックオペラの名前である。


ライバルの暴走グループとの抗争では街中の人たちを巻き込む。交通違反という次元を超えるハチャメチャぶりだ。ケンカするだけでなく一般のお店のショーウインドウを破壊したり、メチャクチャだ。この映画の出演者はあまり行儀のよくない連中で、自分も歳をとったせいかなかなか感情流入しずらい連中である。

派手なデコレーションをしたスクーターに乗った若者たちが細身のスーツにネクタイを締め、米軍放出のロング・コートを無造作に着こなす。彼らは「モッズ」と呼んでいた。ジミー(フィル・ダニエルス)は、広告代理店のメイル・ボーイをしている。会社がひけるとジミーは、モッズの溜り場のクラブに行き、夜中をそこで過ごす。ロックンロールが流れるクラブにはデイヴ(マーク・ウィンゲット)、チョーキー(フィリップ・デイヴィス)らが集まっていた。ジミーはその店で見つけた娘ステフ(レスリー・アッシュ)に関心を寄せていた。


リーゼントの髪を固め、汚ない皮の上下でオートバイを乗り回しているこのロッカーズとはモッズはことあるごとに衝突していたのだ。次の週末には、ブライトン・ビーチで勝負をつけることになっておりジミーはスーツを新調し、クスリを大量に手に入れ、その日の来るのを待った。いよいよ、決闘の日が近づき、ブライトン・ビーチに集まるモッズとロッカーズ。ステフも来ている。しかし、彼女はクロームの銀ピカのスクーターでキメているエース(スティング)に夢中のようだ。翌朝海岸通りをシュプレヒコールで歩くモッズとロッカーズの乱闘がはじまった。しかし、その決着がつかぬうちに、警官隊が出動した。


⒈劇中の音楽
これはご機嫌だ。いきなり主人公とその仲間が街中をスクーターで疾走する場面が出る。そのバックの軽快な音楽がいい。ライブハウスに行くと、ゴーゴーダンスと思しき感じでみんな踊りまくる。バックに流れるのは60年代前半のポップスが多い。ロカビリータッチだ。主人公は広告会社の雑用係というべき社内郵便集配係である。そんなプロレタリア少年は仲間と大騒ぎ、スクーターでさっそうと現れるときはかっこいい。でも普段の服装はダサい。ジジババ洋品店で売っているようなポロシャツを着ている。途中でフレッドペリーのポロシャツに変わるが、それでも基調が垢抜けない。


⒉青春映画
原題の「四重人格」をよくも、清々しい日本題の「さらば青春の光」に変えたものだ。ロック好きとしてザ・フーやピート・タウンゼントの名前は知っていても、なかなか好きになることはなかった。60年代に英国で若者であった人たちには受けるだろう。仲間どうしで、どこかの居宅でパーティをやる。酒の勢いも借りてかいつのまにか男女カップルができてくっつき始める。気がつくと朝になると、各部屋ごとに男女絡みあって寝ている。この同じ時代の日本ではこういうのはあまりなかったんじゃないかな?


「エブリバディウォンツサム」という映画がある。80年前後のアメリカの青春物語もこの映画で若者がいたしている姿に大差はない。育った国は違うが、同世代で青春時代を過ごした自分にとってはディスコミュージック主体の音楽も黄色いラコステを愛用するファッションも共通項があるので「エブリバディウォンツサム」にムチャクチャ惹かれる。要は自分にとっての共通点があるかないかだな。
エブリバディ・ウォンツ・サム!!
ブレイク・ジェナー

最後に向けての断崖絶壁には驚く。白い崖が美しい。ネットを見るとビーチーヘッドというようだが、こんな場所知らなかった。


疾走する主人公が気分良さそう。最後に向けての主人公のパフォーマンスはなるようになれという感じだが、この映画のあとしばらく経って公開されたテルマ&ルイーズを連想した。

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