映画とライフデザイン

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映画「イエスタデイ」 ダニー・ボイル

2019-10-16 21:12:39 | 映画(自分好みベスト100)
映画「イエスタデイ」を映画館で観てきました。

50年を超えるビートルズ歴の想いがあり、それぞれの場面で思わず涙してしまいました。
誰もビートルズを知らない世界になって、ビートルズの曲を歌ってスターになるという映画があること予告編で知る。監督は「スラムドック・ミリオネア」ダニー・ボイルである。好きな監督だ。躍動感のある映像で音楽だけでなくビジュアル的にも十分堪能できた。

生バンドのカラオケで歌うときも、車に乗りながらCDを聴くときもメインはビートルズソングである。映画でどんな曲がかかるんだろう。それが気になって映画館に向かう。ほぼ満員の席には自分と同じようなオヤジも多い。みんなビートルズが好きなんだな。エンディングロールの最後まで席を立たない人が多かった。


イギリスの小さな海辺の町サフォーク、地元のスーパーで働くジャック(ヒメーシュ・パテル)は、売れないシンガーソングライターである。親友のエリー(リリー・ジェームズ)がマネジャーになって献身的にサポートしている。ロックフェスティバルに出演しても観客は仲間内だけで、からっぽの会場の中を子どもが走り回っていた。もうだめかと思った夜、突如世界中で12秒間の停電が発生する。

暗闇の中、自転車に乗っていたジャックは交通事故に巻き込まれる。意識が回復すると、前歯が2本抜けむごい状態になっていた。仲間で快気祝いをして、新しいギターをプレゼントをもらった。


ふさわしい歌をということで、ジャックは「イエスタデイ」を歌う。いつもと違うその旋律に仲間はうっとりする。どうしたんだお前!誰もがはじめて聴いた歌だという。「ビートルズ」の名曲だよ、そんなはずはないだろう。自宅に戻ってパソコンでbeatlesを検索すると、出てくるのはbeetleだ。気がつくと「ビートルズ」は自分しか知らない世界になっていたのだ。

記憶を頼りにビートルズの曲をピックアップして、自分のセットリストに加える。演奏するとジャックの歌をじっくり聴いている人がいる。SNSでも注目され、線路際のスタジオでCDをつくることにもなる。徐々に注目されるようになり、大人気ミュージシャンのエド・シーラン(本人)から、来週モスクワに帯同してくれとワールドツアーの前座を依頼される。しかし、エリーは中学で数学を教えていていけない。別の友人ロッキーを帯同してモスクワに向かう。そこでエドに匹敵する注目を浴びて、アメリカ・ロスのプロデューサーに目をつけられるのであるが。。。


1.イエスタデイの想い出
ビートルズが来日したとき、自分はまだ小学生低学年だった。でも世間が大騒ぎだったことはよく覚えている。来日公演はテレビ放映された。司会がEHエリックだったことは覚えている。でも、前座が長くなかなか4人がでてこない。当時8時過ぎには寝ていたので、テレビで演奏する姿は見れなかった。ただ、当時としては最新のオープンリールテープレコーダーが家にあった。父はしっかり録音して、その後そのテープはずいぶんと聴いた。もちろんイエスタデイは演奏している。


シングルとしてのイエスタデイはあった。短い曲である。そのころ、兄上が音楽好きの小学校の友人の家でビートルズの4曲入りのEPレコードを聴いた。中にはタックスマンが入っていた。税務署の調査でしぼり取られたことがある自営の父はお気に入りだった。ビートルズが解散したあと、中学の友人の家でベストアルバム的な「オールディーズ」を聴いた。そこにはこの映画のキーワードになる曲がたくさん入っている。その後自分でも買ってもらって、イエスタデイが好きになったのである。

主人公ジャックがアコースティックギターを弾きながら「イエスタデイ」を歌うとき、涙腺がまず爆発した。なぜかわからない。このメロディライン何度聴いたかわからないけど、はじめて聴くような感動であった。

2.バックインザUSSR
ホワイトアルバムの1曲目である。いつも車の中で聴いている。二枚組で盛りだくさんの曲が入っている中で、いきなりポールが歌うロックンロールだ。じっくり聴いているとビーチボーイズ風のコーラスも冴える。これをロシアのコンサートで歌うという設定がおもしろい。色白のロシア美人に大うけだ。この映像でごきげんになる。君が生まれる前にはこの国もアメリカではUSSRと言っていたんだ。よく知っているねと話しかけられる。自分が若い頃、ソ連はオリンピックではCCCPというウェアを着ていた。ロシア語であろう。でも我々はUSAが何の略かを覚えるのと同時に、Union of Soviet Socialist Republic を覚えたものだ。


ほかにも今でも自分が生バンドカラオケで歌う初期のI saw her standing there とかビートルズの最後の全米ヒットチャートナンバー1であるLong and widing roadなどが印象的で心にしみる。

エンディングでようやくポールが歌うヘイジュードがでてくる。心にしみすぎてみんな席を立てないようだった。

3.ダニー・ボイルとリチャード・カーティス
ビジュアル的なセンスがいい。英国の町もロスも美しく撮られている。しかも、大きなコンサートが2度映し出されるが、これも臨場感あふれてすごい。今までのダニー・ボイルの実力からすればお手の物であろう。主人公はインド系の俳優を起用している。スラムドック・ミリオネアを撮ったダニー・ボイルならではの起用という気がした。


結局ラブストーリーである。子供の頃から腐れ縁で常に応援してきたエリーとジャックのつかず離れずの恋を描いている。ビートルズの歌には基本的にラブソングが多い。ラブコメディ「ラブ・アクチュアリー」、「ノッティングヒルの恋人」の脚本家リチャード・カーティスが一緒に組めば鬼に金棒といえる。どうオチをつけるかと思ったけど、いいんじゃないといった感じだ。




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