映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

北国の帝王  ロバート・アルドリッチ

2010-06-27 20:04:46 | 映画(洋画 89年以前)
男の世界を描かせたら天下一品といわれたロバート・アルドリッチ監督による活劇である。リーマーヴィンとアーネストボーグナインのアウトサイダーな動きをする二人を前面に対決させる。話自体は非常にばかげている気もするが、流れるムードは競い合う「男の世界」だ。

1930年代の大恐慌のアメリカは失業者であふれていた。その失業者の中に貨物列車に無賃乗車をするホーボーというグループがいた。その一人がリーマーヴィンである。逆に目の敵のように無賃乗車の連中を列車から突き落とす車掌がいた。それがアーネストボーグナインである。二人のほかにリーマーヴィンと連れ添って無賃乗車をする若者がいる。映画はすきを見て貨物列車に乗ってやろうとするリーマーヴィンと取り締まるアーネストボーグナインの対決で続いていく。。。。。



無賃乗車くらいでこんなに争うなんて、現代を基準に考えるとおかしな気もする。
でもそれを言ってはこの話は始まらない。
両者は意地になっているのである。

アルドリッチ監督は多彩なジャンルでその才能を発揮している気がする。西部劇やアウトサイダー劇だけでなく、狂気を超越したスリラーとも言えるベティデイヴィス主演の「何がジェーンに起こったか」という傑作を撮っている。彼の映画では対立する両者の善悪がはっきりしないところがある。この映画でもリーマーヴィンとアーネストボーグナインのどっちが悪いのかよくわからなくしている。しかもこの二人はいずれもしぶとい。
この映画では走っている列車の上で、すでにオスカー主演男優賞をとっていた二人の名優を大暴れさせる。
これってかなり危ない撮影だったのではないか?
スタントマンもいたであろうが、二人の面構えと好演に拍手を送りたい。

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