映画「告白、あるいは完璧な弁護」を映画館で観てきました。
映画「告白、あるいは完璧な弁護」は韓国得意のクライムサスペンスだ。密室殺人の真犯人に絡むミステリーだというだけの予備知識である。スペイン映画のリメイクのようだけど、それなりに改変したという。映画館にあるポスターでキムヨンジンの顔が妙に気になっていた。「シュリ」で注目を浴びたあとしばらくは主要作品に登場してよく観ていた。もう50になる。韓国映画らしい意外性のあるストーリーを期待したが、十分に満喫できた。
この映画のストーリーは何を語ってもネタバレになりそうなので慎重にたどってみる。
IT企業の社長ユミンホ(ソ・ジソブ)が不倫相手だったセヒ殺害事件の犯人として逮捕収監されていたが釈放され自己所有の別荘に向かう。そこへ依頼を受けた弁護士ヤンシネ(キムヨンジン)が訪れて事情を確認しはじめる。ユミンホは自らは無罪だったと主張する。
それと同時に、セヒ(ナナ)と一緒にいた時に交通事故に巻き込まれていたことを告白する。セヒが運転している時に対向車とぶつかりそうになり、結局相手の車の運転手が障害物に追突して死んでいることがわかる。警察を呼べばいいものを不倫現場で巻き込まれるのを嫌がったセヒとともに事故処理をする。
この事故処理をめぐって事件が複雑になる。それがこのストーリーの肝になってくる。
お見事な韓国クライムサスペンスである。おもしろかった。
基調となるのが、殺人事件の被疑者とされる社長と依頼を受けた女性弁護士との雪の中の山荘での対話だ。社長の独白に合わせての回想シーンが続く。先日観た「怪物」よりも黒澤明の「羅生門」に近いスタイルだ。意図的に観客を騙そうという意識が強く、「怪物」より緊迫感があっておもしろい。リメイクとはいえ、かなり練った脚本だ。
元々被疑者とされた殺人事件をたどると、謎の人物からユミンホ社長がホテルの一室に呼び出されていくと、そこに同じように誰かに呼ばれたセヒがいた。すると、目を離したすきに何者かに頭を打たれて意識を失う。目を覚ますとセヒが殺されている。その時通報を受けた警官が駆けつけ、ユミンホ社長が現行犯でつかまる。その時、入り口の鍵も、窓の鍵も閉まっている密室状態だった。
ユミンホの会社の弁護士が動いて釈放されたが、今後の裁判で無罪とするために敏腕女性弁護士を雇う。それがヤンシネで、どんな細かい情報でも教えてくれとユミンホからの聞き取りを始める。
そこで交通事故が起きたことを話す。実際には両方の車両がぶつかっているわけではない。ユミンホが警察に電話すれば済むことだ。でも、不倫発覚を恐れた女の方が回りくどいことをする。その時、セヒが運転していたユミンホの車も動かなくなっていた。通りかかった親切な人がたまたま自動車整備をしていて修理をしてもらう。修理が済んで、整備工の家でごちそうになっている時、衝撃の発見をしてしまう。
もう少し話を進めてもいいのだが、この辺りにしておく。
観客に錯覚を起こさせる映画だ。裁判で有利になるために、何でも話してくれというヤンシネ弁護士はユミンホから徹底的に聞き込む。そして、ヤンシネ弁護士なりの推理も働かせた作戦も教授する。この辺りがすべて再現映像になる。こういうことなのかと思ったその後で逆転、そして逆転だ。よくもまあ考えたものだ。
「告白、あるいは完璧な弁護」は「最後まで行く」と同様に一つの交通事故にとんでもない背景があったことがわかり、それと密室殺人事件とをつなげていく。複雑な内容なのにわかりやすい。これもおもしろかった。韓国映画のストーリーは奥が深い。ネタが多い。
映画「告白、あるいは完璧な弁護」は韓国得意のクライムサスペンスだ。密室殺人の真犯人に絡むミステリーだというだけの予備知識である。スペイン映画のリメイクのようだけど、それなりに改変したという。映画館にあるポスターでキムヨンジンの顔が妙に気になっていた。「シュリ」で注目を浴びたあとしばらくは主要作品に登場してよく観ていた。もう50になる。韓国映画らしい意外性のあるストーリーを期待したが、十分に満喫できた。
この映画のストーリーは何を語ってもネタバレになりそうなので慎重にたどってみる。
IT企業の社長ユミンホ(ソ・ジソブ)が不倫相手だったセヒ殺害事件の犯人として逮捕収監されていたが釈放され自己所有の別荘に向かう。そこへ依頼を受けた弁護士ヤンシネ(キムヨンジン)が訪れて事情を確認しはじめる。ユミンホは自らは無罪だったと主張する。
それと同時に、セヒ(ナナ)と一緒にいた時に交通事故に巻き込まれていたことを告白する。セヒが運転している時に対向車とぶつかりそうになり、結局相手の車の運転手が障害物に追突して死んでいることがわかる。警察を呼べばいいものを不倫現場で巻き込まれるのを嫌がったセヒとともに事故処理をする。
この事故処理をめぐって事件が複雑になる。それがこのストーリーの肝になってくる。
お見事な韓国クライムサスペンスである。おもしろかった。
基調となるのが、殺人事件の被疑者とされる社長と依頼を受けた女性弁護士との雪の中の山荘での対話だ。社長の独白に合わせての回想シーンが続く。先日観た「怪物」よりも黒澤明の「羅生門」に近いスタイルだ。意図的に観客を騙そうという意識が強く、「怪物」より緊迫感があっておもしろい。リメイクとはいえ、かなり練った脚本だ。
元々被疑者とされた殺人事件をたどると、謎の人物からユミンホ社長がホテルの一室に呼び出されていくと、そこに同じように誰かに呼ばれたセヒがいた。すると、目を離したすきに何者かに頭を打たれて意識を失う。目を覚ますとセヒが殺されている。その時通報を受けた警官が駆けつけ、ユミンホ社長が現行犯でつかまる。その時、入り口の鍵も、窓の鍵も閉まっている密室状態だった。
ユミンホの会社の弁護士が動いて釈放されたが、今後の裁判で無罪とするために敏腕女性弁護士を雇う。それがヤンシネで、どんな細かい情報でも教えてくれとユミンホからの聞き取りを始める。
そこで交通事故が起きたことを話す。実際には両方の車両がぶつかっているわけではない。ユミンホが警察に電話すれば済むことだ。でも、不倫発覚を恐れた女の方が回りくどいことをする。その時、セヒが運転していたユミンホの車も動かなくなっていた。通りかかった親切な人がたまたま自動車整備をしていて修理をしてもらう。修理が済んで、整備工の家でごちそうになっている時、衝撃の発見をしてしまう。
もう少し話を進めてもいいのだが、この辺りにしておく。
観客に錯覚を起こさせる映画だ。裁判で有利になるために、何でも話してくれというヤンシネ弁護士はユミンホから徹底的に聞き込む。そして、ヤンシネ弁護士なりの推理も働かせた作戦も教授する。この辺りがすべて再現映像になる。こういうことなのかと思ったその後で逆転、そして逆転だ。よくもまあ考えたものだ。
「告白、あるいは完璧な弁護」は「最後まで行く」と同様に一つの交通事故にとんでもない背景があったことがわかり、それと密室殺人事件とをつなげていく。複雑な内容なのにわかりやすい。これもおもしろかった。韓国映画のストーリーは奥が深い。ネタが多い。