映画「ブラックボックス」を映画館で観てきました。
映画「ブラックボックス」はフランス映画、逆転に次ぐ逆転でおもしろいというウワサで観てみたくなる。「イヴサンローラン」のピエールニネの主演でヤンゴズラン監督の作品だ。「ブラックボックス」とはフライトレコーダーとコックピットヴォイスレコーダーを合わせた物だというのは初めて知った。
ドバイ発パリ行きの飛行機が墜落した後に、事故究明にブラックボックスを開けてテロの仕業と判断した分析官が、ノイズが気になりそこに意外な事実が隠されているのではないかと再調査していくという話だ。観に行く前は、音の違いをチェックするだけの室内劇かと思っていたけど、そうでもない。アウトドアのシーンも多く変化を持たせる。
確かにおもしろい!
結末がこうなるだろうと観客に都度予想させて、それをくつがえすことを繰り返す。途中では、ハラハラドキドキの場面をいくつも用意してわれわれが目を離さない工夫がされている。観に行く価値はあるおすすめ作品だ。
300名の乗客を乗せたドバイ発パリ行きの旅客機がアルプスの山間部に墜落した。航空事故調査局は事故究明のために音声分析官マチュー(ピエールニネ)の上司ポロックが調査部隊を率いることになるが、いつも同行するマチュは指名されなかった。ところが、調査を開始した後でポロックが突然消息不明になる。
改めて調査に参加したマチュは、ブラックボックスを解析すると、機内にイスラム系の乗客がコックピットに侵入する疑いがあることを見つける。いったんそれで事故の顛末は決着すると思われた。ところが、乗客が遺族に残した留守電の音が、ブラックボックスの音と違うことにマチュが気づき、再調査を始めると意外な事実に気づくのであるが。。。
⒈融通の利かない分析官
この主人公マチュはかなり変わった男だ。ともかく融通が利かない。パイロットのシミュレーター飛行のチェックをしていて、軽いミスも正直に申告すると言ってパイロットの反発を受ける。普通だったら甘い点をつけてもおかしくないのに、そういうことができない。上司からの指示にも従わないことも多い。
マチュの奥さんは航空大学の同期だ。新作の旅客機を認証する機関に勤めている。当然自身の業務には守秘義務があるわけであるが、マチュはそんなことも気にせず、妻のパソコンを平気で開けて機密情報を抜き出そうとする。
融通が利かないわけどころか夫婦関係を崩す可能性もわからないバカだけど、真実をつかむためには一途だともいえる。普通だったらしないと思われることも気にせず脳天気にやる。変なやつだなあと観ながら何度も思ったが、それでなければこの映画は成立しない。
⒉登場人物の対立と葛藤
映画の最初の場面で、上司のポロックと主演のマチュ分析官がヘリコプターの墜落原因をめぐって言い合うシーンがある。音の周波数特性を分析して、理路整然と答えるマチュに対してポロックが反発するシーンではじまる。結局、次の事実解明調査部隊からマチュは外される。この映画は上司と部下の対立と葛藤の映画だと思わせた。ところが、そうストーリーは進んでいかない。この上司がいなくなるのだ。結局調査を任され、真相究明となってよかったと思わせたが、そうはいかない。
この後は、いくつもの対立を生む。しかも、その相手には、パイロットの他航空会社や飛行機の認証機関なども含まれている。要するに、次から次に真実を究明するために葛藤する矛先が変わっていくのだ。バカ真面目で融通が利かない男の奮闘記だけど、この男の推論が常に正しいわけではない。大きな間違いも起こしている。そうやって、われわれの結末への推理を難しくさせる。
主人公のような石頭男みたいなバカ正直タイプの性格のやつは好かないので、観ていて不愉快にもなってくる。それでも食いついていけるだけのストーリーの面白さと若干の謎解きの要素、ヒッチコックばりのハラハラ感がある。加えて、ハイテク機器の使い方を間違えると危険な状況に陥ることもよくわかる。観終わると、これまで知らなかった知識がたくさん頭に投下された。そんな映画である。
映画「ブラックボックス」はフランス映画、逆転に次ぐ逆転でおもしろいというウワサで観てみたくなる。「イヴサンローラン」のピエールニネの主演でヤンゴズラン監督の作品だ。「ブラックボックス」とはフライトレコーダーとコックピットヴォイスレコーダーを合わせた物だというのは初めて知った。
ドバイ発パリ行きの飛行機が墜落した後に、事故究明にブラックボックスを開けてテロの仕業と判断した分析官が、ノイズが気になりそこに意外な事実が隠されているのではないかと再調査していくという話だ。観に行く前は、音の違いをチェックするだけの室内劇かと思っていたけど、そうでもない。アウトドアのシーンも多く変化を持たせる。
確かにおもしろい!
結末がこうなるだろうと観客に都度予想させて、それをくつがえすことを繰り返す。途中では、ハラハラドキドキの場面をいくつも用意してわれわれが目を離さない工夫がされている。観に行く価値はあるおすすめ作品だ。
300名の乗客を乗せたドバイ発パリ行きの旅客機がアルプスの山間部に墜落した。航空事故調査局は事故究明のために音声分析官マチュー(ピエールニネ)の上司ポロックが調査部隊を率いることになるが、いつも同行するマチュは指名されなかった。ところが、調査を開始した後でポロックが突然消息不明になる。
改めて調査に参加したマチュは、ブラックボックスを解析すると、機内にイスラム系の乗客がコックピットに侵入する疑いがあることを見つける。いったんそれで事故の顛末は決着すると思われた。ところが、乗客が遺族に残した留守電の音が、ブラックボックスの音と違うことにマチュが気づき、再調査を始めると意外な事実に気づくのであるが。。。
⒈融通の利かない分析官
この主人公マチュはかなり変わった男だ。ともかく融通が利かない。パイロットのシミュレーター飛行のチェックをしていて、軽いミスも正直に申告すると言ってパイロットの反発を受ける。普通だったら甘い点をつけてもおかしくないのに、そういうことができない。上司からの指示にも従わないことも多い。
マチュの奥さんは航空大学の同期だ。新作の旅客機を認証する機関に勤めている。当然自身の業務には守秘義務があるわけであるが、マチュはそんなことも気にせず、妻のパソコンを平気で開けて機密情報を抜き出そうとする。
融通が利かないわけどころか夫婦関係を崩す可能性もわからないバカだけど、真実をつかむためには一途だともいえる。普通だったらしないと思われることも気にせず脳天気にやる。変なやつだなあと観ながら何度も思ったが、それでなければこの映画は成立しない。
⒉登場人物の対立と葛藤
映画の最初の場面で、上司のポロックと主演のマチュ分析官がヘリコプターの墜落原因をめぐって言い合うシーンがある。音の周波数特性を分析して、理路整然と答えるマチュに対してポロックが反発するシーンではじまる。結局、次の事実解明調査部隊からマチュは外される。この映画は上司と部下の対立と葛藤の映画だと思わせた。ところが、そうストーリーは進んでいかない。この上司がいなくなるのだ。結局調査を任され、真相究明となってよかったと思わせたが、そうはいかない。
この後は、いくつもの対立を生む。しかも、その相手には、パイロットの他航空会社や飛行機の認証機関なども含まれている。要するに、次から次に真実を究明するために葛藤する矛先が変わっていくのだ。バカ真面目で融通が利かない男の奮闘記だけど、この男の推論が常に正しいわけではない。大きな間違いも起こしている。そうやって、われわれの結末への推理を難しくさせる。
主人公のような石頭男みたいなバカ正直タイプの性格のやつは好かないので、観ていて不愉快にもなってくる。それでも食いついていけるだけのストーリーの面白さと若干の謎解きの要素、ヒッチコックばりのハラハラ感がある。加えて、ハイテク機器の使い方を間違えると危険な状況に陥ることもよくわかる。観終わると、これまで知らなかった知識がたくさん頭に投下された。そんな映画である。