映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「バンコクナイツ」 富田克也

2017-02-27 21:03:41 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「バンコクナイツ」を映画館で観てきました。

東京ではテアトル新宿でしか「バンコクナイツ」をやっていないので、ものすごい超満員である。
評論家筋の評価がいかにも賛否両論、こういった映画は観てみるに限る。自分はタイにはいったことがない。でも自分の友人にはタイの夜を楽しんでいる連中が多数いる。一時よりは値段も高くなったかもしれないが、病気を気にしながらもみんなよく遊びに行っている。予告を見ると、そういう歓楽街の店での女の子の顔見せのシーンもある。面白そうだ。


日本に来ているジャパユキさんの映画は一時期はよくあったが、ここではタイの田舎からバンコクへ出稼ぎに来ている若い女の子がクローズアップされる。金を稼ごうとみんな必死だ。自分のカラダを売ることに躊躇しない。それに絡むのが現地にいる日本人たちだ。店の客は現地駐在員が連れてくるお偉いさんたちであるが、ここでメインとなるのは、何かのきっかけで東南アジアに行き、そのまま居座ってしまう男たちだ。どちらかというと、ヒモのような存在で堕落に堕落を重ねた男たちばかりだ。

もう少しエロイ映画だと思ったら、意外にそうでもない。仏教国だからなのか?


タイの首都、バンコク。日本人専門の歓楽街タニヤ通りの人気店、「人魚」でNO.1のラック(スベンジャ・ポンコン)は、イサーン(タイ東北地方)からバンコクへ出稼ぎに出て5年が経った。日本人のヒモ、ビン(伊藤仁)を連れまわし高級マンションで暮らす一方、ラックの支える大家族は、遥かラオスとの国境を流れる雄大なメコン川のほとり、ノンカーイ県に暮らしていた。確執が絶えない実母ポーンと今は亡きアメリカ軍人だった2番目の父との息子、ジミー。ラックは種違いの弟ジミーを溺愛している。

ある晩、謎の裏パーティーで、ラックは昔の恋人オザワ(富田克也)と5年ぶりに再会する。ノンカーイから出て来たてだったラックの初めての恋人がオザワだった。元自衛隊員のオザワは、今では日本を捨てバンコクで根無し草のようにネットゲームで小銭を稼ぐしかない沈没組。オザワがラックに会うには金がいる。戸惑うふたり…。そんな折、オザワはかつての上官で、現在はバンコクで店を営む富岡にラオスでの不動産調査を依頼される。
かくして、いくつもの想いを胸に秘めたラックとオザワは、バンコクを逃れるように国境の街ノンカーイへと向かうことになったが…(作品情報 引用)


3時間はさすがに長い。でも雰囲気がドキュメンタリータッチで、カット割りが激しいというより、長まわしというわけではないが、それぞれの場面場面で時間をとるので凡長ではない。出ている俳優たちは素人のにおいを感じさせるセリフを話す。

1.日本人主人公の素性
元自衛隊員の設定である。勉強が嫌いで、高卒でぶらぶらしていたら町で自衛隊員に勧誘されたなんてよくあるパターンだ。入隊後そのままPKOで派遣されて現地に行き、カンボジアは天国だという。人気ナンバー1の女の子の故郷に一緒に行き、現地の家族と意気投合する。東南アジアにはまって住み着いてしまう奴はフィリピンに多いと聞いたが、タイにもかなりいそうだ。タイに没落しているその仲間たちをここではクローズアップさせる。


2.バンコクの日本人向け歓楽街
歓楽街タニア通りの看板には英語と併せて日本語カタカナが書かれている。行ったことがないのでわからないが、現地駐在員たちも相当行っているんだろう。日本から出張できた連中はみんなエッチ系に行きたがるはずだし、顔見せの「自分を選んでモードの視線」に常にさらされているのかもしれない。社長さん?たちと女の子がバンコク中心を流れるチャオプラヤー川沿いのしゃれた店でデートするシーンもある。「お店出したいよ」と女の子がせがむけど、日本人は冷静なんて感じだ。



この映画では店の女の子がけなし合うシーンもある。我々から見ると、タイの女の子はみんな同じように見えるけど、やれ〇✖族だの△◇族だのいって女の子のグループ同士が対立する。女性がつく夜の店で、いかにもという女のサガの火花が飛ぶのは万国共通だ。

3.ノンカーイとラオスと間を流れるメコン川
メコン川というのは4300キロもあるというわけだから長い。蛇行してカンボジアやベトナムを流れている。一昨年ホーチミンからクアラルンプールに飛行機で向かった時にメコン川の河口を見たのが印象的だ。主人公の田舎はラオスとの国境近くにあるメコン川が流れているそばだ。このノンカーイの町を目指すとき、上空から映し出すシーンがある。どす汚れたようなメコン川がクローズアップされる。この映画ではバンコクだけでなく、こういう田舎のシーンがあるのがいい。


川の反対側はヴィエンチャンというラオスの町、田舎のシーンだけど、意外にバーでたむろう外人たちも多い。フランス人のようだ。ベトナム戦争でも町は変貌したようだが、セリフを聞くとその前哨戦で独立をめぐってフランスと現地レジスタンスが戦ったインドシナ戦争の影響が大きいようだ。

コメント
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